Tranporter3 Unlimited
ワインを飲む。
その液体から伝わってくる情熱を
お客様に伝えるのが私の仕事。
異性に喩えてみたりする。
音楽のイメージをなぞらえるて語ることもある。
絵画のモチーフと重なれば、心の動きを
シンクロさせ表現する。
ワインの持っている内容を
お客様に向け伝える為に、デバイスを使い分けるのだが、
逆に、
「このイメージのワインはないか?」
と問われる事がある。
今回は、プロとして依頼されたこの仕事、
特に気合いを入れて取り組んでみた。
試写を見て、その主人公、そしてヒロインのイメージのワインを…
という逆引き辞書のような問いかけ。(これって、『神の雫』状態?)
と言いながらも,謎の美女、
ヴァレンティーナ
(ナターシャ・ルドコワ)は、
一発!決め打ちの
このワイン!!
美しく繊細。
それでいてセクシー。
強引で暴力的な部分を含みながら
本質的な可愛らしさに惹き付けられる。
そして根底に流れる太陽への憧れ。
しかしながら、主人公、
フランク・マーティン
(ジェイソン・ステイサム)について、
私のプロセッサーは
発熱しながら
演算を繰り返す。
辿り着くまでに何本抜栓しただろうか…
ほぼイメージは出来上がっているのだけれど、
いくつものワインと向き合って
行き着いた先がこのワイン。
<自らの誇りを貫く。
腕に絶対の自信。
孤高。しかし繊細。秘めた力。
続けていくしかない旅の下、
どんなに状況が悪くなっても
受け止めながら乗り越える。
目的を達成する強い意志。
ミディアム・ライト、繊細な辛口の赤。
ストイックな風味のピノノワール。 [テイスティングレポート]
フランク・マーチン、グラスの向こうから駆けてくる。