2006 ヴィッラ・ヴォルフ ピノノワール
クヴァリテーツヴァイン
Villa Wolf GmbH PinotNoir Qualitatswein
豪奢な装備に身を包まなくても、
生まれがどこかの片田舎であっても問題ない。
要はその本人。
ってことで、契約栽培農家からの葡萄を
買い上げて醸造する、
いわゆるネゴシアン・スタイルのワインだって
試してみなければ…
プロデューサーが、あのエルンスト・ローゼンならば
ただのワインでとどまるハズはないから。
引き続き、
トランスポーター3の主人公、
フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)
のイメージのワインを探し求めて試飲を続けます。
外観は、薄め。ロゼと見紛うほどに。
旧来の「ドイツの赤らしい、やっぱりな。」と言われてもしようがないレベル。
香は、赤い果実から始まって、アロマが多い。
葡萄を搾ったままの匂いがある。
でも派手に飛び散っていく香でなく、こぢんまりとまとまっていく感覚。
時間が経てば、焦げ臭も出て、相応の懐の深さをみせる。
この組成・価格では秀逸と言える部類のピノノワール。
ちょっとだけ派手?という分水嶺に立ちながら、
なぜか袖を引かれる魅力があるんです。
舌触りは滑らか。酸もそこそこ。
旨味はさほど浮きあがらないが、
角の落ちた面取りされたような丸みが何とも魅力的。
ライトボディなのだが、滑らかでツヤのある風味、
樽の貯蔵感はほとんどなく、フレッシュさが前に出る。
上出来。
でもまぁ、アクセル底まで踏んで190km/h。
普通なら十分過ぎる内容だけど、
300km/h+αでなければ、フランク・マーチンとは言えない。
これは、青春映画でチキンレースをする主人公…
の方が合いそうな可愛らしいキャラクター。