長編記事 総合インデックス[index]

連続物になった話題は、以下にリンク表を作りました。このページから飛んで下さい。

マリアージュ(食事会)

テイスティング

訪問

ストーリー

映画タイアップ

10-0110 サヨナライツカ イメージワイン探求 index

SAYONARA ITSUKA
サヨナライツカ イメージワイン探求 index

一瞬の恋が、一生の愛へとつづく。

100114_05真中 沓子 のイメージワイン 1.探索

真中 沓子 のイメージワイン 2.邂逅

真中 沓子 のイメージワイン 3.展開

東垣内 豊 のイメージワイン

Vin LePin倉敷は、サヨナライツカ の協賛キャンペーンを行っています。
キャンペーンは終了いたしました。

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10-0108 サヨナライツカ その3

SAYONARA ITSUKA
一瞬の恋が、一生の愛へとつづく。

100114_01踏み外すことなく、一つずつ積み重ねていく。
順風満帆とは、その努力を知らぬ人達の嫉み。

分かれ道では、周囲の評価の得られる方を選ぶ。
『好青年』とは間違いのない選択を
繰り返してきた者への称号。

秘かに、力と知識、そして経験を蓄えていく。
その裏打ちを自信として進む人生の道。

100114_02門の向こうに続く並木道。
目指すのは…遙か向こうに見え隠れする宮殿。

日陰もあれば逆風も吹くだろう。
しかし、陽の当たる場所を、そして足下の良い所を
着実に踏みしめて進みたい。

困難や誘惑、不運や妨害があったとしても
めげず、諦めず、目的に向けて着実に進む。
それこそが『好青年』の生き様。

何があっても、生き様を貫く自信はあった。
上司の命に背いたのも、より良い結果を
つかみ取る自信があったから。
そして結果さえ出せば、認めてくれる確証があったからだ。

100114_03しかし、この女、出逢った瞬間から
こちらをコントロールした。
それが当たり前であるかのような動き、
言葉。振り回されるしかない自分の歯がゆさ。

これが本当の自分なのか…と抗う気持ちさえ
蕩かせてしまう魔力。

負けない。負ける訳にはいかないのだ。
元の世界に戻る。
そして宮殿の前に立つ。
振り向いた時、見えるものは…

100114_04グラスに注げば、美しいルビー色。
綺麗な色合いで、足にも色が見えるるほどの濃さ。
香は、レッドカラントやチェリー、そして黒系果実が追いかけてくる。
クレバーに配された焦げ臭。
華麗さとほろ苦さ…まるで人生の縮図を
見せてくれるような気さえする。

嫌味のない酸は、少し強いが美しく、
程良い旨味と、深い味わい。

必要十分な、ミディアムちょい重めのボディは、
美味しさのツボを押さえ楽しませてくれる。
これはまさに優等生のワイン。

振り向いた時に見えるもの、
それは 本当の愛 であると思いたい。

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10-0107 サヨナライツカ その2

SAYONARA ITSUKA
一瞬の恋が、一生の愛へとつづく。

100113_05100113_06職場まで平気で電話してくる強引さ。
憶することもない、誘い。
俺は優等生だ!と抗えば抗うほど
押し倒され、波打つ髪の波間に
溺れる自分の姿を見ることになる。

押し切られる自分の弱さを楽しむ…
そんな開き直りが心の中に生まれた頃、
違う姿の彼女が見えてくる。

100113_07自分に潜む色んな部分…
優等生の皮を剥がれ、
核心に迫り来る。

その行動を受け容れた時、
見えた彼女の本当の姿。

これは難題だ…。
と苦しみを抱えながら探す私の前に、
真中沓子のイメージそのままのワインが
偶然現れるから、人生は面白い。

実際、ここまでの経験では、記憶データの中で
最もイメージに近いのが(不思議だが…)
シャトー・デュクリ・ボーカイユの2004年。

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10-0106 サヨナライツカ その1

SAYONARA ITSUKA
一瞬の恋が、一生の愛へとつづく。

100113_01映画が好きでたまらなかった。
だが、それに関わる仕事に就くほどの
冒険心は無かった。

そして全く違う分野であるワイン屋になった自分が、
今になって映画に関わる仕事ができるなど、
思っていなかっただけに、
配給会社からの依頼に、心が躍った。

試写会に出かけ、イメージのワインを選出する…
という、夢のような仕事だ。
自ずと気合いが乗って、肩に力が入り、
勢い込んでいる自分の姿に年を考え少し失笑。

100113_02今回、イメージを絞り込むのは、
中山美穂演じる主人公=真中沓子のイメージ。
強引。
正体が蟻地獄と分かっても、引きずり込まれる。
有無を言わせぬ仕草の裏に、圧倒的な自信。
光に透ける肢体は、理性を蕩けさせる溶解剤。

支配を欲し、自分の道を進もうとする男が、
絡め取られてしまう屈辱、いやそれを
快感に感じさせるほどの存在。

100113_03破滅さえ見え隠れするセクシーさを見せつけられては、
やはりマルゴーの系譜か?とパヴィヨン・ルージュを選んでみる。
2007年。

普段の年より少しスリムなこのヴィンテージ。タイトな曲線が
沓子のイメージをトレースするかと思いきや、
どうもソリが合わない。描く曲線が違う。
これではないなぁ。

100113_04そこで、もう少し下流域であるサンテステフ村。
愛の化身、カロンセギュールの一族を引き出してみた。
ラ・シャペル・ド・カロン 2002年。

美味しい!極めて美しいが、
しなやか過ぎる。こんなに柔らかではいけない。
これも違う。

もっと強引でなければ。
かと言って、エッジがガチガチに立った味では、
沓子のイメージから離れてしまう。

これは思いの外、難しい選択になる…と、
グラスを置いて考え込んでしまった。
———–
to be continued…

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【映画】トランスポーター3 アンリミテッド【全7回】[index]

ワインを飲む。
その液体から伝わってくる情熱を
お客様に伝えるのが私の仕事。

異性に喩えてみたりする。
音楽のイメージをなぞらえるて語ることもある。
絵画のモチーフと重なれば、心の動きを
シンクロさせ表現する。

ワインの持っている内容を
お客様に向け伝える為に、デバイスを使い分けるのだが、
逆に、
「このイメージのワインはないか?」
と問われる事がある。

今回は、プロとして依頼されたこの仕事、
特に気合いを入れて取り組んでみた。

09-0714トランスポーター3 アンリミテッド

09-0715 確実、そして大幅な進歩

09-0716 300km/h+αでなければ…

09-0717 睥睨する黒

09-0718 美味しいけれど、違う…

09-0722 これで、決まり!

09-0723 ヴァレンティーヌに首ったけ

09-0723 ヴァレンティーヌに首ったけ

2007 コート・ド・プロヴァンス ロゼ
シャトー・レ・ヴァレンティーヌ
Cotes De Provence Rose
Chateau Les Valentines

transporter3_poster1トランスポーター3アンリミテッドに登場する
イメージをワインで表してみる…。
フランクマーチンは、やっとのことで探し当てた
ザルヴェイのシュペートブルクンダー。

c0178330_08655ならば、謎の美女、ヴァレンティーヌは?
…と迷う必要なく、運命の導きのような
ワインが存在していました。

それは、ラストシーンに近い所で台詞に登場する
南フランスのプロヴァンスのワイン。
女性だからロゼ…なんて単純な展開ではありません。

c0178330_03336海に近いこの地方、当然ながら魚介料理がたくさん。
魚の香を和らげ、調和させるように
陽をしっかり受けたハーブ類を巧みに使います。

サフラン、シナモン、タイム、バジル…
そんな香を基底に織り込んだような
ロゼワインが多く造られているんです。

c0178330_0302659南仏・プロヴァンスに行ったら、まずは魚介類。
この地なら、白でなくて、ロゼ。
彼女の頭がロゼ色してるからこのワイン!
という訳でなく、実はそのまんまの
名前の作り手が居るんです。
リーズナブルな価格が多いプロヴァンス・ロゼとすれば、
少しだけ高価ですけどね。

c0178330_0301368でも、ヴァレンティーヌ。
この美しくもミストラルのような激しさ、
それでいて気品も兼ね備えているイメージ…となれば、
このシャトー・レ・ヴァレンティーヌしかありません。
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サーモンピンクはクリアー、
吸い込まれてしまいそうな
彼女の瞳のよう。
香は、フレッシュ・フルーティー。
白い花や洋梨、メロンやフルーツ。
どれも程良くバランスしながら絡み、
奥に隠れてるハーブのアクセントが個性的。

c0178330_0303963味わいが複雑なので、飽きなくて楽しい。
旨味もけっこう多く、お料理に合わせて
飲んでみたいスタイル。

辛口、繊細な外観ながらも、やはり力強さを感じる。
樽などの修飾がないのは、肌におしろいを塗らず、
そばかすを浮き立たせている姿そのもの。

きっと、ヴァレンティーヌ。
肩を抱いてみたいと思う。
手を焼く強さ、気難しくワガママ、
その中に秘めた可愛らしさと繊細さ。
彼女の心の奥の、太陽への願望を満たす事ができる…。

彼女に恋したらこのワイン。
美味しさ間違いなし。

09-0722 これで、決まり!

2007 ザルヴェイ シュペートブルクンダー トロッケン
ヴァイングート・ザルヴェイ
Salwey Spatburgunder Trocken Weingut Salwey

c0178330_1916621映画で展開されたイメージから
その主人公のイメージを捜していく…
これは想像力の勝負。
思い込みを現実にしていく世界。

自分の中で構築されたカッコ良さが、
味わい・香となって、現実に受け止められ、
納得できれば良し。
できなければ答を求めて繰り返すしかない。

transporter3_poster1ということで、トランスポーター3の主役
フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)
のイメージのワインを捜して、それらしきワインを飲み続け、
かなり目星をつけていたのに10本を越える事になろうとは…。

c0178330_2085946頭封を外したコルクのヘッドには、
カビが生え、良い貯蔵の証明、この時点で期待大!

が、栓を抜いて愕然。これは東欧かぃ!?
ショックを隠せない。いくらコルクが高くなっても、そして
長期の貯蔵の必要がなくても、これは無いよな…と思える短さ。
(↓上側がこのワイン、下側は良質なボルドーワインのコルク)

c0178330_2084289グラスに注げば、やや薄めの赤、しかし中心部分に、
少し紫のトーンがあり、ピノノワールとして標準的。

初め、微弱発泡を感じ、赤系の可愛らしい果実味。
揺すっていると下草、ヨード、古樽の印象も。
10分ほどでそこそこ開き、オレンジの皮の風味。
ハーブとスパイスも絡み、茹で小豆も存在、
質の良いピノノワールの定番とも言える仕上がり。

ボディはミディアムより僅かに軽め、しかし決して
薄いのではなく、剛性と柔軟性を確保しながらの軽さ。
旨味多く、たおやかな風味が心地良く迫ってきます。

巧みな樽使いは古い樽?喉越しがするすると良すぎて
つい飲み過ぎてしまう。
軽めな味わいながらも余韻はしっかりと伸び、
アフターテイストも豊かで、心地良い苦みが引き締めます。

c0178330_12271858このイメージだ!
どこかしら清楚でストイック。
そう感じると、短いコルクは、車の軽量化・チューニングにも似た
無駄を省いた姿かも…なんて思えてきました。

お料理に合わせて、色々楽しんでみたい。
派手さはなくても美味しさが確実にあって、
気がつくと、自分で驚くほど飲んでしまうワイン…

このハマり感、フランク・マーチン。
グラスの向こうから駆けてくる。

09-0718 美味しいけれど、違う…

2006 ロルッヒャー・カペレンベルク
シュペートブルクンダー Q.b.A トロッケン
カール・オッテス
Lorcher Kapellenberg Spatburgunder Q.b.A Trocken
Weingut Karl Ottes

c0178330_23174356カール・オッテス。近年評価急上昇。
その生き生きとしたリースリングを飲めば、
人気の高さも納得できます。

でもそれだけ白の造りが上手だからこそ、
赤の方には期待をしていなかった…
というのが本音。
オールマイティーな造り手なんて、
そうそう居るハズはないから。

グラスに注げば、色は薄め。しかし中心部分には
黒っぽさと紫を感じる色合い。
香はドイツのシュペートブルクンダーならでは。
赤い果実、茹で小豆はお約束ながら、
焦げて香ばしい風味。下草、ヨード。
オレンジ、苦みが締まる風味。
そして、微弱発泡が仄かに隠れています。

c0178330_23412194舌触り滑らか。丸さがあるのは、
ほんの僅かの甘みがそう感じさせるのか…。

ライトボディ。でも決して味が薄いのではない。
スルスルと喉を落ちていく曲者。
旨味はいっぱい。
心地良い苦み・締まりへと味の曲線はつながっていく。

樽の風味が味の要素を豊かにしている。
飲み残して、二日目になって、冷蔵庫に入れていた温度から飲み始め。
すると、一段と美味しい!
間違いなく美味しい。
昨日は、甘さが気になる…と言ってた傍らのソムリエも
今日の方がおいしい!と言ってます。

transporter3_poster1で、目的とも言うべき、これ。
トランスポーター3の主人公、
c0178330_0302659フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)
のイメージ?と問われたら全く違います。

むしろ、したたかに生き抜く女性のような、
潰れそうで、実はそこから実力を発揮…という
芯の強さを持っているワイン。
どちらかと言えば、この映画のヒロインの
イメージに近かった…かな?

09-0717 睥睨する黒

2007 マイヤー・ネイケル シュペートブルクンダー “S”

Meyer-Nakel Spatburgunder ‘S’ Qualitatswein

c0178330_9205016ドイツワインガイド・ゴーミヨ2004年版で
「その年の生産者」に選ばれたマイヤー・ネイケル。
伝統的に赤が多いアール地方とはいえ、
栽培面積の75%がピノノワール。
ドイツお得意の白葡萄=リースリングに至っては、
ドルンフェルダー(赤)と合わせても5%にしかならない。

最初からピノノワール一直線。
ストイックさに加えて、どこかしら近寄りがたい雰囲気、
年号の下に記された“S”の文字は、金バッジのごとく
威嚇し、睥睨する。

transporter3_poster1正直言って、このワインこそが、
トランスポーター3の主人公、
フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)
のイメージに最も近いように思って試飲をスタート。

対決は、初対面の2007年。
グラスを傾ければ、エッジは少し薄め、中心は黒っぽい。
出荷間もないからだろうが、ピノノワールとしては標準的。

c0178330_9502714香は、まず、樽・下草・ヨード・ヴァニラ。
赤い果実。上品なイチゴ。可愛らしいチェリー。ハーブ。
もっと果物…メロンなども。
さらに気持ちの良い焦臭。
香気成分が湧き立つ。

舌触りの角がなく滑らか、タンニンも角が取れ丸いので
するすると口に入り喉を越そうする。
しかし、アルコール度数は14%表示されている通り、
酔いが後から追いかけてくる。
風味の中に塩辛さにも似たミネラル分。
これはきっと土壌に起因しているのでしょう。

味わいの複雑さは他の追随を許さない。
アフターテイストも豊かで、余韻も極めて長い。

この複雑さ、馥郁たる香、緻密さ、文句無し。
引き込まれるようなピノの魔力、その封印を解くのは、
一瞬のアクセルワークでなく、腰を据えた対応が必要かも。

トランスポーター3の主人公は、
BMWに乗ったり、アウディーに乗ったりする。
でもなぜか、メルセデスには乗らない。
敢えて言うなら、これは、ベンツに乗ったフランク・マーチン。
カッコ良いけど、少しイメージがずれる。

美味しさと迫力は最高だけどなぁ…。