[37]見えない努力をする人〜コルク(3)
コルクは、とにかくベストを使う。
質が極めて大切。気泡の入り方が良い状態のもの。
それがフーバー醸造所のコルクの選び方…と分かった。

「最近は、コルクの入手が難しくなっている」
と言う醸造家も居るが、事実なのか?
という問いには、そんな事はない。
需要が大きく値上がりしているのは事実だが、
コストを覚悟すれば、調達に問題はない…とのこと。

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結局、この言葉は、これまでの価格では買えない…
という事のようであり、
不良が出た時に、コルクのせいにするような造り手の
言い訳…と考えるのが妥当なようだ。

コルクが話題になったので、続けて質問が出た。
焼き印は、フーバー家の家紋?
…というものだ。返答は、

フーバー家は農民なので、家族のワッペンはなかった。
そこで醸造所設立時にフーバーさん自身が造ったそうだ。
格子模様は700年前のテネンバッハ教会のマーク。
テネンバッハの「T」をもじって、フーバーの「H」を入れた。
そして葡萄栽培の道具である鎌をそこに記した。

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彼の誇りがそのまま、このコルクに込められているのだ。
丹精込めて育てた葡萄を完成品のワインに仕上げ、
そして瓶に詰め、最後に打つ、このコルク。

いい加減な造り手、そして時の向こうまで見ようとしない造り手なら、
ついないがしろにしてしまいそうなこのパーツこそ、
実はワインにとって最も重要な要素の一つに違いない。
だからこそ、ベストを使う。

30年以上貯蔵するなら迷わずボルドーのワイン…と考えていた私だが、
今回、それ以上に信頼できる存在が出現したのを実感している。
彼のワインを私は、人生の伴としたい…と思い箱買いした。

               
    ヴィルデンシュタイン [R](レゼルヴェ)
   シュペートブルグンダー QBA トロッケン


10年後、20年後、そして30年後…と、
当店に来てくれた事を思い出しながら、
人生の節目に、一本づつ飲んでいきたい…
と思っているのだ。

           [To Be Continued...]


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