10-0501 ボルドー物語 [06-3]

シャトー・ラトゥール その3
奪還を望む理由

シャトー・ラトゥールの塔の上に立つのは
老将軍=ジョン・トゥールボット。
百年戦争が終わりに近づいた頃
(英国の支配が終盤に近付いた頃)、
この周囲の要塞を守っていた老将軍。
1452年にフランス軍に破れ、
一度は英国に撤退せざるを得なくなった。

しかし彼は奪還を胸に、再びこの地に進軍して来る。
執着したのは、軍事拠点としての価値だったか、
それともワインだったのか…。

サンジュリアン村にある超有名なシャトーに
彼自身の名を冠している(*205)ことからも、
きっと後者だったと思い込みたいのがワイン好きの心だ。

[To Be Continued…]
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(*205)シャトー・タルボは、ボルドー地方、メドック地区の
サンジュリアン村にあり、1855年格付けでは四級ながら
実力は二~三級の、大変優秀なシャトーである。

シャトー・ラトゥール[1994]Chateau Latour 1994