フーバーさんは語った。
「現在、コルクは代替品も含めて、色んなものが出回り始めた。
人造コルク、スクリューキャップや、ガラス栓もポピュラーになってきたが、
自分のワインの特性にはふさわしくないので、
現在は、天然コルク以外は考えていない。」
人造コルクは、瓶がそのまま使えるという利点があるものの、
長期の貯蔵には良くない…というデータが出たようだ。
ガイセンハイム大学からの報告では
シンセティック・コルクは15ヶ月で細かいヒビが徐々に入り、
時間と共に、多くの空気が流れるようになる可能性が指摘された。
ガラス栓も、長期貯蔵時の熟成については
データが揃っておらず、今のところ、
フーバーさんは自分のワインには使う気はないと断言。
スクリューは安全性が高いが、すべての研究成果が
まだ揃ってないので、やはり今のところは、使えない…
という見解。
しかしながら、良い結果が出れば、
「使う覚悟はある」とも明言。
コルク以外で、この完全主義者の目に叶うのが、
スクリューというのが、少し奇異にも思えたが、
ワインの熟成…という点だけを考えれば、正しいのだろう。
さて、天然コルクなのだが、一口にいっても価格は様々。
最も安いものは15~20セント(25円~33円程)で入手できるそうだ。
フーバー醸造所では徹底的にに良いコルクを使うようにしており、
具体的にはポルトガル製だそうである。
そしてそれぞれのコストが、
ユンゲレーベン 83円
マルターディンガー 100円
アルテレーベン 150円
レゼルヴェ 200円
のものを使っているのだ。
レゼルヴェに超高品質の54ミリのコルクを打ち込むことは
自分自身の哲学的な事であり、
「理解してくれて嬉しい」…と語った。
ただ、コルクの請求書が家に来た時は、いつもは優しい奥さんが、
ムッとした顔になるのだけが辛いそうだ。
こんなにもコストをかけていることに驚いたのだが、
それ以上に、問わなければ黙っていた事の方が驚きだった。
マルターディンガー・ビーネンベルク [R](レゼルヴェ) シュペートブルクンダー
54mmのコルクが使われている
やるべき事は150%やっている。
なのにおくびにも出さない。
そんな積み重ねが今のフーバー醸造所の品質を創っているのだな…
と理解した。