ボージョレが席巻している日本のヌーヴォー市場だが、
本来の姿はどんなものだったのか?
彼の造るヴァン・ド・ペイ・ヌーヴォーが
それを教えてくれる。
彼が所属するACミネルヴォアは、ラングドック地方の常として、
極めて多くの葡萄品種を植えている。
公称は16種類だが実はもっとあり、
それぞれに収穫日が違ってくる。
早熟なものもあれば、晩熟なものもあり、
なんと45日間、収穫作業が続くのだ。
もちろん、収穫した葡萄は、即醸造しなければならないから、
選別・醸造…と、眠る間を削るほどの過密スケジュール。
途中に休日は取れるかも知れないが、
まったく無休になるかも知れない。
田舎オヤジだから頑張れる超重労働。
…って、労働の苦しさばかりに目を向けては
ワイン造りなどやってられない。
美味しいワインを造りたいという情熱があり、
飲んで喜んでくれる人がいる。
積み重ねてきた一年の努力が、実りとなる。
こんなに嬉しい事はない…と摘み取る手に集中し、
収穫できた葡萄の重さを楽しむ。
でも、この作業、やはり辛いのは事実なので、
飲みながら、楽しんで行いたい…と考える。
実際、飲みながら作業するのだが、
総面積82ヘクタールという広さをカバーするには
助っ人を頼まざるを得ない。
そしてこの助っ人達と、ブドゥ氏本人が一日に消費する
ワインの量は、何と400本!
しかも食べ物もてんこ盛りの連日パーティー。
この収穫を楽しみながら飲むワイン、
もちろん、その年の収穫が、どんな具合か?
…を確かめながら行うのが重要になる。
従って、収穫の早い場所の葡萄
(ラ・トゥール・ボワゼの場合はシラーとメルロー)を
主体にして仕上げる事になる。
…といった状況で造ってきたのだが、
出荷日が法律で決められてしまい、逆算していくと
収穫日も決まってしまう。
その為、天候と生育具合から、葡萄のセパージュは
収穫・醸造の当日に変更してしまう事もある。
ヴァン・ド・ペイ・ヌーヴォ [2006]
ドメーヌ・ラ・トゥール・ボワゼ
自分たちが飲むために、その年の葡萄の状態を確かめる為に、
僅かだけ造られるこのヌーヴォー、
蔵元の仕上がりは10月10日頃。
これを高速船で運搬すると…
そう、間に合うのだ、
ボージョレ・ヌーヴォーの航空便の解禁日に。
しかも船便の運賃なので、格安。
余り、気にしていなかった南仏の
ヴァン・ド・ペイのヌーヴォー。
この金額ならば、そして
本当に作柄を知る目的なら飲んでみたい!
と思った私は、つい仕入れ約束をしてしまった。
45日間、飲み続け、食べ続けて体重が増える…
(収穫が終わった後は体重が10kg以上増えるそうだ)
という、ラ・トゥール・ボワゼのヌーヴォー。
ご予約で、ボージョレ・ヌーヴォー航空便と同梱可。
御一緒にどうぞ!