ドイツ最高峰、フーバーさんの造る
ヴァイサーブルクンダー。
葡萄は、このドイツ名で呼ぶと
馴染みが薄いような気がするけど、
ピノブランのシノニムで、結構身近。
最近ブルゴーニュでもこの品種に接し、
風味の共通性を確信できました。
バーデンは南寄りで、気候区分はB地帯。
ドイツは北限と…いう印象よりも、
アルザスやむしろブルゴーニュと同等と考えるべきかも。
地球温暖化を叫ぶ前から、その傾向が強かったけど
今バーデン地方は、さらに空気の温みを感じる造りに
なってるようです。
そしてこの“H”は、予約販売のスペシャル・バージョン。
今、予約して、樹3本から収穫される葡萄で造られます。
『葡萄の樹3本のオーナー・ワイン』であり、
先払い、約一年後に受け取りです。
3本の樹からできるワインの本数を、
およそ4~6本と説明していますが、5本と考えて
おいた方が良いでしょう。
と、言うよりも、本数が増える事を望んだらダメ
なワインという理解が必要なようです。
「収穫量制限」という言葉を胸に、造る側に立てば
樹に実る葡萄の数をできるだけ減らし、樹のエネルギーを少ない葡萄に集中させてこそ、
ポテンシャルの高い原料になり、美味しいワインになるのですから。
…内容を把握しにくいので、消費者の理解を得られてませんが、
実は、これ、ブッちぎりで高い品質を持ってるんです。
今は、毎年飲んでる『葡萄の樹3本のオーナー』のワインに対し
最初は懐疑的でした。
売れ残ったワインの固め売りじゃないの…って思う心が少し。
だけど、ドイツNo.1のフーバー醸造所のワインは不足状態で、
とても売れ残ったりする状態ではない…ってのに気づきました。
実際、フーバー醸造所の中を見ると、小さな別タンクで造ってる。
同じ葡萄を使う←ヴァイサーブルクンダーとどう違うか…と言えば、
内容の『密さ』が明らかにあるという点。
倉庫やワイン屋に滞留することなく、すぐに消費者に届く…
という点で、フィルタリングをほとんど行っていません。
その上、造り手も製造即、全数販売…という事で負担が無いので
品質的にかなり高い仕上がりでまとめているようです。
飲み比べれば分かるキメの細やかの差。
通常のヴァイサーブルクンダーでも
秀逸なのに、より滑らかな舌触り。
和食に合う素性ながら、さらにハイレベルな
領域へ到達しています。
常に、前年より品質が上がる…という
信じられない力を発揮するこの醸造所。
その傾向は十分にあるものの、
『葡萄の樹3本のオーナー』の場合は、
本数の増減への覚悟が必要なのでしょう。
でも例え4本になったとして、3937.5円、
通常のヴァイサーブルクンダーの定価より安いです。
複数本を使うレストランなどでは、間違いなく、“買い”でしょう。
私にとっては、「一年先に入荷する超高品質なドイツのヌーヴォー」なんです。