シャトー・モンペラ&クイーン【全12回】

シャトー・モンペラ&クイーン [01]ワイン教室にてNr.1

シャトー・モンペラ&クイーン [02] モンペラとの出会い…7秒の敗北

シャトー・モンペラ&クイーン [03] ロック少年、オペラハウスに入る。Nr.1

シャトー・モンペラ&クイーン [04] ロック少年、オペラハウスに入る。Nr.2

シャトー・モンペラ&クイーン [05] そしてモンペラを飲む。

シャトー・モンペラ&クイーン [06] ボヘミアン・ラプソディ

シャトー・モンペラ&クイーン [07] 才能ある者達の手抜きのない造り

シャトー・モンペラ&クイーン [08] そして、伝説のチャンピオン

シャトー・モンペラ&クイーン [09] ショーを…続けてくれ!

シャトー・モンペラ&クイーン [10] ワイン教室にてNr.2

シャトー・モンペラ [11] ワイン教室にてNr.3

シャトー・モンペラ [12] ロックに例えたこと

シャトー・モンペラ&クイーン [12] ロックに例えたこと

ブランド的なワインを造るボルドー地方、
その中でシャトーを買収する場合でも
他の地区という選択肢はあったはずである。

しかし敢えてプルミエ・コート・ド・ボルドー地区…
という反骨精神。

ワイン造りの思い入れは誰にも負けない、
という気合い。
それは、ミッシェル・ローランと、3人の醸造学者、
さらに1人の農業エンジニアの5人で構成された
醸造チームを揃えた事ですぐに分かる。

自信を持って世界の聴衆の前に立つ
新人(のふりをしている)ロック・スター。
内容はホンモノ。十分過ぎるほど詰まっていた。

そんな精神性を含めたロック、そして仕上がったワインの味香を
クイーンに例えた事に賛辞を送りたい。

シャトー・モンペラ。
熱い思いをたぎらせて人生を駆け抜けてきた人には
ぜひ飲んで戴きたいワイン。

シャトー・モンペラの旗艦=ジロラットは、クイーンとは違った世界を構築。
洗練度はそれほどとは思わないが、
一つ一つの要素が堅実で熟考されている。
味わいと香を発しながら口中にとどまり、
まろやかなかがらも主張し、余韻を引きずっていく。

girolate10678p1ジロラット[2005]750ml
ボルドー/メルロー100%
まとまりとバランスを持っているのに
なぜか一握りの不安を抱えてしまう危うげな雰囲気
でもやはり安らぎに似た暖かさも与えてくれる。

もしかしたらイーグルスのホテル・カリフォルニア。
人生に倦みながらも、諦め切れない思いを抱えた人が訪れ、
一時の悦楽に耽る場所。
1969年産のワインほどではないにせよ、
その頽廃感が重なり合う部分があるように感じた。

41Y4KR4TEXL__SL75_

ワインと音楽。
クラシックにとどまらずジャズやロック…
感性が合うもので、味や香を例えられたとすれば、
それは、本質を知り、楽しむ者には
この上ない悦びとなる…
それを教えてくれた『神の雫』に感謝の意を贈りたい。

本日はプライベート用のモンペラをグラスで揺すりながら
乾杯!!
——————————————–

10927p1漫画「神の雫」に登場したCh.モン・ペラの上級キュヴェ
『Les Amants(レザマン)』とは『恋人達』と言う意味。バレンタインに最適の上級ボルドー!
フランス/ボルドー地方/プルミエ・コート・ド・ボルドー
葡萄品種:メルロー70%,カベルネ・ソーヴィニョン15%,カベルネ・フラン15%
タイプ:赤 フルボディ

シャトー・モンペラ&クイーン [11] ワイン教室にてNr.3

一方、二日目。
ワイン教室の生徒さん達が待つ教室に入るやいなや異様な熱気。

「今日はモンペラですね!」
「ホントにクイーン?」
…と、声がかかる。

img1023765029

何かもう、ステージに上がった途端、会場ノリノリ。
一声ごとの反応の昂ぶり、ビートの刻みはまさに
We Will Rock You 状態。

一声ごとに膨らんでいく期待、
時間と共に熱気をはらむ会場。

20060920

もう、抜栓の時には、完璧にヒート・アップ。
グラスの中で踊り、飛び散る液体。
するとなぜかしら前日よりも力を発揮するワイン達。
香は明確で、味もよりしっかりとしてるように感じる。

人間の感覚はいい加減なものだなぁ…とも思うのだが、
もしかすると、人間の感度が興奮によって
上がったのかも知れない。

まず白。
シャトー・シュヴァル・ブランのドミニク・エブラーが造った白、
シャトー・ラグランジュが造った白…
どちらも素晴らしいのだが、
この二つを圧倒してしまったモンペラの白。

montperatblanc
シャトー・モンペラ ブラン
さすが、アントルドメール地区に本拠を置く蔵元だけあり、
白の造り方は堂に入っている。
樽はしっかりと効いて、まろやかかつ滑らか。
白なのに、ワイン単体で輝こう…とする気配がある。

そしてモンペラの赤。
複雑な味わい。重合する酸味。時間と共にほどけてスムーズ、
ジューシーへと進んでいく。
ボヘミアン・ラプソディー~伝説のチャンピオンのメドレーが
ふさわしい味わいの変化。
このワインは、やはりクイーン。

ノリノリの会場は、左岸の典型のシャトー・ベイシュヴェルとの
対比を悦びながら、もっともっと…と求める。
“I Want It All” 状態の会場に向けて出すのは、
真打ち、ジロラット。

girolate10678p1ジロラット[2005]750ml
ボルドー/メルロー100%
入魂の一本は、未踏の領域へ。
が、このワインには、クイーンのイメージはない。
もっと円熟した華やかさを持っている。
夕焼けに似た、美しさと“たそがれ感”がある。
さらに退廃的と言いたいような、満足の上に満足を上塗りしていく贅沢感。

41Y4KR4TEXL__SL75_
ホテル・カリフォルニアにいる気分を楽しませてくれるような
ジロラットを締めにして、
この日のライブは大盛況の内に終了した。

積み重ねてきたものの違い、
それによって生まれる感性の差。
嗜好品の世界だからこそ、反応の違いが現れる。

それを嫌というほど実感させられた
二日間のワイン教室の反応の差だった。

[To Be Continued…]
——————————————–

10927p1漫画「神の雫」に登場したCh.モン・ペラの上級キュヴェ
『Les Amants(レザマン)』とは『恋人達』と言う意味。バレンタインに最適の上級ボルドー!
フランス/ボルドー地方/プルミエ・コート・ド・ボルドー
葡萄品種:メルロー70%,カベルネ・ソーヴィニョン15%,カベルネ・フラン15%
タイプ:赤 フルボディ

シャトー・モンペラ&クイーン [10] ワイン教室にてNr.2

クイーンに浸りきった秋の夜。
その翌日が、2日続くワイン教室の1日目。

こんな思いを抱えた男が、熱き心を復活させ、
シャトー・モンペラとクイーンを語った。

が、空回り。
生徒さんの反応は極めて冷ややか。

まず導入部が「漫画」という事。
そしてロック、さらに昔の音楽(?)という認識でダメ。

06372422

「いや、そういう事ではなく、ワインの味を
他の芸術に例えるトレーニングと思って」…

という私の言葉が、言い訳じみてしまうほど、温度が低い。
ノリの悪いライブ状態。

たまらず、とりあえずはこんな音楽ですから…
とコンピューターのデータからMP3で流す。
ボヘミアン・ラプソディーと、伝説のチャンピオン。

サビの部分になると、あぁ、聞いた事があるような気がする…
という反応。

「音の構成を聞きとってみて下さい。
高音域、特に4人全員が歌い上げるハーモニーであり、
それを支える少し太めのベース音・膨らんだバスドラが特徴。」
と必死に解説。

al0000025160_large

しかし、聞いたことが無い上に、興味もない音楽は
語られても心が動くはずもない。
テイスティングに集中しようとしている人にとって、
雑音以外の何物でもない。

ここからは、シャトー・モンペラのデータ的な解説に切り替える。
教室には、かなり遠くからも足を運んでくれる人が多い。
そんな人に対し、苦痛や不快を与えてはならない。
ワイン教室として、このワインの情報を提供し、
より美味しく、詳細に分析して貰う…
といういつものスタイルに転換。

ワイン教室としては、相応以上の情報を伝える事はできたと思う。
左岸・ヴェイシュヴェルとの比較や、白のラグランジュの比較により、
モンペラのスタイルを浮き彫りにし、さらにジロラットの存在感を
楽しんで貰う。

20060920

しかし、ロックの魂は湿った導火線でくすぶる。
オペラ座の不入りは、座席を指でなぞれば埃の跡が付くほど。
「伝説のチャンピオン」が、虚しくその日の私を慰めた。

[To Be Continued…]
——————————————–

10927p1漫画「神の雫」に登場したCh.モン・ペラの上級キュヴェ
『Les Amants(レザマン)』とは『恋人達』と言う意味。バレンタインに最適の上級ボルドー!
フランス/ボルドー地方/プルミエ・コート・ド・ボルドー
葡萄品種:メルロー70%,カベルネ・ソーヴィニョン15%,カベルネ・フラン15%
タイプ:赤 フルボディ

シャトー・モンペラ&クイーン [09] ショーを…続けてくれ!

クイーンの、リードボーカル&キーボードのフレディは、
この後に不治の病になり、死を宣告される。
そんな頃、ギタリストのブライアン・メイが曲を作る。

仕上がったその曲=「ショー・マスト・ゴー・オン」の
楽譜を持ってフレディを訪ねるブライアン。
死のカウントダウンを知りながらもフレディは
「とても良いよ。この歌を歌わせてもらえるなら、喜んで歌うよ」
と言ったという。

「ショーを続けさせてくれ」というこの歌詞は、
フレディの魂の叫びと重なり、聞く者の心を揺さぶった。

この曲を聴き続けた私は、フレディが死んだ時、
自分の中の一つの時代の終わりを感じた。

4105091448

オペラハウスを出て以降、私は気楽なノリの
商業的ロックを選んで聞くようになった。
もう漬け込んだ魂が引き裂かれるような痛みを
味わうのが嫌になったのだと思う。

そして時は過ぎ、私はワイン屋になった。
音楽関連や出版関連に進めなかったのは、
才能の欠如が一番の理由だとは思うが、
もしかしたらこんな魂の痛みを避けようとしたからかも知れない。

しかしワインの世界に居て官能の世界を追求して行く時、
図らずも再会してしまったクイーン。
シャトー・モンペラをグラスの中で揺さぶりながら
“永遠に続いていくショー”の夢を今宵だけは楽しみたい。

img1023765029

CDは Queen / Jewels – Very Best
秋の夜長に響き渡るハーモニー、エンドレスで流しながら…

乾杯!

[To Be Continued…]
——————————————–

10927p1漫画「神の雫」に登場したCh.モン・ペラの上級キュヴェ
『Les Amants(レザマン)』とは『恋人達』と言う意味。バレンタインに最適の上級ボルドー!
フランス/ボルドー地方/プルミエ・コート・ド・ボルドー
葡萄品種:メルロー70%,カベルネ・ソーヴィニョン15%,カベルネ・フラン15%
タイプ:赤 フルボディ

シャトー・モンペラ&クイーン [08] そして、伝説のチャンピオン

抜栓から30分~60分、さらに90分が過ぎていくに従って、
このワインは徐々に変化していく。
優雅になっていく。

酸味はあり、ボディも豊か、
最初からずっと通っていた下草の香は途切れず、
タンニンが柔らかに、舌触りが滑らかになり、
ゆったりとふくよかになり、さらに果実味が増して
ジューシーになっていく。

ここからは、クイーンの曲に例えるならば、「伝説のチャンピオン」。
優雅に振る舞う王者。美しき我を見よ!
と言わんばかりの味わいのバランス。

4105091448

有名バンドの仲間入りを果たしたクイーンが、
その胸の内を歌った傑作。
リードボーカル&キーボードのフレディが作った曲だが、
ギターが彼の歌の後ろに流れて前に出て来ない分、
逆に厳かにそこに在る王者の風格。

樽貯蔵をきっちりと行ったワインだけが持つ
自信に満ちた味わいに似ているように感じた。

名声は世界に轟く。

賞賛の声は連鎖を呼び、この味わいがもたらす人気は、
らせん的に上昇、今や入手が難しいワインの典型となってしまった。

[To Be Continued…]
——————————————–

シャトー・モンペラ&クイーン [07] 才能ある者達の手抜きのない造り

このシャトー・モンペラを造ったデスパーニュ家は、
オーメドック地区の由緒正しき城…という訳ではなく、
ジロンド川とガロンヌ川に挟まれた白ワインのみAOCが名乗れる
アントル・ド・メール地区に所在する。

img2c67451duc1zi7

ただシャトー・モンペラは1998年に同家が購入したもので、
プルミエ・コート・ド・ボルドーとして赤のAOCが名乗れる地区。
この畑には、平均樹齢30年の樹が植えられており、
南もしくは南西向きの4つの丘(粘土石灰質、粘土石樂質)がある。
これを天才コンサルタント、ミッシェル・ローランと、3人の醸造学者、
それと1人の農業エンジニアの5人でチームを組み醸造を開始したもの。

montperatblanc
シャトー・モンペラ ブラン [2005]

白も2005年が初リリース。ただしプルミエ・コート・ド・ボルドーは
赤のみのAOCの為、ボルドーAC・ブランになる。

このスタイルになった歴史は、まだ始まったばかりと言えるシャトー。
“クラシックみたいだけどそうじゃない”と神の雫のストーリー中で評されていたのは、
もしかしたらこの部分も重なったかも知れない。

本部シャトーの位置とシャトー・モンペラの位置が違う為、
混乱を招いてしまう部分もあるだろうが、
味はメルローを主体に心地良い味わいを引き出しており、
クイーンの音楽同様に分かり易いものである。

そしてまた、我々の見えない部分で、たった一本のワインを創り出す為に、
凄い時間と労力をかけているのは、まず間違いない。
だからこそ、感動させてくれる味が飛び出してくるのだ。

詳細を記すなら、葡萄畑の芝植え、手作業による葉の選定、
房が色付く前後に熟練者による間引き、
厳しい収穫量制限(1本の樹から6房がリミット)、
完熟してからの手作業の収穫、厳しい選別…など。

さらに醸造では、発酵前の低温浸潤、1日2回のポンピング・オーバー、
100%新樽でのマロラティック発酵、週2回のバトナージュ(オリ撹拌)、
12ヶ月の樽熟成…と、
醸造学者と農業エンジニアの技術・精神の粋とも言うべき
緻密さを注ぎ込んだ、手抜きのない造り。

girolate10678p1ジロラット[2005]750ml
ボルドー/メルロー100%

こちらは、モンペラのフラッグ・シップ=ジロラット。
「飲んだ事のある者にしかわからないだろう」と讃えられる味わい。
ワイン教室の生徒さんのコメント

そこには、確かに“感動”が存在する。

[To Be Continued…]
——————————————–

シャトー・モンペラ&クイーン [06] ボヘミアン・ラプソディ

もし、ワインの味の要素を音域に例えるなら、
中低音域はタンニンとボディ、
高音域はアルコールや酸味…として良いだろうか。
そうなると、このワインは?…と、やや低めの温度ながら神経を集中する。

少し固めのタンニンは感じるものの、それよりも圧倒的に酸味。
しかし酸っぱくてしようがない…といった類ではない。
シンプルで一筋通るような単純な酸味でもない。
いろいろな要素の酸味が出て来る。
さらにそれぞれが絡み合っていく。

タンニンやボディよりも、この温度の時点では間違いなく
複雑な酸味が織りなす独特の世界。

それはまさにボヘミアン・ラプソディで聞かされた
クィーンのハーモニーそのものと言えるかも知れない。
このワインをクイーンに例えた神の雫の作家の揚げ足をとってやろう…
という気持ちさえ最初は抱いていた。
06372422

が、スタート時点でこの比喩は、まさに言い得て妙。
クイーンを知っている者ほど、またワインの味わいを楽しめば楽しむほど、
正しいと言わねばならない…と感じた。

この曲こそは、オペラロックと例えられ、6分という異例の長さの中に、
バラード、オペラ、ロックと曲が入れ替わるという斬新な構成で
創られたものだった。
4105091448

僅か6分間の曲の収録に、メンバー4人共が一日に12時間歌い続け、
3週間以上かかった…という労作。
罪を犯した少年の叫びが展開していくさまは、
まさにこのワインのスタート時点の味香と重なるようにさえ感じられた。

[To Be Continued…]
——————————————–

シャトー・モンペラ&クイーン [05] そしてモンペラを飲む。

我が家では、「7秒の悲劇」と呼ばれている出来事
…シャトー・モンペラを買い損なったのが一年前。

そのワインが遂に来た!
お分かり頂けるだろうか。この待ちに待った感覚。
期待に打ち震える心。

待たされたのは、多分、瓶熟の状態を
シャトー側が見定めていたからだと思う。
だから、中身は旅疲れしていて、最高とは言えないコンディションだろうが
飲めない状態でもないだろう。

そんな期待を抱きながら頭封を外す。
この時点でかなり興奮している自分に気づく。
同時に、頭封の除去にかなり注意が必要だとも感じた。
素材が良いとは言えず、極めて鋭利に剥ける事があり、
しっかりと取り去らないと、手を怪我する可能性がある。
上の部分だけでなく、縦にさっくりと切り口を入れて、
大きく全部を剥がした方が良いかも知れない。

次にはコルク。こちらは標準的な質・長さだった。
グラスに注いだ時点では少々不満。
その液体は、色は相応に深く濃いルビー色なのだが、輝きが足りない。
外観にクリアーさがなく、ほんの僅か、濁りのようなものさえ感じられる。
(たまたま飲んだ1本目がそうで、2本目・3本目はクリアーだった。瓶差と判断。)

外観的に、清澄度・輝き・色彩美・オリ酒石・発泡・健全度そして色調を考慮・判断、
5満点なら甘い評価で2点(私の採点は2点が標準点)しか出せない。
もちろん、人気が出た事で、より成分をそのまま届ける為に
フィルタリングとファイニングをしなかったという事が考えられるが…。

さて、グラスから香るのは、12℃のセラーから出した時点では、
ボルドー定番のベリー系に加えて、下草の匂いが感じられる。
ゆっくりと回しながら香を確かめ、口の中に入れてみる。
果たしてクイーンのハーモニーは聞こえるのか???

[To Be Continued…]
——————————————–

シャトー・モンペラ&クイーン [04] ロック少年、オペラハウスに入る。Nr.2

クイーンの音を初めて聞いた時の驚きは今も忘れられない。

シャウトで絞り出す高音域でなく、4人全員の綺麗な歌声のハーモニーが響き、
その上に乾き、籠もったような音のギターが絡みついてくる。
ハーモニーは多くの要素を高音域に押し出し、
巧みにバランスさせて、時間と空間を埋めていく。

さらにギターは、百年前の暖炉の木を材料に使ったという手製のうえ、
弦を弾くピックをわざと10ペンス硬貨とすることで、
擦りあげるような倍音をピッキングの中に持たせ、
より高音域が埋まっていく。
Brian May Guitars Red Special (RED)
レプリカ・モデルが発売されてるんですね…
本物はブライアンが父親と2年がかりで作ったと伝えられてます

溢れ来る高音域の調和。重低音がドカドカとくるものでもなければ、
ドライブ感に満ちたものでもない。
その美しいハーモニーは、時として透明感さえ感じさせた。
アクセル全開で走っていた私の魂が、
時に道から逸れて、オペラハウスへと乗り付けようとする。
いや、飛行船でこのオペラ座へ空から降りた事さえある。
kl_zep1

私自身、音程は良くない方なのだが、
音質・音色に関しては極めて敏感な質なので、
このバンドのギターの音は自信を持って聞き分ける事ができる。

4105091448

人間の声がいろいろあるように、ブライアン・メイのギターは、
特徴的な音質を響かせる。
それは、他のバンドの既存のギター音とは違う、
時としてヒステリック、乾きながらもこもった要素を持つ。
その音質をロック好きの友人に伝えようとして、
「乾いた・特徴的ハーモニックス、高音側が特に充実しながらも、
一部は間違いなく削れ籠もっている」
…などと懸命に表現し、その難しさを感じた覚えがある
(しかしこれが、ワインの味香を伝える基礎の一つになったような気もする)。

さて、そんな男が、ワインに向かい合う。
この点では、作家が何と言おうと、私自身はプロ。
そのプロの舌を持って、クイーンに例えられた
このシャトー・モンペラに向かい合う。

お笑いになられるかも知れないが、
これはロックで構成された私自身の人生を賭けた出会い、
そして対決でもあるのだ。

[To Be Continued…]
——————————————–