ボージョレ・ヌーヴォーの作柄のやりとりは
大阪商人の挨拶と同じだ。
「もうかりまっか」
「あきまへんわ」(良くもうかっているよ)
…と、相手を悪い気にさせないようにして、
言葉とは別の場所にある真意を伝える。
「今年の天候はどうだった?」
と問えば
「最高の天候だった」
という答が定番だからこそ、少なくとも売る側は
天候が本当にどうだったか…は確認しておく必要がある。
今年の天候についても、結構、センセーショナルで心地良い、
豊作を臭わせる言葉が聞こえてきた。
5月は、暑く湿気の多い日が続いた。順調な成長。
6月の初旬は少し寒かったが、後半の15日間、
真夏を思わせるような快晴の日が続き、花は 素晴らしい状態になった。
7月平均気温は35~39度で、2003年の天候日照時間に迫る勢い。
葡萄の色づきも予想より早く始まった。
既に3割程度の房がが赤色に変わり、紫色に変わった房もある。
…といった具合だ。しかし実は
4月の発芽の遅れ、6月前半の極めて寒い日、
何よりも、8月が語られていないのだ。
実は、一年間のワーク・ホリデーでフランスへ行ってた方が
ブルゴーニュの収穫なども手伝った後、
ちょうど帰国して、天候を教えてくれた。
それを聞くと8月の寒さは尋常ではなかったようだ。
ほとんど太陽が見えない日々。
空気は肌寒く、夜間はマフラーとコートを
引っ張り出さなければならなかったほど。
最終週でやっと暑さが戻ってきたものの、
8月の天候の悪さは、尋常ではなかったようだ。
この点が、2006年のヌーヴォーにいかに影響するか?
は極めて興味深い事だった。
そこで、昨年に続いて、11月18日に一挙15品目、
さらに翌日10品目、合計25品目の飲み比べを行った。
[To Be Continued…]