2004年のニーロンのワインの、村名と1級4つ
レ・ショーメ
レ・シャンガン
クロ・ド・ラ・マルトロワ
レ・ヴェルジェ
は、昨年、ワイン教室で水平試飲して、意見を求めてみた。
村名でも突出して美味しいのだが、
一級はやはり驚くべき凝縮感。
新樽の使用比率が低めなのでリリース直後から飲めるのが
ニーロンの良い所。
もちろん、熟成させれば美味しさが
伸びてくるのは間違いなさそうだけど
意固地になって熟成させなければ…と言い張る必要はなく
若い内から分かり易いのが魅力の一つ。
柑橘とバター、こってりとすっきり
ナッツと蜂蜜、香ばしさと滑らかさ…
ワイン教室の中級で生徒さんに判断して貰った結果は…
(僅差である事をまずお断りして)
4品目の中で、最も人気を得たのはレ・ショーメ。
やはり最も樹齢が高い…という点がテイスター達に受けたのだろう。
シャサーニュ・モンラッシェ
プルミエール・クリュ レ・ショーメ [2004]
ミッシェル・ニーロン
7,830円 (税込)
二番目はクロ・ド・ラ・マルトロワ、
シャサーニュ・モンラッシェ
プルミエール・クリュ クロ・ド・ラ・マルトロア [2004]
ミッシェル・ニーロン
7,830円 (税込)
三番手にレ・シャンガンとレ・ヴェルジェが並ぶ…
シャサーニュ・モンラッシェ シャサーニュ・モンラッシェ
プルミエール・クリュ プルミエール・クリュ
レ・シャンガン [2004] レ・ヴェルジェ [2004]
ミッシェル・ニーロン ミッシェル・ニーロン
7,830円 (税込) 7,830円 (税込)
という結果になった。(再度申し上げれば僅差。一級はどれも凄い)
しかし今年、お客様から「レ・ヴェルジェが最も人気が高い」と聞いた。
昨年の試飲では、ヴェルジェはレ・ショーメの後塵を拝した
結果だったのに…?。
確かにすばらしいワインだけれど、少なくとも
他の1級より突出したという印象は無かった。
なぜ人気が高いのだろう?と不思議に思った。
が、理由らしきものが判明した。
ロバート・パーカー・Jr.が彼の著作“ブルゴーニュ”で
以下のように書いたせいではないだろうか。
「蜂蜜のように芳醇なシュヴァリエ=モンラッシェと、
バタール=モンラッシェの入手には大金を要するが、
1級レ・ヴェルジェはほとんど引けをとらぬ品質 のうえ、
値段はその何分の1かである。」
絶大な影響力のある彼がこう言ったのだから、
ヴェルジェの人気が出るのは当たり前だ。
しかし、同じ本に、マルトロワなどを“僅かに造っている”
としか書いておらず
他の1級を、このブルゴーニュの出版時に
どの程度飲み比べているか…は疑問の残る所。
もし、本当に、すべての一級と特級を同時に試飲していたすれば
多分、「1級レ・ヴェルジェ」の部分が、「彼の造るほぼすべての1級」と
置き換わっていたのではないか…と私は思う。
いずれにせよ、彼が書いた事により、アメリカ市場からの引き合いが
異様に多くなるのは想像に難くない。
その為、“品質が高い”でなく、“人気がある”という
伝わり方をしたのだと私は想像している。
実際の比較試飲では、1級はどれも超高品質であり、
その品質差は僅少と判断できるもの…
どれを飲んでもニーロンなら楽しめる(私なら、まずレ・ショーメから)
と言うことができる。
[To Be Continued…]