高級ワインを輸入する業者が、
今年のボージョレ・ヌーヴォーの看板として入荷した銘柄。
製造はリニシアル社、瓶詰めはネゴシアンのジャン・エティエンヌ。
“リニシアル社”と言っても、推測通り家族的経営。
しかしながら自分で瓶詰めを行わない…と言っても、
品質の低さには結びつかない事は、その実績が物語る。
タイユヴァン、ポールボキューズ、ルグラン、ウィリーズ…
といった名だたる三つ星レストランで使われている
ボージョレ・ヌーヴォーなのだから。
量より質で稼ぐスタイル、
葡萄樹は、厳選されているだけでなく樹齢60年以上を使用。
肥料は有機、化学物質に頼らず、手作業でメンテナンス。
人工酵母は使用せず、野生酵母を使う。
極端にアルコールが低くなる場合を除いては、
補糖を行わない(これはちょっと驚き!)という徹底ぶり。
何度か使用した古いオーク樽に入れ、瓶詰め時も過剰なろ過を行わない。
亜硫酸の添加も最低必要限に抑えている。
こんな“ビオ”に近いような造りながら
それについての宣伝はほとんど無い。
三つ星レストランが挙って使う…その理由が、
手法は言うまでもなくそれよりも
味香にありそうで期待が持てる。
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー
リニシアル社 [2006]
2,870円 (税込)
グラスに注げば、しっかりと深く、紫を含んだ輝く紅色。
香は、ベリーや果実は当然なのだが、
他のヌーヴォーでは余り感じない樽もしくは木の匂いがある。
発酵槽が古いオーク樽だからか?
データ不足なので判然とはしないが、複雑な香、
しかも滑らかな舌触りとスムーズなのど越しは秀逸。
分子がもしかしたら細密なの?と思えるほどのキメ細やかさ。
三つ星とかそんな事は無関係で、
これは美味しい!
堂々1位/15品目中を獲得。
その実力の高さが光った。
[品 質→ 普通 良い 優良 秀逸 ●最高]
[質:価→ 普通 良い 優良 秀逸 ●最高]
[To Be Continued…]