10_0123ボルドー物語 [03-1]

ロートシルト家 その1 タペストリーの裏側を

1855年格付けを軸にした、ボルドーワインへのアプローチは、
ファンならではの醍醐味。

前回、リシリューが復権を願い、ポンパドールがリベンジを果たした…
という側面からシャトー・ラフィット・ロートシルト。
その所在地はボルドー地方、メドック地区、ポイヤック村。
ポンパドールが華やかな宮中を闊歩していた頃は、
セギュール伯爵家の所有だった。
彼は、このシャトー・ラフィットだけでなく、隣の、
現在はシャトー・ムートン・ロートシルトとなっている部分も所有していた。

つまり、現在のシャトー・ラフィット・ロートシルトと、
シャトー・ムートン・ロートシルトは、地続きなだけでなく、
元は同じ人物の所有畑だったのだ。
多分、微小気候の差はかなり少ない‥と考えても矛盾はないだろう。
そしてこの、ラフィットとムートンが、縦糸と横糸のように織りなす
美しいタペストリーには、表と裏がある。

前回の、ポンパドール、リシリュー、コンティ公‥という、
歴史の教科書に登場するような人達の話が表側。
そして、これから見ていこうとする、教科書には余り綴られない人達が
裏側と言って良いだろう。

それは、ラフィットとムートンの名前の後ろに共通して付随する、
「ロートシルト」家。
セギュール伯爵の手を離れて以降、全く違う経営と造りを行う2つのシャトーに、
同じ名前がついているのは?
この謎を解く事こそ、1855年格付けのストーリーを知るのに
不可欠の要素となる。

[To Be Continued…]

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