初めてフーバー醸造所の赤を飲んだ時、
1.ユンゲ・レーベン(に相当するもの)
2.マルターディンガー( 〃 )
と続けて飲んだ。
1.ユンゲ・レーベン —- ブルゴーニュ・ルージュ
2.マルターディンガー —- ブルゴーニュ村名ワイン
3.アルテ・レーベン —- プルミエ・クリュ
4.”R” レゼルヴェ —- グラン・クリュ
まず、1.で小学生相手と思った相手に一瞬で吹き飛ばされた。
気を取り直して臨んだ2.で、やはり一撃でリング外だった。
その時3.は無く、無謀にも4.レゼルヴェに向かう事になった。
既に場外乱闘状態で、もうリングには戻れないのは分かっていた。
懸命に自分を取り戻そうとしても味香に圧倒され、
完膚無きまでに叩きのめされた。
頭の中をリセットしなければ、
ピノノワールの世界地図が構成できないのだ。
頑迷に『ドイツ』という枠組みで構成しようとするが
記憶の中にある味香が許さない。
シャルドネだと、北にシャブリ・南にプイィ・フュイッセがあるように
黄金の丘の飛び地が国境を越えた場所にある…
という認識もアリなのかも知れない、と言い聞かせるしかなかった。
レゼルヴェ。
それは、マルターディンゲン村のビーネンベルク畑の
最良の部分。樹齢は50年以上(現在のレゼルヴェ)。
新樽で18ヶ月以上の熟成。
年産わずか400箱余り。
フーバー シュペートブルグンダー “R” レゼルヴェ
突出した内容、圧倒的な風格、そして希少性も含めて
国賓歓待用に使われた事も納得できる。
こんな凄いワインを造るのはどんな怪物なのだろう…と、
ベルンハルト・フーバーの名に、
畏敬の念を抱かせたワインでもあった。