06-09-05プリ・フィロキセラのボルドー・ワイン

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19世紀後半、ヨーロッパのワイン産地は
フィロキセラ禍により壊滅状態となりました。

米国原産の害虫→葡萄根アブラ虫に
根をアタックされると、葡萄樹は
朽ちて死ぬのです。

この虫の始末の悪さは、
多種の生態サイクルを持つ事です。
一生土の中で生活したり、樹上に出てきたり、
羽が生えて飛んだり…と、
弱点を見つけたような気になっても、
生き延びる別の道を辿り、蔓延するのです。

10kmどころか100km先の畑で
フィロキセラが見つかれば、もう自分の畑を
諦めなければなりません。
余りに葡萄樹を引き抜き続け、当時のマキの値段が
暴落したという悲しい記録も残ってます。

ありとあらゆる手段を試し、この虫の
抹殺を望んだ人間の意志に反して
最終的に有効と認められたのは、皮肉にも共存。
米国産の葡萄樹の土台に、ヨーロッパ種を
接ぎ木する手法でした。

米国産の葡萄樹は、フィロキセラと
共存してきたので、アタックされた場所に
コブを作って自らを守り、
根枯れを起こさないのです。

これによってヨーロッパのほぼ全土の
樹の土台が、米国産となってしまいました。
味が変わってしまったと言う人と、
変わらなかったと言う人がいました。
どちらが正しいかは分かりません。

が、この害虫から免れた場所があり、そのワインを今、
飲めるとすれば、チョッと試してみたいのは私だけ?
しかもワインの中心地=ボルドーに…です。

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メドック地区のマルゴー村からジロンド川を望むと、
島が見えるのです。
緑の島(リレ・ヴェルテ)と呼ばれる
この中洲に葡萄畑があり、
収穫された葡萄は小舟によって運搬されるのです。

隔絶された地理環境から、
ヨーロッパ伝統の樹(プリ・フィロキセラ)が
産み出すワインを今でも楽しむ事ができるのです。

さらにこの造り手は、2種類を造っていて、
こちらは、樽を使わず、タンク熟成させたもの。

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イル・ヴェルト
マイ・オールド・ヴァイン
[2000]ミシェル・ゴネ

こちらは樽で十分に熟成させたものです。

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イル・ヴェルト
ニューチャード・イン・バレル
[2000]ミシェル・ゴネ

ノンフィルターのせいか、外観は
やや曇りがありますが、黒胡椒やクローヴのスパイシーさ、
黒いベリーなどの果実香が溢れています。

立ち上がりは強く、飲み応えがあり、
フルに近いミディアムボディ、
空気に触れ、温度が上がるに従って
風味が豊かでバランスが良くなっていきます。

温度は17℃以上、19世紀の昔を夢見ながら
脂ののったお肉と共にどうぞ。

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