メルロー 2001 粒間引き[1]【仲村わいん工房】

Non がんこおやじの 手造りわいん
仲村わいん工房
Part20

nakamura50どうもイカんぞ。酔うと手ぶれがスゴい。
写真は小さくして、ごまかすしかないですねぇ。
本人はマトモなつもりなのですが、手先が震えるのかな?
ってことで、味利きの方は、酔えば酔うほどノってきて
佳境へと突入。

merlot2001この日の主役 メルロー2001年。
ただそれだけを記した無愛想な外観。
しかし、内容は飲んだ者だけが知り得る世界。

現二さんが、まだ経験も浅かった頃。
何をしたら良いか…懸命に模索をしていた。

デラウエアばかりの周囲の畑の中、
植えたメルローが十分に力を発揮し始めたこの年、
特に天候が良く、難しい間引きも、思い通り行えた。

素晴らしい収穫を目の前に、思いついたのは、
究極の原材料を得ること。
半分以上捨てたその収穫を冷蔵庫に持ち込み、
ダウンジャケットを3枚着込み、一粒一粒を選り分けた。
まだ若かったからこそできた…
というその作業は、我慢の上の我慢。
誰にも求められた作業ではないだけに、
「もぅ、えぇのと違う?これで止めようよ」
という誘惑の下で、黙々と続けられた。

ドイツで言うならベーレンアウスレーゼ。
珠玉の葡萄を仕込んだワインだ。
こんな手法を思ったとしても普通の人は実践しない。
それが理想の方法だったとしても…。

恐るべき品質への執念。
だからこそ、この領域に到達できたのだろう。

「がんこおやじ」とは父=光夫さんのことだと言う。
しかしその現二さんのことを「へんこ」(頑なな変わり者)と妻のさちこさんは言う。

傍から見てると、十分「がんこおやじ」。
でも先代も二代目も、求めていたのは、
飲み手のたった一言に違いない。

だからグラスに注いで香り、味わい、飲み干して言う。
「おいしい!」
…と。

[To Be Continued…]

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