09-0114 赤銅色の輝き

2005 マイヤー・ネーケル シュペートブルクンダー
ヴァイスヘルプスト QBA
 

Meyer-Nakel Spatburgunde Weissherbst Q.b.A AHR

マイヤー・ネーケル。
ドイツのアール地方で1・2を争う造り手。
ゴーミヨ(ワイン評価本)でのランクは4房、
全ドイツで見ても、ほぼトップレベル。

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辛口が得意、そして栽培面積の
75%がピノノワールという比率は、
旧来のイメージでは特異に見えるでしょう。
しかし、食事に合わせる…
という目的で造られていると考えた時、
すべてが合理的に見えてきます。

単一葡萄品種で、等級がQ.b.AかQ.m.P.のロゼを
『ヴァイスヘルプスト』と呼びますが、
このワインは、贅沢にも100%ピノノワールです。
グラスに注いだ時の色は、まさに赤銅色。
ピンクとかゴールドと言うより、カッパー。
食べ物の美味しさを引き立てる輝き。

「ロゼなんて」…というのは、何世代も遅れた感覚。
甘さを捨て去り、収穫量を制限し、凝縮感を得た上に、
樽を巧みに使って複雑さを与えたホンモノの辛口です。

お料理との調和を考え、研究・検討を重ね、
高い領域でマリアージュを成し得るべく
見事なバランスに仕上げられたワイン。
ホンモノの「ロゼ」として認識する必要を感じる存在です。

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香の要素はさほど多くはないのですが、不思議に飽きさせません。
下草、そしてベリー系の香。
舌にほんの僅かチリチリとした微発泡、
ボディはスリムですが、続いていく余韻は豊かで、
楽しみをどんどん延ばしてくれるかのようです。

これは、他では決して無い味わい。
飾り気や嫌味の無いシンプルな風味、しかし本質へと至るものです。
心地良い微発泡を楽しみながら喉の奥へと滑らせていると
お料理が次々と頭の中に浮かんできます。
しゃぶしゃぶ、天ぷら、煮豆、トンカツ、サーモン、肉じゃが、沖縄のアグー…
止まらない想いは、ワインが引き出す幻想なのでしょうか。

お料理を引き立てるワインとは、きっとこんな味と香。
分かる人にだけ勧めたい、究極のロゼワインです。

ビストロヴォナ村安田 食事会準備【全8回】[index]

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08-0316 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-2]力点の考察
08-0318 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-3]万華鏡のように…
08-0319 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-4]ブルゴーニュ三昧
08-0320 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-5]食前~前菜は…
08-0321 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-6] サポートしつつ、繋ぐ役
08-0322 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-7]デザートには…
08-0323 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-8]晴れの日を夢見て…

08-0318 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-3]万華鏡のように…

そこで、考え抜いた末、
結局はブルゴーニュのロゼを選ぶ事に決めた。

ブルゴーニュ ロゼ ロザエ
[2006] 750ml
ロブレ モノ

選択肢の中では最も繊細で柔らかいロゼ。

安田シェフのメニューに使われる野菜は、大抵
「自家製」、あるいは「無農薬」
…という言葉が添えられる。

それに納得したのは、お料理を口にした瞬間だった。

違うのだ、何かが…。
心を込めた調理法がそう感じさせるのかも知れない。
いや、それ以上に、野菜本体に思いが込められているのを
とても強く感じるのだ。

私は料理を作ることはできない。
ましてや野菜を作ることもできない。
ワインを造ることもできない。

私ができることは、それぞれを懸命に味わい、記憶し、
それを積み重ねてきた経験の中で使う事…
だからこそ、すべての作り手の思いを
自分の中に取り込む…という作業が必要になる。

その結果、敢えて宣伝文句に「ビオ」を押し出さない
ビオデナミの造り手=ロブレ・モノを選ぶことにした。

ヴォナ村さんのお料理に対しこのワインを選ぶ事が、
私の人生の蓄積のようなものであり、
美しく輝くバラ色を、この日の流れの中の
少し魚料理側にシフトした中心点として定め、
すべてを出発させた。

ただし、この時点でも

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タヴェル・ロゼ(Ch.ダッケリア)
タヴェル・ロゼ(ドメーヌ・モルドレ)
プロヴァンス・ロゼ
という中心点も、代替案として持ちながら組み立てていく。

この中心点を他のワインに変えるだけで、
オードブル~デザートまでのラインは、
万華鏡の模様のように入れ替わり、
どれ一つとして同じワインが並ばない。
一つ違えば何もかもが違って来る。

ただ、シェフの修行された三つ星レストラン、
そしてそのお料理から、ワインのテーマとして

「ブルゴーニュ三昧」

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が、最も適していて分かり易いし、
お料理を引き上げる事ができると判断、
そのラインで組み上げる事にした。

[To Be Continued…]