08-0315 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-1]メニューが届いた

ヴォナ村安田で行う食事会の
メニューが手元に届いた。
じっと眺めながら思いにフケる。

お料理にワインを合わせる…。
簡単そう?…に思えるかも知れない。
特にフレンチの場合ならば料理の本を数冊でも紐解き、
そこに書かれている「組合せ」をそのまま並べれば
そこそこの調和は得られるのだろう。

しかし、そんなコーディネイトでは浅薄に過ぎる。
熟達した料理人の仕事を目の前に、
18,000本の在庫を抱える、キャリア30年のワイン屋が、
書籍だけを頼りに、無難な選択をしていては
自分の仕事をしているとは言えない。

img0cd099b4zik6zj

料理人の創る料理を思い描き、
頭の中でメニューに記された料理を創り上げ、
在庫の中から適合するワインを対応させていく。
そのヴァーチャル・ワールドで、美しいハーモニーを聞けて、
ニュアンスの差を感じ取れてこそ、「プロ」と言えるのだろう。

メニューは以下の通り
┌──────────────────────────
│ 1.オードブル
│ ・白アスパラのババロア
│ 菜の花のソース
│ ・サザエのブルゴーニュ風
│ ・野生真鴨とリ・ド・ヴォーのテリーヌ
│ ・タラバ蟹のムース フレンチキャビア添え

│ 2.スープ
│ 自家製無農薬大根のスープ
│ カリカリベーコンと燻製オイル添え

│ 3.魚料理
│ ・オマール海老のムース パートフィロー包み焼き
│  ソースアメリケーヌ

│ 4.肉料理
│ ・フランス産バルバリー種鴨のロースト
│ ヴィオレ粒マスタードソース
│ 5.デザート
│ ・二種のチョコレートムース
│ ・バニラとキャラメル
│  ラムレーズンのアイスクリーム添え
└───────────────────────────

フレンチの場合ならば大きく外す事はないが
多くの場合は80点位で止まってしまう。
それではお料理の造り手に申し訳がない。

参加者はグルメな強者ばかり。
その程度のレベルでは、
適当な笑顔と愛想の言葉は発するだろうが
心の底から「美味しい」と思ってなど貰えない。

天才ではない人間が、直感に頼れば、
到達できるレベルはすぐに限界が見える。
だからこそ、多角的な検討が必要になってくる。

まずはこの食事会に先だって、安田シェフのお料理を数回頂いた。
そのソース、味わいのバランスなどを体と頭に染みこませ、
これらの料理の延長線上に今回のコースが組み立てられると仮定する。

img422d8427zik5zj

そして、お料理の中でどこを中心に置くか…を考える。
本来なら、メインディッシュの肉に違いない。
バルバリー鴨ならば、当然のようにブルゴーニュ・ワインとなる。
が、ここに力点を置くと、余りに当たり前になり過ぎる。
それと同時に魚料理に対して、焦点がぼやけてくるような気がした。

そこでワインのストーリー展開の見せ場を、
魚料理側に少しだけシフトして組み上げてみる。
この魚料理への微妙な力点の移動が
今回のマリアージュの面白さになる、と信じながら…。

[To Be Continued…]

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です