私を先に導くストーリー【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りわいん
仲村わいん工房

Part06

gankooyaji05裏ラベルには、
「自家農園葡萄を100%使用し、
手造り醸造で1本1本丹念に仕上げました」
と記されています。

こんな言葉、昨今のネット社会で氾濫し、
私自身、辟易としています。
逆に、この言葉を発した人は信じない…
という行動パターンが、体に
刷り込まれているような気さえします。

しかし、性根の入った人間が、言葉通りに造ったらこうなるんだ…
と感じさせてくれる味に出会い、私の心は喜びに震えています。

私は、今の仕事を貫く意志を固めたその日から、
自分の味覚しか頼りにしていません。
その、己の舌が命令するのです。
このワインを造った人物と会え。
そしてこの味を多くの人にお伝えするんだ…と。

これほどのワインがなぜ、大阪で造られるのか、
どこで修行したのか?
…我流で到達できるレベルでないのがすぐに分かるのです。

葡萄は何?どんな樽を使ってる?
年に対する考え方は?どんなポリシーで醸造している?

全てが、謎だらけ。
根幹は、このワインの風味が湧き立たせてくる感動。
その陰に隠れているものを少しでも知りたいのです。

翌日、すぐに電話をかけました。
忙しいのは承知しているが、ぜひとも会いたい!…と。
嫌がられたとしても、これほどの味を造れる人物が、
味を理解した者をムゲに扱うはずはないと思ったからです。

決して自信家ではない私ですが、
必ず受諾して貰える…という予感を持っていました。
このワインの味が、熱い心を抱えて疾走してきた者への、
『ロックの神の啓示』にも感じたからです。

この出逢いこそが、新たなる道標となり、
まだまだ、私を先に導くストーリーを用意してくれている…
そんな気がしてならなかったからです。

[To Be Continued…]

再圧縮の心へ焼き印【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りワイン
仲村わいん工房

Part05

gankooyaji02スゴく高いのかな?
と、販売価格を調べてみると、驚くなかれ
税込みで2千円を切っています。

もう、私のする事は一つしかありません。
東京でロックで暴れまくった疲れを、
次の週の休日には癒すつもりでした。
しかし、このワインを造っている場所が大阪…
なんて知ったからには、ワイン屋として、
いえワイン好きとしては黙って居られません。

妻に、「車に乗せて行ってくれ!」
と頼んだのですが、ソムリエールである彼女は、
「私も飲まなくちゃ!」と。
そこで、こだま往復切符で行く事にしました。

どんな人が造っているのでしょう。
どんな葡萄畑なのでしょう。
こんなワインを造れる人はどんな考えを持っているのでしょう?

そしてまた、こんなワインが日本で造られているならば、
なんとしてもワイン屋として、販売しなければなりません。
とにかくこのワインと造り手に会いに行かなければ。

体力的に疲れ、モロくなっていた圧着コルクのような心は、
このワインによって一瞬にして再圧縮され、
「仲村わいん工房」という焼き印を押し付けられたような気分でした。

[To Be Continued…]

もしかしたら…高いの?【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りわいん
仲村わいん工房

Part04

gankooyaji02力強さが心地良いこのワイン、
酸の構成が実に面白いのです。
ワインの味の中で前に出て来るのが酸ですが、
このワインの場合は、「下支え」です。

下から盛り上がって来るように感じさせるのです。
時間経過で味の要素が現れてくる…とすれば、
酸は遅れてやってくる、とでも表現したい感じです。
ジワッと下から、確実に、持ち上がって来るのです。
こんな味構成は、初めての体験です。

表記はなくても、ランク付けがされてなくても、
私の舌は、確かな飲み応えを受け取る事ができました。
ボディが艶やかに押した後、後味も豊かに広がり、
余韻も十分に伸びていきます。

このワインを貰った麻里布倶楽部のマスターが
「高いワインだって…」
と言ったのが頭に残っていました。

これは本当にいくらなんだ?スゴく高いのか?
国産でここまでのレベルだから
もしかしたら1万円って言う?…と思いました。

[To Be Continued…]

「フルボディ」と言い切れる快感【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りわいん
仲村わいん工房

Part03

gankooyaji04品種の表記がありません。
どんな葡萄でここまで濃度を上げたの?
…そんな思いを頭に、香を探ります。
プラムに杏、そして鉄のニュアンス。
さらにタバコとカカオ。果実に干しイチジク

…これはメルローだ!
少なくともメルローが主体だ…と感じました。
(実は間違ってます。後述)

しかもそれに樽を巧みに絡ませている。
(これも間違ってます。後述)
チョコレートも感じ始めた私は、確信しました。
そして温度が上がり、風味が開いて来ると、
ヨード、下草、さらには、柑橘のオレンジ、バナナ…。
青い茎や草の風味もあります。
もしかしたらカベルネもブレンド?

香の構成に感心させられている今、最初の偏見は消し飛んでいます。
こいつは本物だ!
と、真面目にこのワインの語る言葉を受け止める体勢になっています。
そう、語ってくれ。私は、全身でそれを受け止めるから…って感じです。

舌触りは、十分に滑らかです。角がありません。
ギスギスせず、するっと口の中に入ってきます。
そしてボディが膨らみます。
アルコール度数は14度未満としか記されていないので、
数値は不明ですが、かなりのレベルです。

ボディは十分にあり、ミディアムではなく間違いなくフルボディ。
国産ワインを「フルボディ」と言い切れる快感。
それだけでも、なぜかしら楽しくてしようがありません。

でも、このワインは、まだまだ深く面白い特徴を持っているのです。

[To Be Continued…]

ロックの神のお導き…【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りワイン
仲村わいん工房

Part01

marifu1 花のお江戸に繰り出せば、
仕事は適度に放り出し、
行き着きたるは八丁堀。

ダヴィンチという粋な名の
ビルの地下に構えしは、
ロックの殿堂・麻里布倶楽部。

さぁ今宵もハジけ飛ぶ!
でもしかライブの開演でぇい!

スーパー・ギタリスト・K氏のプレイに
マスターも触発されて止まる事を知らず…
火に油で燃えさかる炎。

演奏の合間に、マスターが私に言う。

「還暦の祝いにこのワイン貰ったんだ。
高い物だって言うんだけど、ワシには分からん。
お前が味を利いてレポートをくれ!」

gankooyaji01って事で,出されたワインがこれ。
正直言って、外観で落胆。
こんな、コマーシャリズムに則ったようなワインを
わざわざ倉敷まで持って帰るのか…
ちょっとばかり重く感じてしまうなぁ。

しかし、親分の言う事は聞かなければならぬ。
受け取って、バッグの中に詰め込んだ。
まぁ、適当に。
いつかは飲んでみよう…
なんて軽い気持ちで。

しかし、このワイン。
私の航路を変えさせるほどの内容を持っていた。

ロックに身を漬すと、神が近くに降りてくる。
その啓示によって、私は新たな道を進み始めていた。

[To Be Continued…]

08-0809ベルンハルト・フーバー来訪記念[31]赤2.マルターディンガー

┏━┓┏1.ユンゲレーベン
┃赤┣╋2.マルターディンガー
┗━┛┠ (アルテレーベン)
┗3.レゼルヴェ

次は、2.のマルターディンガーだ。
当然ながら、1.ユンゲレーベンより、重くなる事を想像する。

4p1
マルターディンガー シュペートブルクンダー Q.b.A トロッケン[2004] 750ml

しかし、テイスティングしてみて、
ウエイトだけに観点を絞れば、ほぼ同等なのである。
段階的に重さが上昇する…と思って飲んだ人には
少々肩透かしだったかも知れない。

だけど、このグレードこそが、古の時代とはいえ、
世界を席巻したクオリティ。
フーバーさんの説明がワインの中に織り込まれた
緻密な構造と、その深い歴史を解き明かしていく。

当然ながら、ユンゲレーベンよりも樹齢が高いものを使う。
12年~20年だ。
しかし、これだけでは、即、インパクトを与えるほどの味覚差は
明確にできない。
そこで、お約束の王道、単位収穫量の絞り込みを思い切って行う。
20%程度…と説明するが、これで
より土壌と気候を凝縮したワインになる。

濃度でなくミネラルなどの風味がもたらす複雑さ、
パワフルさでなく深みが語りかけてくる。
樽も強さでなく、絶妙なバランスを受け止める事になる。

このマルターディンガーこそが、ある意味、
最もテロワールをストレートに表現したものとなっている。
それだけに、このグレードは、徐々に進化しているユンゲレーベンに比べて
より大きな振幅を持ちながら進化してきたように思う。

マルターディンゲンの丘で繰り広げられた四季折々のストーリーが
遠く離れた異郷で繰り広げられる一瞬。

陽の光が、風が、雨が、冴え渡る空気が、湿度が…
織りなす交響曲を背景にして、
舌の上で繰り広げられるピノノワールのダンス。

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口数少なく武骨に見えたこの指揮者は、
実は世界中の誰よりも繊細でロマンチストなのかも…
と感じさせてくれた一瞬だった。

[To Be Continued…]

フーバー醸造所のワインはこちらから購入できます↓
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06-1030 カリフォルニアワイン・グランドテイスティング2006大阪 [03]

この催しに出かける気持ちになったのは、

堀 賢一
ワインインスティテュート  の名前で、

「カリフォルニアワイン・グランドテイスティングと題した、
過去最大規模の試飲会とセミナーを行わせていただきます。
お時間がございましたら、是非お立ち寄りください」

というメールが来たからだ。
まぁ、堀 賢一さんの名前は、団体として使っているに過ぎないにしても
余り受けた事のないアメリカのワインに関するセミナーも開催されるとあらば、
私自身にとってまだ未開拓部分が多いカリフォルニア・ワイン、
定休日の月曜日と合ったとなればぜひ行かなければなるまい
…そう思って出かける気になった。

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しかしながら、前にスペイン商務省が東京で行ったイベントのように、
事前にfaxを送る指示に従ったにも関わらず
「満席なので空きがあればね」と、
信じられない事を言われる可能性があるので、
セミナーの席の確保だけは確実に行わなければならない。

送られてきたメールアドレスに、
セミナーは間違いなく参加できるのか?
と問い合わせたら、すぐに「招待状」を添付して返信してくれた。
この対応の早さと確実さは感激モノだった。

さらにカリフォルニア・インスティチュートは
アメリカ的なサービス精神で、参加者を喜ばせる手段を心得ているようだ。
実際、会場に行くと、堀 賢一さん本人が、入口に立ち、
挨拶と握手を繰り返しているのだ。
これはちょっと驚きだった。
(主催者は、大抵、上から見下ろす位置に居るから)

100320_6

会場には、多くの輸入業者がブースを展開していた。
付き合いのある業者も多いので、
気合いを入れて次々と飲んでいく。
時間的には1:00~5:00で、セミナーの1時間30分を引くと
2時間30分しかない。
どこまでイケるかな…と思っていたのだが、
思いの外、進まない。
できれば、余り聞いた事のない業者も飲んでみたいのだ。

進まない理由は、どうやらアルコール度数の高さにあると思われる。
近年、南仏などで14.5%というアルコール表示のワインに遭遇すると
その酔いに閉口してしまうのだが、それを遙かに越えた
15.6%とか16.3%などという表記が次々と現れる。

私自身、会場では飲める限り味を利き、
記録に残すようにしている。
書いていたのでは時間のロスなので、
今回ICレコーダーを買ったのだ。

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しかしこのアルコール度数の高さは、
その思いを阻む。
これがカリフォルニア、今回特に多い南寄りのパソロブルスの特徴…
なのだろうが、強烈。

1時から飲み続け、3時から始まるセミナー
「カリフォルニアワインの新天地 パソ・ロブルス」
の席に着いた時には、
すべて試飲ワインは喉を通さなかったにもかかわらず、
かなり深い酔いを抱えていた。

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セミナーではクリス・ヴィックス氏の英語を訳す堀健一氏。
二人とも優しい声の上に、スライドをはっきり見せるために
照明を少し暗くした頃から、記憶が途切れた。
…多分、15分位は寝てしまったのだろう。

ふと我にかえると、ワインの説明が始まっている。
テーブルの上の試飲ワインを飲みながら、
さらにセミナーを受ける。

会場の一人がアメリカンとフレンチのオークの香の違いについて質問した。
これに対する堀賢一氏の説明は、質問者の意図を越えた領域に
踏み込んだもので、ずいぶん勉強になった。

31Hori_Cris

我々自身、国によって単純に、特性を色分けすれば良いような
錯覚に陥っているが、乾燥や取置の処理が違えば、
同じ国であっても当然ながら特性が変わる。
これから先、ワインと同じく樽についても、
複雑さと多様性を持つ可能性を考慮しなければ…
と感じた。

試飲ワインの中には、取り扱いのカストロ・セラーズもあったりして、
結構リラックスして臨めた。

カストロ・セラーズ
カベルネ・ソーヴィニヨン
パソ・ロブレス[1998]

2,625円 (税込)
セミナーで出されたのはジンファンデル。当店在庫はカベルネ。

セミナーが終わり、残り30分を使って
試飲をするんだ!って気合いを入れて席を立ったものの
足下がおぼつかない。

でも、気合いを入れてあと4件、駆け抜けた。
最後に近づけば、結構楽しめる。
高価なワインであっても、残っていたら
遠慮なく注いでくれる。

5時までとなっていても、結局5時15分まで飲んだ。
まさに千鳥足での帰途、このまま辿り着けるかどうか…
不安を抱えながら駅へ歩いた。
そのヨタヨタとは対照的に、カリフォルニア・ワインの味わいと
楽しさ、対応の良さに気を良くした試飲会だった。

開催スタッフと参加醸造所・輸入業者に感謝の意を贈りたい。
ありがとうございました。

06-1030 カリフォルニアワイン・グランドテイスティング2006大阪 [01]

へ行ってきました。
会場はホテル阪急インターナショナル、昼1時からスタートなので、
朝7:48倉敷駅出発。各停から新快速を乗り継ぎ、大阪を目指す。

各停から見える風景は、雨ということもあり、
秋の涼しさを感じさせる空模様。
ビール工場のある万富(まんとみ)辺りでは、
雲が低くたれ込め、仙人が空からそっと降りて来そうな雰囲気。

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しかし、大阪に近づくに従って、それがウソのように思えてくる。
建物と人の波に、仙境の澄んだ涼しさは、
少し澱んだほてりに変わっていく。
大阪駅到着10:58。

さぁ折角の大阪、美味しいものを…と、
計画通りホテルグランビアの19Fを目指す。
都会のホテルの昼食…ってのも、田舎の人間にとっては
格好の勉強の対象。

が、どの店も11:30に開店。開店時間ぐらい調べておけよ!
目指したのは、中華の「北京」だけど、
やはりまだ開店していない。

一つだけ、ランチバイキングが11:00開店。
一度前へ進むと、後戻りが嫌だし、ここに来て
30分待つロスは嫌だった。
さらに、早めに食事を終え、12:00迄に席を立つと、
1890円→1575円に割引って表示してあるのも吸引力があった。

何と言っても高脂血症、量は食べてはダメだし、
質も検討が必要だから、欲を抱えてのバイキングは不向きなのだ。

でもなかなかのクォリティ。
ファミレスなどより当然ながら味レベルは上だし、
ほんの僅かずつピックアップすれば
結構楽しめる。

大阪のおばちゃんが、皿に“てんこ盛り”状態にしている横で、
その1/5ほどしかピックアップできないのがちょっと寂しかったが、
すべてが適量を取れるのが嬉しい。
いや、これはもしかしたら、制御さえできれば
色んな味をほんの僅かづつ楽しむには格好のランチと言えそう。

「シェフのパフォーマンス料理」
などと称して、ロースト・ビーフを二きれ切ってもらったのも印象的。

デザートをつまみ、コーヒーを飲んで席を立つのが11:40、
量も適宜取れ、質はそこそこ…とすれば、
結構、カロリーを気にしなければならいない自分にとっては、
満足感のある昼食だった。