08-1112 富志美盛 本醸造無濾過生原酒(2006年)

2006 富志美盛 本醸造無濾過 生原酒
大野酒造
Fushimizakari Honjozo Muroka Nama Genshu

c0178330_21252899実は、前に味利きしたものが、平成16年産のものである事が判明、
最終生産品である18年(2006年)産の、同じ造りの酒を
倫子さんが自ら持ってきてくれました。

早速、味を利いてみました。
彼女が主張する(日本酒度+4)からではありませんが、
前の物より、締まった印象を抱かせるものでした。

約1ヶ月前に飲んだ、記憶の中の4年前の酒と、
今飲む若い酒(と言っても2年前)の老・若についての差は、
正直言ってさほど感じません。
自分がワインのテイスターとしてアプローチしているのと、
両者とも光の通らない氷温に近い貯蔵庫にあった為だと思います。

c0178330_21264746外観は僅かに黄金のトーンを持ちクリアー、
濁りは一切なく、輝きさえ感じさせます。

グラスから立ち上がってくるのは、
富志美盛お得意の黄桃などのフルーツ、
糀、またエステル系の香気もあり
原酒というアルコールの高さのせいか、
ワインしか飲まない人間は、香の豊かさに
ただただ、圧倒させられるばかり…。

前よりも酸が確かに通っています。
その明確な酸を備中杜氏お得意の
十分な残糖で見事にバランスを取ります。

味わいの複雑さは、無濾過のなせる技?
それとも杜氏が思い描き、構築した世界?
確かに1ヶ月前に飲んだものよりは、
甘さは控えめ、そして腰の強さを感じさせますが、それでもなお十分な残糖が存在しています。

c0178330_21262994ドイツワインなら、少し糖度の低い
シュペートレーゼ位の甘さ。
酒躯の力強さは、一段と増して、
止めどなく伸びていく余韻の中に
焦げ臭、ナッツなどの香ばしさが
次々と舞い上がってきます。

日本酒は、寝かせると「ヒネる」と、
言われいますが、この状態を
もしそう言うとすれば、利き酒の
その表現を訂正すべきでは…。

そして、短命な酒と、長寿命な酒があるとすれば、
アルコール度数が高く、酸がしっかりとして、糖度が高く、ボディがしっかりとしたこの酒は、
間違いなく後者だと判断できます。
実際、16年産の酒がビクともしてないどころか、もっと先を期待させましたから。

もし、冷蔵庫に僅かの余裕空間があれば、
この酒を5年位は寝かせてみたい…
そんな気にさせる内容、蔵元が幕を降ろしていることも考えると、
抱えておきたい宝物です。

2843g【限定品】H18BY 富志美盛 本醸造 無濾過生原酒 720ml

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