08-0316 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-2]力点の考察

今回の魚料理は、

オマール海老のムース パートフィロー包み焼き
ソースアメリケーヌ

である。

アメリケーヌ・ソースには、やはりロゼ。
定番と言える組合せだ。
ならば何を合わせる?

プロヴァンスのロゼ…っていうのが1800円ほどで
非常に扱い易い。

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しかし、何かしら違和感を覚える。
それは、プロヴァンスのロゼの持つ風味が
私の想像するシェフの造るソースのイメージと
僅かに不協和音を感じるからだ。

ではもう少し北か?…とボルドーのサンテミリオンの
シャトーが造ったロゼを記憶の中で合わせてみる。

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いや、違う。このワインの華やな香は、どうもズレる。

やはり南だろうか…。
コート・デュ・ローヌ地方のワインならば…

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コトー・デュ・ヴァントー ロゼ
Dm.フォンドレッシェ

いや、これも少し違う。しっくりはこない。
南寄りのロゼでも、きっとタヴェル・ロゼの方が
合いそうな気がする。
では、十分な品質を持つ当店在庫の
シャトー・ダッケリアを使うか。

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(水の城っていう名前も良いよなぁ…)

いや、でも少しニュアンスが違う。
パートフィロー包み焼きだからこそ、
もっと力強い、同じタヴェル・ロゼだったとしても
ドメーヌ・モルドレの方が合いそうだ。

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このタヴェル・ロゼ、
金額が4200円で高いものの、その品質たるや究極状態、
幻と言われるほど、入手が難しいワイン。

確かにこれなら合いそうだ。
しかし力強過ぎる。
ここでモルドレのタヴェルを使うと、
後に来る肉料理のブルゴーニュ・ワインを押してしまう。

このロゼを越えるブルゴーニュを用意しようとすれば、
少なくとも2万円級になってしまう。
金に糸目を付けないのならまだしも、
トータルで壮大な出費となってしまう。
それだけでなく、お料理の前にワインがしゃしゃり出るような
選択をしてはならないだろう。

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ワイン屋だからこそ、それは避けねばならない。
求めるべきは、お料理を引き立て、
最高のマリアージュを産み出す事であり。
ワインが目立つ事ではないのだ。

[To Be Continued…]

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