フリッツ・ハーク [2] ヴンダバーなおやじの目隠し試飲 2

突然に始まったブラインド・ティスティングに、
ま、まずい!…と焦りながらも、
気を取り直しました。

フリッツ・ハークと、シュロス・リーザー
両者とも極めて質の高い造りの上に、格落ちはさせていませんから、
カビネットが異様に糖度が高かったり…という事はありません。

つまりは、2つの蔵元はゴム臭の強弱で見分け、
等級は糖度で判断すれば良いのです。

「シュロス・リーザー。シュペートレーゼです。」

と言うと、どうやら当たっているらしく、
「じゃ、何年だ?」
と聞き返してきます。

古ければ色彩が黄金色でしょうが、澄んだ透明感があり、
僅かな黄色(場所が暗かった)であり、何よりも相応に若く、
かといって最も若い時の酸と微弱発泡が極めて弱かったので、
「2002年」と言いました。

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   箸使いも巧みなウンダバーおやじ

すると、ハーク氏は、じっとこちらを見ます。
一瞬の間は、まるで
みのもんたの前に立つ回答者の気分。
そして青筋?を立てて叫びました。

「ヴンダバー!ヴンダバー!」

一瞬、ハズれ?…と思ったのですが、
ドイツ語でワンダフル!(wunderbar)の意味で
どうやら当たっていたようです。
良かった。

で、顔もとが緩んだので、再度
ゴム臭の理由は?考えられる事は何がありますか?
と執拗に食い下がってみました。

あなたが感じている香がどれかが、完璧には特定できない。
しかし、2つの醸造所で違っている所が一つある。
それは、天然酵母と人工酵母である。

どちらも長所と短所がある。天然というのが良いとばかり言えず、
人工が悪くもない。
フリッツ・ハークは後者で、
シュロス・リーザーは前者で発酵させている。
もしかして違いはこの点によって生まれているのか知れない。
…との事でした。

天然酵母が良い…と信じて使っているのは
他にSt.ウルバンスホフなどだ、と仰ってましたが、
その理由によるものなのでしょうか。
ザンクト・ウルバンスホフリースリング QBA [2002]
ザンクト・ウルバンスホフ
リースリング QBA [2002]

2,100円(税込)

畑・技術・心…揃ってないものは何も無い造り手。
その心血を注いで造るワインが、
同じものになるはずはないのです。

また同じものである必要もなく、
飲み手としては、そんな芸術的な作品を楽しむ
オーディエンスになれたら良いと思いますし、
常にその姿勢で臨んでいるつもりなのです。
フリッツ・ハーク リースリング[2004] 750ml
フリッツ・ハーク
リースリング QBA [2004]

1,990円 (税込)

その絶妙な味のバランスは、私の思いを
72%という急傾斜の畑へといざない、
清冽なリースリング香は、この身を
モーゼルの清流の光に溶け込ませてくれるのです。

  →No.3へ続く..


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