08-0413 蒜山ワイン ニュー・リリース

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年々確実に内容がステップ・アップしている蒜山ワイン。
造り手の植木さんからティスティングの依頼が来た。

毎度ながらこのスタイル。
素っ裸で、ラベルも何もない。
添付データも付いてこない。

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何かを当ててみろ…という事ではなく、
純粋に味だけの評価が欲しい…という事なのだろう。
さらに今回は、できれば…という事で
5房の巨人=ベルンハルト・フーバー氏にも
コメントが貰えぬか…という依頼も付いていた。

フーバー氏が、予定時間より早い到着となり、
時間的余裕ができたのでお願いした。
フーバー氏は、笑顔で快諾。
グラスに注いでみるとエッジに、少しレンガ色。
…これは、2007年ではないな…とは、すぐに分かる熟成色。

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グラスが大きいこともあったが、
香を嗅いだフーバーさん。
「これは、良い香りだね」
と一言。
そして結構期待を持って見えた横顔で口に含んだ後、もう一度
「良い香りだ…。」
と言って終わった。

つまりは、ボディとかフィニッシュに、彼の賛辞は無いという事である。
まぁ、5房という世界のトップレベルだからしょうがない。

では、仕事柄、ありとあらゆるレベルのワインを経験する私が、
ティスティングさせて戴こう。

まずは外観。
エッジにかすかにレンガ色がある。
しかし中心部分は紫色。
まるで過去と未来が同時に存在するような、相反する要素。
さらに透明感と美しさも持っている。
不思議な気持ちにさせられ、期待感をそそる。

世界の頂点の一人、フーバー氏が褒めるだけある香。
樽に起因するヴァニラ。しかも構成要素が一つでない複雑なオーク香。
果実は赤系の印象。
そして何よりも山桃の香り。
これがヴィティス・コワニティエたる山葡萄の特質なのか。
さらにグレナデン、オレンジ、夏みかんの渋さ。
独特の要素が構築していく香は、『ひるぜんワイン』だけが持つ世界。
香の固有性と複雑さは見事であり、
世界の巨人が褒めた事も納得ができる。

醸造にあたって減酸をしっかり行ったと言うが
依然として十分な酸が要素として存在する。
しかし、数年前の、耐えられないほどの酸はナリを潜め、
酸が一つの骨となり、全体像を構築していく。

ボディはライト寄りのミディアムでスリム、
しかし味の余韻は、思ったより長く、ゆったりと続いていく。
余韻の中にも樽のヴァニラ香が絡みつきながら伸びる。

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飛びっきりとは言わないが、エレガンスを感じられる。
山葡萄、ヴィティス・コワニティエ。
誰にも似てない孤高の存在。
『東洋的』と表現したいエキゾチックなスタイル。
フーバー氏も褒めた香の良さ、静かに続く余韻は見事。
ここ数年で、よくこの進化を得たな、
と感動させてくれた仕上がりだった。

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