【2】自家消費…と言っても一般家庭とは異なる飲み方

深くじっくりと、そして絶え間なく行うワインのチェック

    世界最高レベルの管理が可能なワインセラー貯蔵
    膨大な試飲本数を駆使しての絶え間なきチェック。
    Wine Tasting at Home...Deeply,Deliberately

私の試飲は以下のシーンに分かれます。

1.自家消費
2.お料理とのマリアージュ検討
3.ワイン教室テキスト
4.業務店で客として
5.業者が来店時持参


これらで検品・検査を繰り返しています。

1.自家消費
と言っても一般家庭とは異なる飲み方です。
異なる点は、以下a) b) c) の3点です。


 
a)同時に数本を開け、複数を比較する事によって、
   より確かなレポートを取ります。


家庭では普通、1本しか開けないと思います。
敢えて3〜5種類を同時に開けて、
それぞれの違いを確認しながら飲みます。

比較して飲む事によって、差が明確になります。
(例えばタンニン・酸味・果実味の多寡、余韻の長短、味の複雑さ…など)。
これによって、各々のワインについてより客観的な
レポートが取れるようにしています。


 
b)現実の家庭で、じっくりと時間をかけながらのテイスティングによって、
   試飲会での判断との差を検討します。


試飲会で飲むのは、一瞬の出会いに過ぎません。
じっくりと向き合い、15分・30分・1時間・2時間・3時間・4時間…
と経時変化を見つめながら、抜栓後、どのように開き
どの辺りから飲み頃になって、美しさを増すか…
この重要な情報を、残念ながら得る事ができません。

ワインの魅力を引き出し、感じ取ろうとするなら、当然に
行わなければならない事が、プロゆえにできてない場合が多いので、
それをカバーする為にもじっくりと時間をかけて試飲します。

温度計を差し込み、時計を眺めながらの作業になります。
一瞬すれ違っただけでは分からない魅力を
じっくりと引き出すための努力です。


 c)できるだけ少量ずつを飲み、残すようにしながら、
   翌日・翌々日…と状況の変化を確かめます。


15分・30分・1時間…という時間経過だけでは
まだ情報が不足しています。
翌日はどうなるだろう?翌々日は?
…翌日の方が滑らかだ!とか、3日目が凄く美味しい…
なんてワインが、実際に存在する
(と言うよりも完璧な
貯蔵を行っている私の手元のワインは結構多い
のです。

これは、一瞬の試飲会だけで探れるはずもないですし、
一日で飲み干すと、その魅力に気づかずに
通り過ぎてしまう事になります。
遅咲きの性質を持つ場合もあり、それも魅力のうち。
場合によっては10日ほどかけて、飲んでみる事もあります。

このように、数日を費やして向かい合うことにより、
ワインのポテンシャルを余す所なく受け取る努力を
しているのです。

ワインの美味しさを、抜栓後の開タイミングだけでなく、
日単位のピークさえ探り、情報として蓄積しているのです。
これが、プロとしての、趣味と実益を兼ねた自家消費。
心から「美味しい!」と言ってもらう為の密かな準備なのです。

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