再圧縮の心へ焼き印【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りワイン
仲村わいん工房

Part05

gankooyaji02スゴく高いのかな?
と、販売価格を調べてみると、驚くなかれ
税込みで2千円を切っています。

もう、私のする事は一つしかありません。
東京でロックで暴れまくった疲れを、
次の週の休日には癒すつもりでした。
しかし、このワインを造っている場所が大阪…
なんて知ったからには、ワイン屋として、
いえワイン好きとしては黙って居られません。

妻に、「車に乗せて行ってくれ!」
と頼んだのですが、ソムリエールである彼女は、
「私も飲まなくちゃ!」と。
そこで、こだま往復切符で行く事にしました。

どんな人が造っているのでしょう。
どんな葡萄畑なのでしょう。
こんなワインを造れる人はどんな考えを持っているのでしょう?

そしてまた、こんなワインが日本で造られているならば、
なんとしてもワイン屋として、販売しなければなりません。
とにかくこのワインと造り手に会いに行かなければ。

体力的に疲れ、モロくなっていた圧着コルクのような心は、
このワインによって一瞬にして再圧縮され、
「仲村わいん工房」という焼き印を押し付けられたような気分でした。

[To Be Continued…]

もしかしたら…高いの?【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りわいん
仲村わいん工房

Part04

gankooyaji02力強さが心地良いこのワイン、
酸の構成が実に面白いのです。
ワインの味の中で前に出て来るのが酸ですが、
このワインの場合は、「下支え」です。

下から盛り上がって来るように感じさせるのです。
時間経過で味の要素が現れてくる…とすれば、
酸は遅れてやってくる、とでも表現したい感じです。
ジワッと下から、確実に、持ち上がって来るのです。
こんな味構成は、初めての体験です。

表記はなくても、ランク付けがされてなくても、
私の舌は、確かな飲み応えを受け取る事ができました。
ボディが艶やかに押した後、後味も豊かに広がり、
余韻も十分に伸びていきます。

このワインを貰った麻里布倶楽部のマスターが
「高いワインだって…」
と言ったのが頭に残っていました。

これは本当にいくらなんだ?スゴく高いのか?
国産でここまでのレベルだから
もしかしたら1万円って言う?…と思いました。

[To Be Continued…]

「フルボディ」と言い切れる快感【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りわいん
仲村わいん工房

Part03

gankooyaji04品種の表記がありません。
どんな葡萄でここまで濃度を上げたの?
…そんな思いを頭に、香を探ります。
プラムに杏、そして鉄のニュアンス。
さらにタバコとカカオ。果実に干しイチジク

…これはメルローだ!
少なくともメルローが主体だ…と感じました。
(実は間違ってます。後述)

しかもそれに樽を巧みに絡ませている。
(これも間違ってます。後述)
チョコレートも感じ始めた私は、確信しました。
そして温度が上がり、風味が開いて来ると、
ヨード、下草、さらには、柑橘のオレンジ、バナナ…。
青い茎や草の風味もあります。
もしかしたらカベルネもブレンド?

香の構成に感心させられている今、最初の偏見は消し飛んでいます。
こいつは本物だ!
と、真面目にこのワインの語る言葉を受け止める体勢になっています。
そう、語ってくれ。私は、全身でそれを受け止めるから…って感じです。

舌触りは、十分に滑らかです。角がありません。
ギスギスせず、するっと口の中に入ってきます。
そしてボディが膨らみます。
アルコール度数は14度未満としか記されていないので、
数値は不明ですが、かなりのレベルです。

ボディは十分にあり、ミディアムではなく間違いなくフルボディ。
国産ワインを「フルボディ」と言い切れる快感。
それだけでも、なぜかしら楽しくてしようがありません。

でも、このワインは、まだまだ深く面白い特徴を持っているのです。

[To Be Continued…]

ロックの神の啓示なのか…【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りワイン
仲村わいん工房

Part02

beaumont2006_1
おっ!そうだ!!
忘れちゃならない親分の依頼。

麻里布倶楽部のマスターに依頼された
ワインを軽く味利きして、
サラッとレポートを送ろう…
と思って準備を始めました。

しかし、恐らく、余り旨くはないはずだから…
と、シャトー・ボーモンの2006年を先に抜いて、
軽く楽しみながら、傍らでの抜栓です。

不味かった時は、適当にレポート書いて
ボーモン2006年で口直しをしよう…という魂胆。
回避策も構えての余裕のスタート!

gankooyaji03頭封の安っぽいフィルムを剥がした下に、
安っぽさのダメ押しのような圧着コルク。
(屑コルクを圧着整形したコルク。
液漏れ等の不良が初期は出にくいが、
経時変化に脆く、長期保存には不向き。
安物の印象がどうしてもつきまとう)

外観に年号の表記がなかったけれど、
抜いたコルクにもありません。
これでは何年産か?が分からないじゃない。

「仲村わいん工房」の焼き印を見て、
余計に諦め感が募りました。

個人的に『工房』という言葉は、芸術的領域に達した
職人の仕事場だと思っているので…。
「がんこおやじ」などと安易に名乗るような者が、
その領域に達しているはずはない…と思ったのです。

gankooyaji01ところが、グラスに注いだ時、印象は一転します。

「な、何だ、この濃さは…」

並の濃度でない。
低レベルで造ったワインでは
決して到達できない外観なのが
即、分かったのです。

揺すると足にも色があるほど。
縁には僅かに紫のトーンがあり、
若いのは分かるのですが、
タダ者ではありません。

グラスの中で揺らめくのは、ロックの神の啓示なのか…
と、湧き立つ香に引き寄せられていく自分を感じました。

[To Be Continued…]

ロックの神のお導き…【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの手造りワイン
仲村わいん工房

Part01

marifu1 花のお江戸に繰り出せば、
仕事は適度に放り出し、
行き着きたるは八丁堀。

ダヴィンチという粋な名の
ビルの地下に構えしは、
ロックの殿堂・麻里布倶楽部。

さぁ今宵もハジけ飛ぶ!
でもしかライブの開演でぇい!

スーパー・ギタリスト・K氏のプレイに
マスターも触発されて止まる事を知らず…
火に油で燃えさかる炎。

演奏の合間に、マスターが私に言う。

「還暦の祝いにこのワイン貰ったんだ。
高い物だって言うんだけど、ワシには分からん。
お前が味を利いてレポートをくれ!」

gankooyaji01って事で,出されたワインがこれ。
正直言って、外観で落胆。
こんな、コマーシャリズムに則ったようなワインを
わざわざ倉敷まで持って帰るのか…
ちょっとばかり重く感じてしまうなぁ。

しかし、親分の言う事は聞かなければならぬ。
受け取って、バッグの中に詰め込んだ。
まぁ、適当に。
いつかは飲んでみよう…
なんて軽い気持ちで。

しかし、このワイン。
私の航路を変えさせるほどの内容を持っていた。

ロックに身を漬すと、神が近くに降りてくる。
その啓示によって、私は新たな道を進み始めていた。

[To Be Continued…]