07-0417ニーロン2005年 [04]ヴェルジェが人気?

2004年のニーロンのワインの、村名と1級4つ
レ・ショーメ
レ・シャンガン
クロ・ド・ラ・マルトロワ
レ・ヴェルジェ
は、昨年、ワイン教室で水平試飲して、意見を求めてみた。

村名でも突出して美味しいのだが、
一級はやはり驚くべき凝縮感。
新樽の使用比率が低めなのでリリース直後から飲めるのが
ニーロンの良い所。

もちろん、熟成させれば美味しさが
伸びてくるのは間違いなさそうだけど
意固地になって熟成させなければ…と言い張る必要はなく
若い内から分かり易いのが魅力の一つ。

柑橘とバター、こってりとすっきり
ナッツと蜂蜜、香ばしさと滑らかさ…

ワイン教室の中級で生徒さんに判断して貰った結果は…
(僅差である事をまずお断りして)
4品目の中で、最も人気を得たのはレ・ショーメ。
やはり最も樹齢が高い…という点がテイスター達に受けたのだろう。
           
  シャサーニュ・モンラッシェ 
  プルミエール・クリュ レ・ショーメ [2004]
    ミッシェル・ニーロン

        7,830円 (税込)

二番目はクロ・ド・ラ・マルトロワ、
           
  シャサーニュ・モンラッシェ
  プルミエール・クリュ クロ・ド・ラ・マルトロア [2004]
   ミッシェル・ニーロン

        7,830円 (税込)

三番手にレ・シャンガンとレ・ヴェルジェが並ぶ…
                       
 シャサーニュ・モンラッシェ   シャサーニュ・モンラッシェ
  プルミエール・クリュ        プルミエール・クリュ
  レ・シャンガン [2004]      レ・ヴェルジェ [2004]
  ミッシェル・ニーロン         ミッシェル・ニーロン

    7,830円 (税込)        7,830円 (税込)

という結果になった。(再度申し上げれば僅差。一級はどれも凄い)

しかし今年、お客様から「レ・ヴェルジェが最も人気が高い」と聞いた。
昨年の試飲では、ヴェルジェはレ・ショーメの後塵を拝した
結果だったのに…?。
確かにすばらしいワインだけれど、少なくとも
他の1級より突出したという印象は無かった。
なぜ人気が高いのだろう?と不思議に思った。

が、理由らしきものが判明した。
ロバート・パーカー・Jr.が彼の著作“ブルゴーニュ”で
以下のように書いたせいではないだろうか。

「蜂蜜のように芳醇なシュヴァリエ=モンラッシェと、
 バタール=モンラッシェの入手には大金を要するが、
 1級レ・ヴェルジェはほとんど引けをとらぬ品質 のうえ、
 値段はその何分の1かである。」

絶大な影響力のある彼がこう言ったのだから、
ヴェルジェの人気が出るのは当たり前だ。
しかし、同じ本に、マルトロワなどを“僅かに造っている”
としか書いておらず
他の1級を、このブルゴーニュの出版時に
どの程度飲み比べているか…は疑問の残る所。

もし、本当に、すべての一級と特級を同時に試飲していたすれば
多分、「1級レ・ヴェルジェ」の部分が、「彼の造るほぼすべての1級」
置き換わっていたのではないか…と私は思う。

いずれにせよ、彼が書いた事により、アメリカ市場からの引き合いが
異様に多くなるのは想像に難くない。
その為、“品質が高い”でなく、“人気がある”という
伝わり方をしたのだと私は想像している。

実際の比較試飲では、1級はどれも超高品質であり、
その品質差は僅少と判断できるもの…
どれを飲んでもニーロンなら楽しめる(私なら、まずレ・ショーメから)
と言うことができる。
                           [To Be Continued…]

07-0411ニーロン2005年 [03] 扱う人間に課せられる戒め

買う側としては、特級だけが欲しい…
という気持ちはよく理解できる。
しかし、需要と供給バランスから、
その望みは残念ながら叶う事はなさそうである。

今回、私が仕入れを決意した途端に
注文が入り、荷物が届く前に
どう設定しようか…と考えている特級セット
(お客様向→特級1本 + 1級の各畑1本計4本 + 村名1本)
が売り切れてしまった。
商品が到着する前に…である。

2004年の時、特級を単体でそのまま出したら、
僅か三分後に2本とも完売…という状況になった。
後に1級と村名のワインが多く残ってしまった。
村名でさえ突出したワインだけど、これらを求める人ならば
どうしても特級へと気持ちが動くのだろう。

今年はその数量的な失敗を繰り返せないので
特級には抱き合わせ…というのは
販売側として仕方のない事だと考えていた。

しかし今年は、仕入れた物が到着する前から、
完売…ということで、2005年の人気の高さを感じている。

裏事情を申し上げるならば、当店向けに
バタール・モンラッシェの方が少なくて1本。
シュヴァリエ・モンラッシェは2本が供給される。

語句の印象から、昨年まで、
庶子(バタール)より、騎士(シュヴァリエ)の方が
売り易いような気がしていたが、
実質的にはバタールの方が希少。
しかし今年は、そんなこと考える暇もなく完売。
2005年の人気の高さに驚いている所である。

           
     シャサーニュ・モンラッシェ
  プルミエール・クリュ レ・シャンガン
  [2005]ミッシェル・ニーロン

      価格 9,200円 (税込)

売る側に立った私は、残念ながら、
ニーロンの特級に関しては、飲めない立場となった。
いかにファンであっても、このセットは崩せない。
これは、「商品には手を出すな」…という
扱う人間に課せられる戒めだと理解するしかない。

ニーロンの特級を飲む、それは将来、
今の仕事を引退して、フランスに旅行に行けたら
蔵元を訪問し、必ず実現したい。

そんな思いを込めて、今はこのワインをお求め下さった方に
最高のコンディションでお届けできるように努力を重ねる。

未来のいつか、ミッシェル・ニーロンに逢えたなら私は言う。
「あなたのワインを最高の扱いで顧客に届け続けたのが私の誇りだ。
 そしてその顧客は、あなたのワインを最高と認めて下さった人だけだ。」
…と。

多分、特級の1杯ぐらいは飲ませて貰えるのでは…と願っている。

                           [To Be Continued…]

07-0410ニーロン2005年 [02]相変わらずの抱き合わせ販売

毎度お馴染みの抱き合わせ販売。
特級1本に対しちょっと驚くべき量の
村名と1級が数ケース単位で絡んでくる。
トータル金額は通常仕入と比して桁が二つ上がり、
仕入れる資金も結構辛い。

しかし、この高いハードルこそが
ニーロンのシャサーニュを入手できるかどうか…の分かれ道。
資金が苦しくて迷う者には、手にできない天上の雫。

この蔵元のワインならば、
村名でさえも尋常ではない領域、一級ならなおさら…である。
それは、自分なりに一生懸命に書いたはずの解説が
無力に感じてしまうほど。

高価だけれど、村名だけでも
機会があれば飲んで損は無いワイン、
それがニーロンのシャサーニュなんだ…
と私自身は信じている。

今回、特級セット(特級1本 + 1級4本 + 村名1本)を、
お買い上げ下さり、
さらに村名を、2本追加してお買い上げ下さった方が居た。

特級を飲み、1級が飲め、村名も1本入っているにも関わらず、
さらに村名を追加して御買い上げ下さった事が、
この造り手の優秀さを如実に表しているのは間違いない。

そして、その味わいを深く知り、十分に楽しまれているこの方に、
ニーロン好きを自負する私が、感服せざるを得なかった。

0206_11
シャサーニュ・モンラッシェ ブラン
[2005]ミッシェル・ニーロン

価格 6,000円 (税込)

エンスージャストは増えていく。
生産量は古木と低収量を求める理想主義ゆえに下がっていく。
当然、価格は上がっていく。
村名さえも遠い存在になる前に
何とか飲んで頂きたい絶品、それがニーロンのワインなのである。

[To Be Continued…]

07-0407ニーロン2005年 [01]お客様に背を押され…

昨年、ファンである自らの思いを込めて
ニーロンのワインについて書いてみた。しかし、
自分が思ってたよりも、反応は少なかった…
というのが本音。

自ら味わい続けてみて、これほどの領域のワインは少ないし、
世界の名だたるテイスター達も
至上の評価を与えているというのに…。
反応の弱さに、少し不満を感じざるを得なかった。

しかし、本物を知る人たちは、
私の思索を超えた領域で、熱く動いている事を
今になって知らされる事になった。

今年リリースの2005年、超豊作年と巷で噂しきり、
ファンならずとも心動くのだが、
残念ながら2004年の在庫が、手元にはまだ少し残っている。
村名は2003年の在庫もある。
0206_10
シャサーニュ・モンラッシェ ブラン
[2003] ミッシェル・ニーロン

5,850円 (税込)

ユーロ高と豊作を要素として、
2005年のニーロンのワインが高騰するのは間違いない。
ならば仕入れるかどうか?…という、
商人としては至極当然の考慮に追い込まれていた。

一ファンとしては2005年を買いたく、そして飲みたいのだが、
仕入れるには1ユニットを購入する必要がある。
それは小さなワイン屋にとって、
清水の舞台から飛び降りるような決心を要求される金額と本数。

売れるかどうか…という曖昧な目算ではなかなか難しい。
故に逡巡から抜け出せない状態だった。

そんな時、注文が入った。
2005年を買いたい…と。
それも二件続けて。
仕入を迷っていた私の背中は、お客様の熱い思いによって押される形になり、
2005年のニーロンを仕入れる決意を固めた。

[To Be Continued…]