[12]「えぇのん」Part3

Wildenstein…ヴィルデンシュタイン。
これは、村名なのか畑名なのか?
判然としなかったが、資料を手にして初めて分かった。

マルターディンゲン村の畑は、1971年の法改正でビーネンベルク畑に集約された。その中に、古区画で“Willistein”…ヴィリーシュタインという部分があった。

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700年以上前に、シトー派によって開かれた畑で、テラス状になっていて、大昔の岩壁が見られる。
ここを『ヴィルデンシュタイン』として、独立銘柄としたのである。

フーバー醸造所が所有する中で、最も赤色のトーンが強い石灰岩層で、鉄分の含有率が多い畑である。
表土わずか30センチ、葡萄の樹は水分を求めて地中深くに根を伸ばす。

この畑に植えられたシュペートブルクンダーの樹齢は48年、単位収量は、なんと25hL/haまで絞り込む。
そこに究極の技と哲学が加わればどんなワインになるか…は容易に想像できる。

ただし、このヴィルデンシュタインだけは、ビーネンベルク畑の中の区画に過ぎないから、ドイツワイン地図には表記されておらず、グローセス・ゲヴェックスとしての表記は正式認可を多分、数年待たねばならないだろう。







 ヴィルデンシュタイン
 [R](レゼルヴェ)
 シュペートブルグンダー 赤
 QBA トロッケン



力強さ、濃度感、長寿のポテンシャル…
すべての点において、フーバー醸造所のフラッグシップと言える存在。

年産250箱。
そのうちのごく僅かのみが日本に入荷される。
これは、並の心構えではとても飲めない。
歴史と、テロワールと、努力の結晶。
2005年という天からの恵みに実ったレア物なのである。

        [To Be Continued...]
        
 


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