次に出されたのは、ヴァイサーブルクンダーである。
フーバー ヴァイサーブルクンダー Q.b.A トロッケン 750ml
このワインは、発酵はステンレスタンクだが
熟成の1/3は樽、2/3をタンクで行い、
乳酸発酵の工程がきっちりとあり、仄かな樽香を持つ。
日本料理に合わせると極めて相性が良い。
造り手さえ驚くほどの調和の美を見せる。
天麩羅、ニシン蕎麦
刺身、寿司、雑炊…
次々とカテゴリーの違う日本料理と合わせた。
しかし何の抵抗もなく、全てが美しいマリアージュを楽しめたと言う。
そう言うと、大まかな判断…と感じてしまうかも知れないが、
実際に両者は、高次元で調和してしまうのである。
わさびも大好きだと言うフーバーさん、通訳が
造り手が好きな風味がワインにも反映されていくのかも知れないですね…
確かにその通りなのだろう。
でもそれ以上に、人柄がワインにも反映されているようだ。
控えめで穏やか、饒舌ではないが確実な言葉。
ただの“地味”と、努力と自信に裏打ちされた“無口”は
全く意味が違う。
それがワインにも、明確に息づいていると感じた。
フーバー醸造所のすぐ南には、
フライブルグという大きな街がある。
四国・松山市と姉妹都市だ…と言うと、会場から
『今日は松山から来ました!』
という声が上がる。小さい会場だけにライブ感十分。
倉敷まで、電車を乗り継ぎ、瀬戸大橋を渡って来た方に拍手がおこった。
松山からおいでのT氏
この街で有名な「芭蕉庵 椿」という日本料理店で、
最も飲まれているのは、このヴァイサーブルクンダーだそうだ。
フライブルグまで10kmチョイ
8度目の来日のフーバーさん。
来る度に日本が好きになると言う。
日本料理に合わせると、なぜこんなに合うのか?
が不思議でならない…とも。
ハーフ瓶もあります…
『何と合ったかを言いたいが、料理の名前を覚えきれなかった』
と言う顔は、努力と自信に裏打ちされている…と十分に感じ取れた。