フリッツ・ハークと
ウンダバー(ワンダフル)な夕食


ドイツワイン界のトップ、
ブラウネベルク村の乙女を創り出すオヤジ、
ヴィリー・ハーク氏と夕食をする機会を得ました。
その時のお話を日記風にまとめました。



フリッツ・ハーク [1] ヴンダバーなおやじの目隠し試飲 1

ワインの造り手って、気むずかし屋のオヤジが当たり前…
って多くの人は思われているでしょう。
私もそう考えていました。

ましてやそれがドイツ人で、しかも、
ゴーミヨのドイツワインガイドの最高位のオヤジ
フリッツ・ハーク醸造所のヴィリヘルム・ハークなら
なおさらです。

写真には笑顔で写ってはいるものの、
基本的には道を究める求道者の、芸術家タイプに違いない…
と考えて当然ではないでしょうか。

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   左がヴィルヘルム・ハーク。右が次男。

しかし一芸に秀でた者、そして成功した者を
偏屈と断じてしまう先入観は、
彼との夕食を共に過ごした時間によって、
間違いだった事が良く分かりました。

彼が講師で来訪していたセミナーを受けたのですが、
自らの醸造所フリッツ・ハーク(=次男が継いでます)と共に、
長男の醸造所=シュロス・リーザーのワインを同時に
テイスティングさせてくれたのです。

ドイツワイン・ファンで詳しい方はお気づきとは思いますが、
特にシュロス・リーザーのワインは、良いリースリングワインの
典型である「ゴム臭」が、どの年号・等級にも
明確に現れています。

一方、フリッツ・ハーク醸造所の方は、飲み比べると
ほとんど感じない(その香があるけどリーザーより弱め)のです。

シュロス・リーザーは、村や畑を余り表記しません。
(ドイツワインの村名+畑名…の複雑な表記が
消費者にとって好ましくない…と考えている)。、
造り手=「シュロス・リーザー」と、等級・年号だけを
多くの場合表記するようです。

それで、畑の位置を私が把握していなかったのですが、
写真で示された位置を見るとフリッツ・ハークの隣で
接している上に日照状態も近いようです。

そこで私は、多少の味の差は出るだろうが、
これほどの香の差は、何か大きな造りの差があるに違いない…
と思い、ここぞと幸い、質問を投げかけたのです。

なぜ、シュロス・リーザーのワインはゴム臭が強いのですか?
フリッツ・ハークはそれほど臭わないのに…と。
フリッツ・ハークリースリング カビネット[1997]
フリッツ・ハーク
リースリング カビネット[1997]

2,500円(税込み)

すると、そんな臭いがあるはずは無い!と言うのです。

いや、確かにあります。悪い要素でなく
良いリースリングの典型的な香です。
目隠ししてでもどちらの蔵元のワインか?
が分かります…とつい言ってしまったのです。

夕食の酒の席という事もあったのでしょうが、
ではこれは?
とブラインド・ティスティングが始まってしまいました。

ま、まずい!

  →No.2へ続く..

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