09-0815したたかに生き抜く女性のような…

2006 ロルッヒャー・カペレンベルク
シュペートブルクンダー Q.b.A トロッケン
カール・オッテス
Lorcher Kapellenberg Spatburgunder Q.b.A Trocken
Weingut Karl Ottes

100225_37カール・オッテス。近年評価急上昇。
その生き生きとしたリースリングを飲めば、
人気の高さも納得できます。

でもそれだけ白の造りが上手だからこそ、
赤の方には期待をしていなかった…
というのが本音。
オールマイティーな造り手なんて、
そうそう居るハズはないから。

グラスに注げば、色は薄め。しかし中心部分には
黒っぽさと紫を感じる色合い。
香はドイツのシュペートブルクンダーならでは。
赤い果実、茹で小豆はお約束ながら、
焦げて香ばしい風味。下草、ヨード。
オレンジ、苦みが締まる風味。
そして、微弱発泡が仄かに隠れています。

100225_38舌触り滑らか。丸さがあるのは、
ほんの僅かの甘みがそう感じさせるのか…。

ライトボディ。でも決して味が薄いのではない。
スルスルと喉を落ちていく曲者。
旨味はいっぱい。
心地良い苦み・締まりへと味の曲線はつながっていく。

樽の風味が味の要素を豊かにしている。
飲み残して、二日目になって、冷蔵庫に入れていた温度から飲み始め。
すると、一段と美味しい!
間違いなく美味しい。
昨日は、甘さが気になる…と言ってた傍らのソムリエも
今日の方がおいしい!と言ってます。

したたかに生き抜く女性のような、
潰れそうで、実はそこから実力を発揮…という
芯の強さを持っているワイン。

09-0815引き込まれるようなピノの魔力

2007 マイヤー・ネイケル シュペートブルクンダー “S”

Meyer-Nakel Spatburgunder ‘S’ Qualitatswein

100225_32ドイツワインガイド・ゴーミヨ2004年版で
「その年の生産者」に選ばれたマイヤー・ネイケル。
伝統的に赤が多いアール地方とはいえ、
栽培面積の75%がシュペートブルクンダー。
リースリングに至っては、ドルンフェルダーと合わせて5%。

こいつは、最初から凄んでいる。
黒くシンプルないでたちに、自分が圧倒されているから
そう感じたのかも知れない。

年号の下に記された“S”の文字は、金バッジのごとく
恫喝し、畏敬を強要してくるかのよう…。

対決は、初対面の2007年。
グラスを傾ければ、エッジは少し薄め、中心は黒っぽい。
出荷間もないからだろうが、ピノノワールとしては標準的。

香は、まず、樽・下草・ヨード・ヴァニラ。
赤い果実。上品なイチゴ。可愛らしいチェリー。ハーブ。
もっと果物…メロンなども。
さらに気持ちの良い焦臭。
香気成分が湧き立ってくる。
「この香だけで御飯が食べられる」…って表現が変かな?

舌触りの角がなく滑らか、タンニンも角が取れ丸いので
するすると口に入り喉を越そうする。
しかし、アルコール度数は14%表示されている通り、
酔いが後から追いかけてくるのでご用心。
風味の中に塩辛さにも似たミネラル分。
…もしかすると土壌に起因?

味わいの複雑さは他の追随を許さない。
アフターテイストも豊かで、余韻も極めて長い。

この複雑さ、馥郁たる香、緻密さ、文句無し。
引き込まれるようなピノの魔力、その封印を解くには、
4時間ほどをかけて飲んでみるのも良いかも…。