[02]マルターディンガー
キリスト教・シトー会。
開墾し、祈る。
粗食に耐え、地面に伏して眠る。
そしてまた祈る…。

自らを厳しく律しただけでなく、開墾した場所に植えたのは葡萄、彼らこそピノノワールを広めた立役者だった。

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ブルクンドのヴォージュ山脈を越えてやって来て、黒い森(シュヴァルツ・ヴァルト)の南端のこの村でやはり同じように開墾し、祈り、地に伏して眠った。
そして植えた葡萄は、彼らの起点=ブルクンド周辺と同じピノノワール。

より良い作柄を得ようと努力する彼らにとって、緯度が故郷と大差ないこの地は、その実力を発揮するに十分な場所となったようだ。

だからこそ当時、世界最高の赤を造り、「マルターディンガー」というブランドが確立できたのだろう。
現在ピノノワールの別名としても登録されている葡萄名である。








 フーバー 》ユンゲレーベン《
 シュペートブルクンダー
 QBA トロッケン




ピノノワールの栽培が難しいのは、世界中どこでも同じ。
自分の故郷で、遙か昔といえど、世界最高品質の赤が造られていた…と知ったベルンハルトの血が騒がぬ訳がない。
故郷を愛し、ピノノワールを造る技量と意思があるからなおさらである。

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国際舞台では全く認知されていないドイツの赤、しかも高い栽培・醸造技術を求められるピノノワール…という困難な道だからこそ、彼の心はよけいに熱くなったのかも知れない。

        [To Be Continued...]

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