09-0717 睥睨する黒

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2007 マイヤー・ネイケル シュペートブルクンダー “S”

Meyer-Nakel Spatburgunder ‘S’ Qualitatswein

c0178330_9205016ドイツワインガイド・ゴーミヨ2004年版で
「その年の生産者」に選ばれたマイヤー・ネイケル。
伝統的に赤が多いアール地方とはいえ、
栽培面積の75%がピノノワール。
ドイツお得意の白葡萄=リースリングに至っては、
ドルンフェルダー(赤)と合わせても5%にしかならない。

最初からピノノワール一直線。
ストイックさに加えて、どこかしら近寄りがたい雰囲気、
年号の下に記された“S”の文字は、金バッジのごとく
威嚇し、睥睨する。

transporter3_poster1正直言って、このワインこそが、
トランスポーター3の主人公、
フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)
のイメージに最も近いように思って試飲をスタート。

対決は、初対面の2007年。
グラスを傾ければ、エッジは少し薄め、中心は黒っぽい。
出荷間もないからだろうが、ピノノワールとしては標準的。

c0178330_9502714香は、まず、樽・下草・ヨード・ヴァニラ。
赤い果実。上品なイチゴ。可愛らしいチェリー。ハーブ。
もっと果物…メロンなども。
さらに気持ちの良い焦臭。
香気成分が湧き立つ。

舌触りの角がなく滑らか、タンニンも角が取れ丸いので
するすると口に入り喉を越そうする。
しかし、アルコール度数は14%表示されている通り、
酔いが後から追いかけてくる。
風味の中に塩辛さにも似たミネラル分。
これはきっと土壌に起因しているのでしょう。

味わいの複雑さは他の追随を許さない。
アフターテイストも豊かで、余韻も極めて長い。

この複雑さ、馥郁たる香、緻密さ、文句無し。
引き込まれるようなピノの魔力、その封印を解くのは、
一瞬のアクセルワークでなく、腰を据えた対応が必要かも。

トランスポーター3の主人公は、
BMWに乗ったり、アウディーに乗ったりする。
でもなぜか、メルセデスには乗らない。
敢えて言うなら、これは、ベンツに乗ったフランク・マーチン。
カッコ良いけど、少しイメージがずれる。

美味しさと迫力は最高だけどなぁ…。

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