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[18]セラーにて |
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早めに来られたフーバー氏をセラーに御案内する。
この日は少し雨模様ということもあったけれど4月初旬の倉敷として、気温は暑くもなく、寒くもなく…。12℃に設定したセラーは、やや涼しく感じる。
最近は、ユーロ高・ドル安の傾向から、今迄は少なかったニューワールドのワインが増えワインセラーの中が雑然を通り過ぎて混沌としていた。
しかしフーバーさんが来るという事で懸命に片付けた。
せっかくセラーの中もご覧頂くのなら、余りに酷い状態では申し訳ない…と連日深夜までかけて…
それでもってちょっとばかりフーバーさんのワインを多めに並べたりしてみた。
最初は愛想のつもりだっのだが、並べてみると壮観で、強固な城塞ができたような雰囲気になった。
一番上段に特級を並べ、その下に縦一直線にレイアウト…
レゼルヴェ、アルテレーベン、マルターディンガー、ユンゲレーベン
その横にはヴァイサーブルクンダー、グラウアブルクンダー、ミュラートラガウ
と、こんな状態で棚に列んでいる。
これを見たフーバーさん、
「アリガト」と言って私に向かって合掌した。
誰だよ、こんな挨拶を教えたのは…。
でもその仕草は、感謝の心を精一杯表そうとしている優しい心が見てとれた。
そして、言葉と外見が違っても一挙に心が近づいてきたように感じられた動作だった。
気がついた時、『フーバー氏』と頭の中に構築していた五房の巨人が、いつの間にか、肩を抱きたい『フーバーさん』に変わっていた。
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フーバー醸造所 ワインリスト
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