哲多ビンヤード Nr.03 哲多ビンヤード A-14 2008 シャルドネ

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哲多ビンヤード A-14 2008 シャルドネ
原料ブドウ生産者 (有)哲多ビンヤード
ヤマト葡萄酒株式会社

ワインのテイスティングをする時、色んな目的がある。
純粋に自分の楽しみ…というのであれば、気は楽だ。

でも仕事で行うとなると、意味はかなり違ってくる。
まずは、コストパフォーマンスはどうか?
ここがかなり大きな分水嶺となる。
この味で売れるかどうか…

で、売れないな、と判断すれば、
もう自分の楽しみへと転換。
しかし、これは可能性があると断じれば、
その味わいの楽しさを受け止め、
徹底的に良い部分を引き出し、
細部まで感じ取る味利きを行わなければならない。

まして、このワインの場合、造り・原料葡萄の(ポテンシャルまで含めた)良否、
そしてワインとして進んで行く場合の可能性を、
分割して、シビアに判断しなければならない。

栽培地として見た時、原料葡萄の要素は日本トップレベルだと感じた。
哲多ビンヤードの畑の傍らに、何と山梨の某有名醸造所が畑を所有し、
栽培している…という事実も、その証明になると思う。

しかし、以前哲多ビンヤードの人が、料飲店に試飲を持って行き、飲んで貰った際、
「軽いと言われた。」…と記録が残っている。
どんな料飲店かは分からないが、この丸く艶やかでバター&ナッツ風味で、
アルコール度数が十分に上がったシャルドネの事をそう表現したとすれば、
その判断は客観的に見て間違っている。

一日で、2時間余りをかけただけのテイスティングでは、
深い部分まで探っているとは言えない…と、更に翌日、飲み直してみた。
使う側の立場では(そしてワインのポテンシャルとしても)、
二日目以降に伸びるかヘタるか…は、極めて重要なファクターだ。

二日目になって、風味が落ちたという感覚はほとんどない。
むしろ昨日より空気に触れ、柑橘系のオレンジ等の香が膨らんでいる。
しっかりとしたボディや、滑らかさなど、このボトルが、悪い方向には進むことはなかった。

更に三日目も同様の展開で、余裕を持ってグラス売りができると感じた。

このワインに関して、問題があるとすればその価格だな
と思いながら、新見の社長さんの待つ場所へ車を走らせた。

———–to be continued…

石原延秋,Senior Wine Adviser,J.S.A
(c) Ishihara Nobuaki,2010