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[28]白3番 その2 |
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ドイツのシャルドネは、1989年迄は不遇な境遇下にあったので、セミナー参加したプロにとっても「初めて」…という人が多かった。
まだ輸入量も少なく、存在はマイナーだから仕方がない。
しかし、コート・ド・ボーヌと酷似するテロワール、
さらに1954年に植えた、樹齢50年を越す古木、
加えて厳しく収量制限を行い、貯蔵は新樽225リットルである。
これだけのスペックを、当代随一のフーバーさんが仕上げるのだから品質が、メジャーにならぬはずはない。
分厚いボディ、溢れる果実味。
新樽の風味が、味を引き締める。
フーバー
シャルドネ
Q.b.A トロッケン750ml
フーバーさんは、合わせるお料理は、
ホタテのお刺身、バター焼き、
脂の乗った白身魚を指定。
先程のヴァイサーとは違って、お料理を選ぶ個性が出ている。
前のヴァイサーブルクンダー、このシャルドネ、両者とも口に含んだ時「苦み」があると言う。
その味構成こそがフーバーさんの造りたいものであり、お料理と合わせる…という命題に取り組んで仕上げているのは同じと主張した。
つまりは、95〜99%のシチュエーションで、お食事と合わせて欲しいものである。
そしてもし単体で飲むならば、5〜7年は寝かせて欲しい。
酸・風味が円やかになった時に飲んで貰えれば、よりお楽しみ頂けるだろう…と言った。
と、ここで参加者から質問が出た。
「“苦み”とは一体どういった要素から得られるのか?」
実際、まったりとパワフルなシャルドネ辛口の構成要素が成っており、このフーバーさんのワインだけが、“苦み”と呼ぶものを特別に感じさせるものではない。
だからこそ、この質問が出たような気がする。
フーバーさんが答えていわく、
「その味わい(苦み)は土壌からくる。
白ワインも漬け込むと苦み成分が抽出する。
何となく塩っぱいよう(←ミネラル?)が、
“苦み”と感じさせるのかも知れない。」
複雑なミネラル風味がもたらすボディから後味への広がり、その中には確かに、ほのかに“苦み”があるのは間違いない。その味覚をピックアップして、表現したものらしい。
客観的なテイスティングでは、苦みと言うよりも、ググッと締めながら続いていく後味、そして力強く切れ上がるフィニッシュによって、この言葉を使ったのかも知れない…と感じた。
このシャルドネは、瓶詰め後、2年経って出荷しているが、リリース直後はまだ飲むには若すぎる。
先日、1994年シャルドネを、ある会場で飲んだが、極めて良い状況になっていた。
14年経って、そういった状態になるワインだからこそ、できれば、5年位は置いて欲しい。
そうすれば、より実力を発揮する事が保証できる…との事だ。
2004年 シャルドネ。ちょっとばかり幼児虐待だったようだ。
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