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[21]セオリー破り2 |
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セミナーの会場で、試飲がある場合には、ミネラルウォーターが添えられている事がよくある。
ワインの味を利く時、パンなどよりも口の中をニュートラルに戻せる…と感じていた。
が、ある人が教えてくれた。
ワインの造り手達は、どれほど凝縮感を出そうと努力をしているかご存知ですか?
秋の雨に怯えながら、できるだけ濃い味わいの為、それこそ命がけで頑張ってます。
なのにそれを水で薄めるのですか?
少なくとも水っぽい味わいを造るまい…
と努力している蔵元の前では水で口をゆすがない方が良さそうですね。
…と言われ、さもありなん、と思った。
試飲会の時などに、自分で注いだワインを一口だけ飲み、後を捨てまくっている人を見て呆れかえっていた私だが、もしかしたら、蔵元に対して彼らが不快に感じる事をしていた…と気づいた時、反省し、自らを戒めた。
以来、試飲・セミナー・ワイン教室の時、ミネラルウォーターの使い方には細心の注意を払うようにしている。
今回、フーバーさんのセミナー時に、ミネラルウォーターを使うかどうか…は、主催者側となっている以上、かなり悩んだ。
バケットは用意するとして、水はどうだ…と苦しんだが、当日の来訪時、本人に聞くのが一番確実だ。
その答えは、
「あなたの思うようにしてくれれば良い」
だった。
通訳が伝えて来たのは、
「私のワインの風味が水で薄まるような事はないので大丈夫だ。」
との事であった。
それから、飲む順番について再度話したら、
「もし、レジメ通り白から飲むならば、
シャルドネ レゼルヴの後で
ミネラルウォーターなどを使えば良いだろう。」
との言葉を頂いた。
つまりは、フーバーさんのワインの赤は
格子戸であっても、白の特にシャルドネのレゼルヴになると
雨戸…という程でないにせよ、障子のような状況になって、
外の風景を見るのではなく、内側に目を向けざるを得なくなるのだろう。
それを開けて次のシーンに移るには、ミネラルウォーターを使えば良い…
ということなのだろう。
フーバーさんの白。
主張が強く濃度が高い…と言ってもちゃんと食事と調和する。
その中でもシャルドネのレゼルヴは、最も濃度が高いものの一つ。
シャルドネ レゼルヴ
その重厚さが次の赤をスポイルしないように…
という配慮からの言葉だったようだ。
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