[36]見えない努力をする人〜コルク(2)
フーバーさんは語った。

「現在、コルクは代替品も含めて、色んなものが出回り始めた。
 人造コルク、スクリューキャップや、ガラス栓もポピュラーになってきたが、
 自分のワインの特性にはふさわしくないので、
 現在は、天然コルク以外は考えていない。」

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人造コルクは、瓶がそのまま使えるという利点があるものの、
長期の貯蔵には良くない…というデータが出たようだ。
ガイセンハイム大学からの報告では
シンセティック・コルクは15ヶ月で細かいヒビが徐々に入り、
時間と共に、多くの空気が流れるようになる可能性が指摘された。

ガラス栓も、長期貯蔵時の熟成については
データが揃っておらず、今のところ、
フーバーさんは自分のワインには使う気はないと断言。

スクリューは安全性が高いが、すべての研究成果が
まだ揃ってないので、やはり今のところは、使えない…
という見解。
しかしながら、良い結果が出れば、
「使う覚悟はある」とも明言。

コルク以外で、この完全主義者の目に叶うのが、
スクリューというのが、少し奇異にも思えたが、
ワインの熟成…という点だけを考えれば、正しいのだろう。

さて、天然コルクなのだが、一口にいっても価格は様々。
最も安いものは15〜20セント(25円〜33円程)で入手できるそうだ。
フーバー醸造所では徹底的にに良いコルクを使うようにしており、
具体的にはポルトガル製だそうである。
そしてそれぞれのコストが、

 ユンゲレーベン    83円
 マルターディンガー 100円
 アルテレーベン   150円
 レゼルヴェ     200円

のものを使っているのだ。

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レゼルヴェに超高品質の54ミリのコルクを打ち込むことは
自分自身の哲学的な事であり、
「理解してくれて嬉しい」…と語った。

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ただ、コルクの請求書が家に来た時は、いつもは優しい奥さんが、
ムッとした顔になるのだけが辛いそうだ。

こんなにもコストをかけていることに驚いたのだが、
それ以上に、問わなければ黙っていた事の方が驚きだった。

           
    マルターディンガー・ビーネンベルク
  [R](レゼルヴェ) シュペートブルクンダー

     54mmのコルクが使われている

やるべき事は150%やっている。
なのにおくびにも出さない。
そんな積み重ねが今のフーバー醸造所の品質を創っているのだな…
と理解した。

                 [To Be Continued...]



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