2007年,2008年 ボージョレ・ヌーヴォー レビュー [index]

2009年ボージョレー・ヌーヴォー購入のご参考に
過去のレヴューを再掲載いたしました。

ボージョレ・ヌーヴォー2007 かつての反逆者が…
ボージョレ・ヌーヴォー2007 有名なドメーヌ…
ボージョレ・ヌーヴォー2007 造っているのは?
ボージョレ・ヌーヴォー2007 文化の融合
2008 今年もヌーヴォー
2008 ロゼのヌーヴォー
2008 今年の一番は?
2008 超高品質のヌーヴォー。今年3位獲得。
2008 全世界に僅か5百箱のヌーヴォー
2008 ボージョレ大使のヌーヴォー

ボージョレ・ヌーヴォー2007 文化の融合

良い品質…を得る為に、具体的にどんな造りをしているか…
を知れば、また一段と美味しさも増すのは間違いありません。

何よりもより良い場所の畑を求めます。
ただのボージョレよりも、優良なヴィラージュに含まれる場所。
その中でも村名が名乗れる10村の原料を、
通常のワインでなくヌーヴォーに振り向けます。

さらに収穫量制限。
間引きを厳しく行い、凝縮感を高めていきます。
ライトなのに深く複雑な味わいを持つようになっていきます。

この極めつけが、驚異的な樹齢の葡萄樹です。
樹齢の古い樹は、味わい深く凝縮感が出ますが、
生産量が大きく落ちます。
それでもより高い樹齢を…と求め、
場合によっては百年を越えるものさえ使うようになりました。

より深い味わい、そして品質を求め続けたのです。
それは、日本の市場が高品質のボージョレ・ヌーヴォーを受け容れる…
という確信があったからに他なりません。

これぞ究極の百年樹齢!
バルチック艦隊が日本海を駆け、南満州鉄道ができた頃に植えられた樹?

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ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー
キュヴェ・サントネール
ルイ・テット 750ml 【ご予約】

こんな商品開発を知らずに、
「ヌーヴォーはただ薄いだけ」と言ってたら、
それこそ日本人はチョンマゲと芸者ガールの国と言ってるのと同じです。

日々刻々と進化しいてくワインの中で、
最もその様相を変えたものの一つが
ボージョレ・ヌーヴォーと言えるのかも知れません。
しかもそれは、日本人(の求め)によって…です。

ボージョレ・ヌーヴォーの進化…
均一化でも安売りでもない、より高品質な造り手を育て、
スピーディーな輸送(つまりは決済も)によって、
ボージョレ地方全体を精神的にも経済的にも
良い方向に導く力になっているのです。

また同時に、初心者の日本人をワインの世界に導入し、
さらに深い世界へ、
またイベント的であるにせよ、定期的に飲む…
という文化を芽生えさす効果をもっているとも言えます。

ボージョレ・ヌーヴォーと日本人の出逢い。
これは、おちゃらけ一過性イベントではなく、
お互いの文化を融合させ、より高い位置へと進んでいく
素晴らしい組み合わせだと私は考えています。
[To Be Continued…]

ボージョレ・ヌーヴォー2007 造っているのは?

※この記事は2007年のボージョレ・ヌーヴォーを扱ったときのものです。
2009年のご参考になればと、再掲載しております。

ここで視点を変え、高品質なボージョレ・ヌーヴォーを
誰が造っているか?…という点を考えて頂きたいのです。

誰が造ったか?…当然ながらワイン蔵元。
ですが、そこには必ず買い手が居ます。
買い手の求めによって蔵元が造るとすれば、
有力な買い手も、造り手の一員と考えられないでしょうか。

では誰が買う?…という点を追求してみて下さい。
そう、日本なのです。

ヌーヴォーを世界中で一番バカみたいに買う…
と皮肉る人が居ますが、
これは日本人の特性の良い部分を見落としているように思います。

まず、「初物」という感覚。
巡る季節の中で、自然の恵みの新しい姿に出逢う喜び。
季節感を尊ぶこの感覚は、日本人ならでは。

今年の出来はどうだ。自然をしっかり受けとめているか?
それを感じ取れる収穫物が、期日を切って届くというのは、
まさに四季の移り変わりを愛でる日本人の感覚に
合っていると言えます。

そして、世界一味覚が鋭い人種の一つであるという点。
薄めたような味・イチゴのような香…
最初のうちはそんな均一な低い位置で納得していたかも知れません。
しかし、他社がそのレベルならば、より美味しい味を求めたい、
と考える輸入業者間の戦いが生まれてきたのです。

味覚差を理解できない人しか居ない国では、価格競争に終始し、
扱い量が減少していくのを尻目に…。

ただ単に、ヌーヴォー解禁日に間に合わせる…という競争は
既に10年ほど前に終了しています。
そこからは品質の勝負を繰り返してきたのです。
年々、新しいドメーヌが開発され、
またその造り手にリクエストが出されるのです。

かつて輸入業者が紹介してくる造り手は、
聞いた事のない無名の物ばかりで、
売ろうにも頭を抱えなければならない状態でした。
でも比較試飲を幾度となく繰り返した今、
無名さは、新しいドメーヌに出会える歓びに変わりました。

さらに毎年、需要のうねりが生じ、大量に売れた次の年は縮小…と、
販売量と入荷量が安定しないという苦しさがあります。

輸入業者と販売者は、予約制…という形をとって、
このリスクを軽減しながら、
少しずつ扱い量を増やしてきたのです。

そして多大なリスク・経費がかかる状態から、
安い航空運賃の会社や、着陸料が安い空港を使い、
輸送料金を圧縮、より品質を上げ続けてきました。

栽培・醸造だけがボージョレ・ヌーヴォーを造っているのではなく、
輸入・輸送・販売、さらに世界で一番、購買・消費する日本は、
高品質ヌーヴォーの造り手の重要なスタッフと言える…
と私は考えています。
                         [To Be Continued…]

ボージョレ・ヌーヴォー2007 有名なドメーヌ…

「味が薄い」

「大量生産されたジュースのようなもの」

…と言ってる方には、すぐに出せる反証があります。

これなんか↓オススメ!(外観はあか抜けない?けれど…)
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ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー
ドメーヌ・デ・プラティエール [2007] 750ml【ご予約】

ところが、もう一歩手の込んだ否定派は
「素晴らしいドメーヌが造ったヌーヴォーを飲んだけど、やはりダメ」
…と主張します。

確かにブルゴーニュ・ワインの造り手で、
高い品質を産み出すドメーヌ(造り手)が造った
ボージョレ・ヌーヴォーがあるのです。

しかし、結論から言えば、

ブルゴーニュの
著名ドメーヌの        =    良いボージョレ・ヌーヴォー
ボージョレ・ヌーヴォー

というのは必ずしも真ではありません。
もちろん、ルロワのように、
ブルゴーニュ最高の一軒として君臨しながら、
ボージョレ・ヌーヴォーもスゴい品質を産み出す場合もあります(高価ですが)。

しかし一流ドメーヌ…例えば、D.■■■ンや、フィリップ・パカレ…
などのボージョレ・ヌーヴォーの品質は、残念ながら凡庸です。
飲んだ時、
「高いヌーヴォーだからってそれほど美味しくない…」
と言われても否定できません。

特にフィリップ・パカレは、ビオ・ワインの旗手、
そしてロマネ・コンティの醸造長のイスを
断った人物として超有名です。
また出身がボージョレ地区という事もあり、
試飲の前の期待は、いつも∞状態でした。

しかしことヌーヴォーに関して(2005年、2006年も)、
他の銘柄と並べて飲んだ私(と同席した12人)の率直な感想は、
「駄作」。

このワインをこの価格で販売するのは納得できない…
と驚きを隠せませんでした
(でも完売を続けているのがネット界の不思議)。

そうなんです。
違うのです。
良いボージョレ・ヌーヴォーを飲もうとして、
「有名なドメーヌ」
を求めるのは、焦点がズレているのです。

求めなければならないのは、
「良いボージョレ・ヌーヴォーの造り手」
である点を再度認識する必要があるのです。

[To Be Continued…]

ボージョレ・ヌーヴォー2007 かつての反逆者が…

※この記事は2007年のボージョレ・ヌーヴォーを扱ったときのものです。
2009年のご参考になればと、再掲載しております。

「ボージョレ・ヌーヴォーなんて」
…と全く否定してしまうのは簡単です。
でも、こう仰っている方は、できれば何がお気に召さなくて、
背を向けるのか…を聞かせて戴きたいのです。

それは、恥ずかしながら私自身が
この言葉を発し続けてきたからです。
しかしここ10年ほどの進化、そして試飲を重ねていくに従って、
これは絶対に無視できない、
このジャンルを否定してしまっては、
日本のワイン文化の発展を止めてしまう可能性さえある
と気付いたからこそ、敢えて言わせて頂きたいのです。

まず、否定する言葉で、代表的なものは…

「味が薄い」

「大量生産されたジュースのようなもの」

…でしょうか。

確かに大量生産系の安物を買えば、これが
正しいと言わねばなりません。
量販店・チェーン化した販売店などでは必然的に
そういった大量生産系の物を扱うしかありません。
高品質の物を扱うには、生産量が少な過ぎますから。

大量仕入でコストダウンし、均一な銘柄で統一感を得る…
という流通形態ですから、
高い品質よりも数量によるメリットと、
安定的品質(つまりは並レベル)へと行き着くしかないのです。
有名人を使ってイメージを上げようとも、それは外観のみであり、
生産量の多さは、どうあがいても品質の上昇を拒むのです。

従って、量販店で購入して飲んで、それが全てだと信じている方には、
反証としてオススメできるボージョレ・ヌーヴォーがあります。

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ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー
        フランク・サンカン
      [2007] 750ml【ご予約】

ぜひ、飲んでみて下さい。
この認識を変える事ができる品質であることは
まちがいありません。

[To Be Continued…]

08-1127 ボージョレ大使のヌーヴォー

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2008 ボージョレ・ヴィラージュ プリムール セレクション・ヴィエイユ・ヴィーニュ・ド・センタンス・パル・ジェラール・カナール・アンバサダー・デュ・ボージョレ
シャトー・ド・ブラスレ・ロワ,ティエリー・カナール

Beaujolais Villages Primeur
Selection Vieilles Vignes De 100 ans Par Gerard Card Ambassadeur du Beaujolais
Chateau de Blaceret-Roy Thierry Canard

nouveau0808.jpgボージョレに関しては、日本に最も貢献したと思われる輸入業者が
キモ入りで引っ張って来た100年樹齢物。

案内リーフレットの前面にこの顔が出てたので、
生産者の顔かなぁ?…と思っていました。
現物が着いたら、モロにラベルでちょっと驚き。

何?このお爺さん?…って思ってたら、
ボージョレの親善大使を37年以上も務めた人で、
存在自体がボージョレ…みたいな人のようです。

さらに、甥のティエリー・カナールは、
「ボージョレ・ヴィラージュのプリンス」と呼ばれて、
共に所有する畑には、百年を超える究極の葡萄樹があると主張。

そんなウリ文句だらけのこのワイン、急いでグラスに注がねば…。

nouveau0809.jpg出足で僅かに獣臭?けれど間もなく消え、

ボージョレらしいフルーツ香が
下から湧き上がってきました。
その果実香は、地味ながらシュァなもの。

ボディはしっかりしていて、
僅かに角のあるタンニン。
後味は伸びていき、
力強さを十分に主張します。

フランスから初めて国外に出された…というだけあり、自信の品質なのでしょう。
スタート時点では特に、気難しげなブルゴーニュ・ファンに受けそう。

しっかり開くと、ちゃんとボージョレの形を整え、
親善大使の肩書き通りの姿を見せてくれます。
それはな親しみ易いというのではなく、威風堂々として、
荘厳ささえ感じさせるものです。

これは、力強い。試飲会で7位を獲得。
ホンモノが分かる人に是非勧めてみたい。

08-1127 全世界に僅か5百箱のヌーヴォー

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2008 ボージョレ・ヴィラージュ プリムール ヴィエイユ・ヴィーニュ
ジョセフ・ドルーアン

Beaujorais-Villages Primeur Vieilles Vignes Joseph Drouhin Nouveau
(この商品は2009年には扱いませんでした)

nouveau0807.jpgブルゴーニュは、ドメーヌでなければ…
という人が体験すべきネゴシアンの“ドルーアン”。
そう言われるだけの品質がこのヌーヴォーにも?

上級の中の上級品、古木からの原料だけで仕上げた
このワインがヌーヴォーといえどホンモノでなければ、
「ドルーアン・スタイル」という主張が色あせてしまいます。

2008年の難しい天候を、総指揮を執るヴェロニクは、
原料葡萄を厳選、捨てまくって良い房だけを選び、
醸造する…という手法で乗り切ったようです。

仕上がりは決して悪くない…と主張するこの
ヴィエイユ・ヴィーニュは全世界に向け
僅か500箱しかない…という点からも
充実した内容が期待できます。

瓶番号は、5470。…ということは6000番の中の
終わりに近い数字。
グラスに注いだ出足は、微弱発泡を感じます。
色が濃いというわけではなく、クリアーに赤い。
風味はエレガントにまとまる。
すぐに微弱発泡は消え、滑らかな舌触りに変身。
きれいな曲線を描くボディは、スリムな締まり。

ガメィらしい華やかな香は持つのだけど、上品なバランスを構築、
派手派手しくはなく、大人の雰囲気。
人気投票で、「調和の美学」を主張するこのワインは、6位を獲得。

品質は明らかに高くエレガントにまとまるが、目立たずひっそりと、
しかし人里離れた場所で咲き誇る花のような存在。

08-1127 超高品質のヌーヴォー。今年3位獲得。

※この記事は2008年のボージョレ・ヌーヴォーを扱ったときのものです。
2009年のご参考になればと、再掲載しております。

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ボージョレ・ヴィラージュ ヌーヴォー
ドメーヌ・シャサーニュ

Beaujolais Villages  Nouveau Domaine Chassagne

nouveau0805.jpg毎度お馴染み、超高品質。
レベルの高さで圧倒的なシャサーニュ。
しかしながら、今年は、飛び抜けたレベルにまでは
達してない…ようにスタート時点では感じました。

もちろん、他より頭抜けて良いんです。
しかし今までのブッちぎりの良さから考えると、
天候不順のせいか、少々、
パワーダウンの感を否めなかったです。

と文句を言いながら飲んでると、
グラスからたくさんの香りが溢れてきました。
イチゴやバナナや洋梨などの香。
果実がカゴに盛られたような多種の香を十分に感じますが、
派手でなく、まとまりが良いんです。

nouveau0806

その上、角が落ちた舌触りの良さ。
酸は昨年までに比べて少し
多めのようにも思いますが、
アクセントとして味構成に加わり、
全体像はキレイにまとまっています。

スタートと時間が経った後では、
少し評価が変わりました。
実力派ドメーヌ・ワインにとっては
当然ではありますが…。

ただ、期待が余りに大き過ぎると、
2008年のような天候不順・ビオデナミ…という足かせが重すぎたかも。

そう言いながらも、試飲会では堂々3位を獲得。
いずれにしても、ここの品質の高さは、揺るぎなきものです。

08-1126 今年の一番は?

※この記事は2008年のボージョレ・ヌーヴォーを扱ったときのものです。
2009年のご参考になればと、再掲載しております。

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2008 ボージョレ・ヴィラージュ ヌーヴォー
ジャン・エティエンヌ

Beaujolais Villages Nouveau Jean Etienne

残念なことに、この商品は2009年のリストから消えてしまいました。

nouveau0803毎年、行う飲み比べ。
今年はどれが美味しい?
一本だけ飲んでたら分からない特性も
比較する事で、浮きあがってきたり、
あるいは似通ってる所が分かったり…

個々の感性の差で美味しかったり
そうでなかったり…と微妙なのが
味覚の世界、どれかを一番!
って決めるのは難しいことです。

だから部門別にしながら、人気投票…というスタイルで行います。

で、今年の一番人気は?部門としては、
コストは考えず、一番気に入ったものを一位・二位・三位と3つ選んでもらって、
それぞれに、3点・2点・1点を与え、合計点数が最も高いものは?

nouveau0804ジャン・エティエンヌのヴィラージュ・ヌーヴォー
色彩は十分に濃くて、紫を含んだ赤色。
たおやかさとフルーツがたくさん、ハーブや香草も散りばめられたよう。
お約束の、イチゴ、バナナ、洋梨などに加えて、
木のような、香草のようなスパイスが存在、
それが微妙なアクセントとなって絶妙な調和。

 

タンニンの量はこのカテゴリーとしては多めだけど角はなく、
微妙に力強さを主張するように、アフターテイストが長く続きします。
余韻も長く引いて存在感を主張、全体バランスも秀逸。

コストを考えなくても、考えても最優秀。
今年の当店ヌーヴォー試飲会No.1を獲得。
ルロワのプリムールさえ抑えた、この品質は御立派。

さすが、三ツ星レストランで使われる…というだけありますね。

08-1126 ロゼのヌーヴォー

※この記事は2008年のボージョレ・ヌーヴォーを扱ったときのものです。
2009年のご参考になればと、再掲載しております。

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ボージョレ ロゼ ヌーヴォー
ドメーヌ・リュエ

Beaujolais Rose Nouveau Domaine Rue

nouveau0802昨年は不足して困ったロゼのヌーヴォー。
今年はたくさんあるので、試飲してみました。

ボディは小さく、可愛らしい印象。
目隠しで飲むと、多くの人が、
「白…?」と答えそう。

軽やかでタンニンの引っかかりがなく、
するすると喉を越えてしまう。
白い花の香り。柔らかく丸い舌触り。
ボージョレでもタンニンが気になる…なんて人がいればうってつけ。
また、白はないのか?と言う人には好適と言えるでしょう。

柔らかく角がない、イチゴ系の華やかな香りも控えめで、
和食・日本食の系統には極めて合わせ易いワインです。
ノンフィルターとの表記がありますが、凝縮された重さがない分、
ロゼらしい美しい色と共にパーティーの雰囲気にぴったり。

良く冷やしてスタートすれば、より広範囲のお料理と合わせられるでしょう。
豚カツなどにはぜひ試してみたい上々の味筋です。

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同蔵元
ボージョレ・ヴィラージュ・ヌーヴォー