フリッツ・ハーク家の所有畑は、
ユッファー(=乙女)と、
ユッファーゾンネンウーア(=乙女・日時計)ってことで、
夕食が盛り上がってきた時、一緒に食卓を囲んでいた
私の妻を見てハーク氏が言いました。
「健康的な色をしている」
どうやら、陽に焼けているという意味らしく
彼女はちょっとムッとしたりしてます。
が、ウンダバーおやじは、続けました。
白い、陽に当たらない、アスパラガスが萎えたような…
そんな女はドイツでは魅力的とは言わないんだ…
俺の畑で仕事をすれば、たちどろころに
陽に焼けて美しいユッファーだ!
その傾斜は72%…即ち100進めば72上がる角度ですから、
約36°ぐらいでしょうか。
スキーをされる方だったらお分かり頂けますよね。
これはもう、「壁」です。
高緯度のドイツでは、太陽の光がほとんど真横から
飛んできますから、角度がある方が、
豊かな日照を得られます。
「作業中に手が滑ってバケツが落ちたら、
そのままモーゼル川の中まで転がっていくよ」
ブラウネベルガー ユッファー リースリング
カビネット フリッツ・ハーク家 [2002]
2,700円
(税込)
そんな場所に植えられたリースリング、
そんな場所から滴った、彼と彼の家族の
思いと努力と誇りの詰まった結晶は、
間違いなく世界最高の“乙女”に違いないのです。
→No.6へ続く..
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