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ヴァイルがウチにやって来た [08] 氷菓 Nr.1 |
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ロバート・ヴァイルのワインが格落ちだとすれば、ほぼ最上級のこのアイスワインは、一体どんな味なのだ?
どんな世界を構築しようと言うのだろうか?
陳列されている自社アイスワインを見つめるヴィルヘルム・ヴァイル氏
セミナーで6種類のワインを飲み上げて行く時、アウスレーゼまでは、生意気を言わせて貰うならば、プロとして「想定の範囲内」だった。
しかし想定も、ギリギリのエッジまで追い込まれている。
強がりもここまでだ。
もう、指でチョンと押されれば、未知の空間に放り出され宙を舞いながらどこへ行くか分からない…
という崖っ縁に立っている。
ここから先は怖い物見たさ、その扉の向こうから現れるのは、身も心も凍り付く雪女か、それとも超ド級のモンスターか…。
そんな期待を抱きながらも、開催者側である私は、参加者にその液体を注いで回りながら、興奮を抑えるしかない。
しかし参加した人たちも、横に立つだけで心が激しく動いていたのが良く分かった。
ボトルからグラスへ…
ゆったりと壁面を覆いながら降りてくる足は、これから始まるヴァイル劇場の幕か…。
キートリッヒャー グレーフェンベルグ
アイスワイン[2004]
ハーフボトル 375ml
なんと優雅に、そして厳かな動きだろう。
時間の流れが緩やかになったような液面の揺れ方。
その波間から立ち上がる香の嵐。
次々と注がれたグラスから湧き起こるパーフェクト・ストーム。
会場は亜空間へとトリップしていくかのようだった。
[To Be Continued...]
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