08-1101葡萄の樹3本のオーナー

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ドイツ最高峰、フーバーさんの造る
ヴァイサーブルクンダー。

葡萄は、このドイツ名で呼ぶと
馴染みが薄いような気がするけど、
ピノブランのシノニムで、結構身近。

最近ブルゴーニュでもこの品種に接し、
風味の共通性を確信できました。

バーデンは南寄りで、気候区分はB地帯。

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ドイツは北限と…いう印象よりも、
アルザスやむしろブルゴーニュと同等と考えるべきかも。

地球温暖化を叫ぶ前から、その傾向が強かったけど
今バーデン地方は、さらに空気の温みを感じる造りに
なってるようです。

そしてこの“H”は、予約販売のスペシャル・バージョン。
今、予約して、樹3本から収穫される葡萄で造られます。

『葡萄の樹3本のオーナー・ワイン』であり、
先払い、約一年後に受け取りです。

3本の樹からできるワインの本数を、
およそ4~6本と説明していますが、5本と考えて
おいた方が良いでしょう。

と、言うよりも、本数が増える事を望んだらダメ
なワインという理解が必要なようです。
「収穫量制限」という言葉を胸に、造る側に立てば
樹に実る葡萄の数をできるだけ減らし、樹のエネルギーを少ない葡萄に集中させてこそ、
ポテンシャルの高い原料になり、美味しいワインになるのですから。

…内容を把握しにくいので、消費者の理解を得られてませんが、

実は、これ、ブッちぎりで高い品質を持ってるんです。

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今は、毎年飲んでる『葡萄の樹3本のオーナー』のワインに対し

最初は懐疑的でした。

売れ残ったワインの固め売りじゃないの…って思う心が少し。
だけど、ドイツNo.1のフーバー醸造所のワインは不足状態で、
とても売れ残ったりする状態ではない…ってのに気づきました。

実際、フーバー醸造所の中を見ると、小さな別タンクで造ってる。
同じ葡萄を使う←ヴァイサーブルクンダーとどう違うか…と言えば、
内容の『密さ』が明らかにあるという点。

倉庫やワイン屋に滞留することなく、すぐに消費者に届く…
という点で、フィルタリングをほとんど行っていません。
その上、造り手も製造即、全数販売…という事で負担が無いので
品質的にかなり高い仕上がりでまとめているようです。

飲み比べれば分かるキメの細やかの差。
通常のヴァイサーブルクンダーでも
秀逸なのに、より滑らかな舌触り。
和食に合う素性ながら、さらにハイレベルな
領域へ到達しています。

常に、前年より品質が上がる…という
信じられない力を発揮するこの醸造所。
その傾向は十分にあるものの、
『葡萄の樹3本のオーナー』の場合は、
本数の増減への覚悟が必要なのでしょう。
でも例え4本になったとして、3937.5円、
通常のヴァイサーブルクンダーの定価より安いです。

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↑左2006年  ↑右2004年

複数本を使うレストランなどでは、間違いなく、“買い”でしょう。

私にとっては、「一年先に入荷する超高品質なドイツのヌーヴォー」なんです。

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08-0826ベルンハルト・フーバー来訪記念[37]見えない努力をする人~コルク(3)

コルクは、とにかくベストを使う。
質が極めて大切。気泡の入り方が良い状態のもの。
それがフーバー醸造所のコルクの選び方…と分かった。

「最近は、コルクの入手が難しくなっている」
と言う醸造家も居るが、事実なのか?
という問いには、そんな事はない。
需要が大きく値上がりしているのは事実だが、
コストを覚悟すれば、調達に問題はない…とのこと。

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結局、この言葉は、これまでの価格では買えない…
という事のようであり、
不良が出た時に、コルクのせいにするような造り手の
言い訳…と考えるのが妥当なようだ。

コルクが話題になったので、続けて質問が出た。
焼き印は、フーバー家の家紋?
…というものだ。返答は、

フーバー家は農民なので、家族のワッペンはなかった。
そこで醸造所設立時にフーバーさん自身が造ったそうだ。
格子模様は700年前のテネンバッハ教会のマーク。
テネンバッハの「T」をもじって、フーバーの「H」を入れた。
そして葡萄栽培の道具である鎌をそこに記した。

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彼の誇りがそのまま、このコルクに込められているのだ。
丹精込めて育てた葡萄を完成品のワインに仕上げ、
そして瓶に詰め、最後に打つ、このコルク。

いい加減な造り手、そして時の向こうまで見ようとしない造り手なら、
ついないがしろにしてしまいそうなこのパーツこそ、
実はワインにとって最も重要な要素の一つに違いない。
だからこそ、ベストを使う。

30年以上貯蔵するなら迷わずボルドーのワイン…と考えていた私だが、
今回、それ以上に信頼できる存在が出現したのを実感している。
彼のワインを私は、人生の伴としたい…と思い箱買いした。

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ヴィルデンシュタイン[R](レゼルヴェ) シュペートブルグンダー QBA トロッケン

10年後、20年後、そして30年後…と、
当店に来てくれた事を思い出しながら、
人生の節目に、一本づつ飲んでいきたい…
と思っているのだ。

[To Be Continued…]

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08-0813ベルンハルト・フーバー来訪記念[34]白熱のライブは続く

醸造家が来訪してのセミナー…といえば、
その醸造家が語る事がすべてのように感じられるかも知れない。
例えば百人を越えるオーディエンスで行うセミナーなら、
そうならざるを得ないだろう。

しかし少人数だと、話は違ってくる。
講演者だけでなく、参加者もその会を作っていくことになる。

この日、昼はホテル・レストランなどの業務店関係、
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夜は、一般の方々…という二部制で行った。
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フーバーさんが話す、主体の部分は、
これまでに書いたようにほぼ同じだった。
が、前者が、仕事の途中で、夜の仕事を控えて比較的静かに終了したのに比べると、
後者はエンスーが多く、突っ込んだ質問が多く出る事になった。

それに応えるフーバーさん、すべてに対して150%体制で臨んでいるだけに
語る一言一言に熱が籠もっていく。

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「緊張すると長くしゃべる」
と本人が言う通り、
語りだすと止まらない状況になっていく。

先に開いたDr.ヴァイルのセミナー時も、
会場からのディープな質問が多く出た。
通訳が訳せない語句が出たりもしたが、一つ一つの質問に真摯に答えてくれた。
冷静な対応の内側に、ワイン造りの人物としての情熱をはっきりと見てとれた。
多分、普通では見えない、彼の本質に迫る事ができたのだろう。

今回の通訳は、フーバー醸造所で一年以上働いた人物であるだけに
細かいニュアンスまで伝わり、より深いやり取りが展開された。

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手前が通訳・山野氏

お行儀良く聞くオーディエンスに対して語るのも、
セミナーの一つのスタイルだろう。
しかし、分かる人の前では、より熱く、より深く語ってこそホンモノ。

ノリの良いライブ状態になった、この日の一般向けセミナー、
一段とディープで、白熱した内容となっていく。
次のスケジュール(夜の夕食会)が入っているのに、終わらない。
さながら、スタンディング・オベーションの中で
熱く続くエンドレス・ライブ。

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フーバー ピノ ゼクト b.A. ロゼ ブリュット 750ml

このゼクトには1本1本フーバー氏の奥さんの
サインが書き込まれています。

こんなオーディエンスそしてセミナーならば、
きっとフーバーさんも喜んでくれたに違いない。

[To Be Continued…]

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08-0812ベルンハルト・フーバー来訪記念[33]赤3(5)マルターディンガー・ビーネンベルク レゼルヴェ

これこそが、自分が誇りを持って伝えるものだ…
と言わんばかりに、フーバーさんの目が光る。

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この場に提出されなかったアルテレーベンを
プルミエ・クリュに相当する…とするならば、

「このレゼルヴェこそは、ブルゴーニュのグラン・クリュに相当するもの」

との言葉は、力強さに満ちていた。

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マルターディンガー ビーネンベルク [R](レゼルヴェ) シュペートブルグンダー Q.b.A. トロッケン 750ml

なおも説明が続く。
1954年~1958年に植えた、つまり50年前後の樹齢。
簡単に言うけど、この樹齢は私と同じ年齢だ。

私が生まれた頃…言うのも恥ずかしくはあるが、
冷蔵庫も洗濯機も一般家庭に出回り始めようとする時代。
幼い頃、テレビは、近所の金持ちの家に見に行ったし、
電話は、町内で数件しかなくて、商売をやってたウチは、
町内中の人を呼び出しに行ってた…そんな時代。

その頃から根を延ばし始めたピノノワールは、
一体どの程度の深さまで到達しているのだろうか…
と自分の年齢と重ねながら想像するだけでワクワクとしてくる。

しかも、この古木からの収量を、なんと25hL/haにまで絞り込むのだ。
こんなバカげた数値は、数値だけを売り物にしようとする
南仏のワインぐらいしか見た事がないほどだ。

この時に提出したのが2004年で、収穫から4年は経ているが、
「閉じた状態でまだまだ…」
と作者本人が言う。

「ビーネンベルク畑の最良部分だけで造っているので、
樹齢・収穫量・テロワール…すべてを考慮して、
グラン・クリュと判断して欲しい。
従って、瓶詰め後、10年以上経って飲んで欲しいワインに
仕上がっている。」

と誇らしげに言った。
さらに続けて、

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「ビーネンベルク畑の特徴は、最もタンニンの抽出ができる特性を持っているので、
寿命も長くなると感じている。だから2008年の今、飲んで欲しいのは、
この2004年ではなく、1995~1996年辺りだ。」

…と言われても、そんなもの、持っている人はほぼ居ないですがな…。

「レゼルヴェも、1988年から全くフィルターがけをしていない。
だから、外観からの透明度を観察しても、ピノらしい透明感は無いだろう。
しかしそれは、内容の充実度を示すものと考えて欲しい。」

「6~7年立てば、オリが抽出してくるから、それから飲むのも良いだろう。
若い頃、世界のトップワインを飲んだ時、オリがしっかりと出ていたから
自分のワインについてもオリが出る事を誇りに思っている」
…とフーバーさんは語った。

(これは、オリについてつまらないクレームを付ける人への牽制ともとれる…)

オリについては、面白い見解を語った。
ブルゴーニュの造り手からも良く聞くのだが、
オリを一緒に飲んで欲しい…と言うのだ。

ボルドーではあり得ないが、ブルゴーニュのオリは、
ある意味、味わいと捉える事もできる。
上澄みの味、中間部分の味、そして底に近づいた時のオリが混ざって来た時の味
それらすべてを楽しむのも、ピノノワール・フリークとしては
アリ…なのに違いない。

フーバーさんは続けた。

「オリを飲むと酵母の味が残っているような気がする。
その風味が出る事を、フーバーさんは、非常に良い事だ…と考えている。」

オリを除けてしまうのは一つの手だが、
一緒に飲むのも、より楽しめる手法なのだ…と語られると、
かつてはオリが抽出したものを捨ててしまった事を悔やんだ。

次回は、フーバー醸造所のワインで、オリと共に飲んでみたい…と思った。

[To Be Continued…]

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08-0808 倉敷美観地区のフテューラ・フルール

Wifeが娘に夕食指南をしていて出発がちょっと遅れる。
約束の19:00まで4分を切ってしまい慌てて出発。

前を小走りで行くのは、今日の参加者M君。
遅れるのは我々だけではなくなったので一安心。
と言いながら、15秒遅れで店に到着。

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この店にコース設定はない。
その日の素材を見て、料理を決める。
お任せしておけば、それなりの物が出てくる。
お料理に合わせて、人数が6人居れば
調味料のごとくワインを選んでいく楽しみがある。

オードブルはキスのカルパッチョとフレンチキャビア

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ここでは、シャンパン アンリオ スーヴェラン。

そして自家製オイルサーディン。

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次のワインは、ヴァン・ド・ペイ シャルドネ。
喧嘩をしない物が良いと考え、シュールダルクを選択。

が、グラスに注ぐとブショネ。
弱度ではあるが、これはどうにもならない…。
で、次に出して貰ったのは、同じくヴァン・ド・ペイのフォンタネル。

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最初は温度が低いとフルーティーさだけが見えて
やや閉じ気味の香り。
しかし出てきたスープ
カボチャとオレンジの冷製。

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この余韻の中に仄かに感じるオレンジが
ワインが開いて出てくる柑橘の香と絶妙にマッチ。
スープに合わせる、なんて不可能…
そんな思い込みを払拭。
見事なスープ。

ワインの消費が、思いの外進む。

真鯛のポワレ

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が出された時、掟破りを思いつく。
ここは、フーバーのユンゲレーベンを在庫している。

白い魚にピノノワール…なんてブルゴーニュしか知らない時は
考えもしなかった。
しかし、シャンパン、白と飲んだ後。
次のメインディッシュの赤とは違うワインが飲みたい。
セオリーは白。

敢えてフーバーのシュペートブルクンダー。

どうよ、これ。

え?なぜ赤?
という声が参加者から漏れる。

いつもサープライズがあって嬉しいというMさん。
彼の本質を衝く言葉に、私自身もモノを新しい角度で見る事ができる。
フーバーのユンゲレーベンに

「ピノノワールのワインは、いつもどこかでブルゴーニュの存在を感じる。
真似もあり否定もある。
しかしこのワインには、ブルゴーニュの影を感じない。
独自の存在だ」

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凄い。若くても社長をするだけある人物だ。
シトー派のテネンバッハ修道院建立、
そして、世界最高と謳われた700年前の
“マルターディンガー”(ピノノワール葡萄の別名)
の脈々と続く系譜。

その姿を現代に甦らせたフーバー氏の思いを
液体から読み取り、表現する能力には感服。
分かる人には分かる。
そのマリアージュの絶妙さにも感服。

しばし、そのワインの深い味わいに酔う。
ミディアム・ライトながらも、深く飽きさせない味わい。
イヤミの無い美しい香り。
かわいらしさを含んだ微妙なエレガンス。

これのワインは、ある意味、日本人にとって
最も使い易いワインと言えるかも知れない。

さてお料理はメインディッシュへ…
四万十ポークのロースト

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本来ならば柔らかい味わいの赤なのだが、
赤好きの皆の心を捉えるには、相応のワインでなければならぬ。
と言っても強すぎるとお料理を押してしまう。

そんなシチュエーションにピッタリのワインがリストにある。
シャトー・ローザンガシ 2001年

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格付品であるが、それほど濃密ではない。
かと言って深さが無い訳でもない。
ほどほどに弱いボディが四万十ポークにちょうど良い。

…って言いながら、後はワインをゆったりと飲んでいく。

これで会計が6人で40,000円に届かなかったのだから
チョッと驚き。

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この店は、ゆっくりとワインを飲みながら、食べて
時間を過ごすには最高!

08-0328ベルンハルト・フーバー来訪記念[04]飲まないうちに…

芸者にチョンマゲ、腹切り、フジヤマ…
これこそが日本だ!と言えば、そのズレに
笑いが漏れるだろう。

それは、「白の甘口」とドイツワインを断じる事に似ている。
既に生産量の3割以上が赤、そして4割が辛口白になっているのだから。

その赤のトップは、強烈な速度で進化し、
ブルゴーニュの特級に肉薄、いや凌駕さえする者が出現している。

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本質に迫ろうとしない人には、形骸化したカサブタしか見えない。
しかしそれが剥がせたなら、
飛び散るマグマの奔流が、さらなる進化を続けているのが実感できる。

フーバー醸造所のワインは、客観的に見て、
毎年、品質が上昇している。
1990年代終わりよりも2001年が良い。
そして2002年の方が美味いし、
猛暑の2003年はさらに良い。
それよりも冷涼な2004年…と、
天候さえも越えてしまう進化を驚く以外にない。

フーバー醸造所の、畑の土壌は概ね
ニュィと同じ少し赤みを帯びた貝殻石灰岩層。
品種も同じピノノワール。ディジョンのクローヌ。
収穫量は、より厳しく絞り、なんと30hL/ha以下。
高品質な新樽を、贅沢に使う。
より良い畑の、より良い場所を得ていく。
そして徹底的に勤勉、最高の哲学を有する技の冴え。

世界の頂点の一つとなっても何ら不思議はない。
地球温暖化が拍車をかける。
だからこそ、国賓歓待にも使われるようになった。

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フーバー
シュペートブルグンダー
“R” レゼルヴェ

余り誰もが飲まない内に、
世界の高みへ駆け上がってしまった造り手…それがフーバー。

できれば今の内に楽しんでおきたい。
既にドイツ国内でも入手が難しいのだから。

[To Be Continued…]

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08-0322ベルンハルト・フーバー来訪記念[01]宝探し

信じる道を進む事。
何かのきっかけで物語は始まるのだろう。
それがホコリまみれの古文書というのは、まるで映画のワンシーン。
13世紀の、ボロボロになったものなら、さらにハマリ役。

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そこに綴られている黄ばんで読みにくくなった文字にこそ、
彼の進むべき道のヒントが秘められていた。
何も知らない人が見れば、ただの村名に過ぎないだろうし、
村の古い歴史の記録でしかないだろう。

しかし郷土を愛し、その風土の中で
葡萄を育てる技と心を持ったベルンハルトが見つけたのは
「マルターディンガー」
というキーワード。

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フーバー
マルターディンガー
シュペートブルクンダー
Q.b.A トロッケン 750ml

この文献の記された13世紀当時、
その名が世界最高の赤ワインである事を知った時、
彼の宝探しの道は始まった。

1984年、ベルンハルトは、協同組合を脱退、
『世界最高の赤ワインを造る』…という旅に出かけたのである。

[To Be Continued…]

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