06-0730ポール・マス来訪 [10] 気候の差

つい「南仏」…という一言で片付けてしまう
ラングドック&ルーション地方だが、
広範囲に渡って造っているため、
生産されるワインが持つテロワールは大きく違う…
とポール・マスは言った。

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コトー・デュ・ラングドックは、海洋性気候。
穏やかで温暖な気温、豊かな日照。

一方、リムーはかなり内陸に入り、
標高が高い上に盆地で、寒暖差が激しい。
完璧ではないにせよ、大陸性気候に近づく。

ラングドック地方で唯一の白専門AOC、
その気候から、1993年にシャルドネも
認められるようになった地区。

ポール・マスが造る中でも最も注目すべき白は、
ここから生まれる。

自分の本拠から離れている為、
醸造はリムーで行われる。
葡萄の選別を極めて厳しく行い、
仕上がったワインをさらに三段階に厳選、
最もレベルの高いワインを8ヶ月オーク樽貯蔵。

年産1000箱を切る生産量しかできない
厳選されたワイン。

「ワイン王国」で過日、2000円以下の
ベスト・バイに選出されているのも頷ける品質。

トワーベー・オーモン 白
ジャン・クロード・マス
(ドメーヌ・ポール・マス)

ラベルが派手なワインは怪しげだ…
という前に御一飲を。
シャルドネの持つ味香をふんだんに楽しめる上に、
巧みな樽使いを感じる事ができる。

オレンジ、ナッツ、バター、ハチミツ、
ロースト香、オークの香…
まったりとオイリーな舌触り、
しっかりとしたボディ、なめらかに続いていく余韻…

ゆったりとした時の流れの中、
南仏の太陽が山の斜面に当たる。
その刻々と変わっていく姿を描き上げた
アンリ・パウエラの作品がエチケット。

グラスに注がれた黄金色の液体を揺すれば
目の前にその風景が浮かんできそうに感じる。

コストパフォーマンスに優れるポールマスのワインの中でも、
白ではトップと言って良い味わい、
それは、ラングドックの中でも少し個性的な
リムーのテロワールを生かし切っているからこそ
生まれ得るのだろう。

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