06-0823魅力的なスペインワイン [01] カーサ・グアルダ・クリアンサ

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濃かった。
太陽にローストされた葡萄の余裕の造り。
柔らかで目の詰まったタンニン、そして豊かなボディ。

あふれ出す果実味。
噛みしめられる…と表現したい旨味。

時の流れを凝縮。
3年そして5年、時には10年の貯蔵物と多く出会い、
時の流れの意味が分かったような気がしました。

樽使いの贅沢さ。
アメリカン・オークの甘い香に魅せられ、
時としてフレンチ・オークのスパイシーさも楽しめ、
貯蔵に伴う味の丸さと艶やかさを堪能できたのです。

何よりも、安価。
品質と内容の高さに比べて、価格は間違いなく安かった。

こんなスペイン美女達の、抜け出せない魅力にハマり込み、
私は次々と飲み漁りました。
飲めば飲むほど、流砂の奥へ落ちていく。
そんな退廃的な世界に酔い痴れる日々。
お前達さえ居てくれれば、と、
本心から思っていたのに…

気づいてみれば、いつの間にかお高くとまってる。
時の流れを経た、優しい丸さを持った者は居なくなった。
濃さがあれば熟成感がなく
樽の匂いが強ければ果実味が少ない…

昔のあの感触が忘れられず、同じ味香を求めたらならば
6~7年前の数倍を支払わねばならない。
この現実を簡単に受け止める事ができず、
違う世界に生きようとし始めました。

スペインの美女達の夢は覚めぬまま、
イタリアや南仏へと旅してしまったのです。

しかし常に心の中にあるのは、
あの乾いたメセタ平原、
村人330人全部が農協メンバーという
ラ・マンチャ農協が品質を求めて結成した
カーサ・グアルダ。

もとは農家から買い上げて樽で売るのが主流の農協。
だからほどほどの安ワイン。
それを一新、最上の品質を目指すことにしたのです。

葡萄は天と地からの恵み、その収穫物を
ぞんざいに扱う者が、自分の郷土を愛していると
言えるはずもないから。

グアルダは、スペイン国旗の黄色、
そして山の小さな家々の色、
風土に根ざした懐かしさを感じさせる色彩。
郷土とワインへの思い入れがあるかこそ
この名の下に集結したのです。

十分な濃度、熟してねっとり…と例えたいほどの果実味は、
葡萄を贅沢に詰め込んだ証です。
香に様々な果実や甘い樽香に加えてタールまで表れるのは、
スペインの代表品種=テンプラニーリョの古木と、
フランス系のカベルネソーヴィニヨンを巧みに
ブレンドしたからでしょうか、
それとも豊作年ならではの土味香…。


カーサ・グアルダ
クリアンサ[1997]

余韻の長さを楽しんでは次を注ぐ、
ついもう一杯を繰り返してしまいそうなワインです。

こんなワインを、じっと抱えていた私の姿は
傍らから見れば愚か者?
いえそれでも良いのです。
私の低温セラーこそは愛馬ロシナンテ、
美味しさ求めて戦うあなたの為に、
喜んでサンチョパンサになりましょう。

いざ参りましょう。
美味しさを隠している怪物へ一槍!

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