09-0120タイトロープを渡る芸人のごとく

1999 ツェルティンガー・ゾンネンウーア
リースリング シュペートレーゼ J.J.プリュム

Zeltinger Sonnenuhr Riesling Spatlese Joh.Jos.Prum

100225_17

超一流・J.J.プリュムが造る
日時計(ゾンネンウーア)畑なら、
ヴェーレン村でなくっちゃ…
って思って当たり前です。でも、
もしこのツェルティンゲン村の日時計も
機会があるなら、ぜひ試して下さい。

シュペートレーゼ級と限定するなら、
このツェルティンゲン村の方が
お気に召すかも知れないですから。

100225_18

かく言う私、J.J.はヴェーレン村!と譲らなかった一人。
しかし、この1999年物。
綺麗に熟成して、ツヤのある黄金色、
クリアーな輝き。
香は、リースリングの典型。
柑橘はグレープフルーツ。ハチミツ。
熟成した杉の木香、バタースカッチ。
仄かに縁取りをするようなゴムの香。

酸の綺麗さがモーゼル中流の命なら、
その美しさは、実に心地良い主張。
内包する十分な甘さとの均衡感は、スリリング。
タイトロープを渡る芸人のごとく、そのバランス感には
つい拍手を贈りたくなるほどです。

1999年が熟成し過ぎ?…なんてのは、
このワインに接すれば取り越し苦労だと理解できました。
まだ微弱な発泡さえ内包し、活きの良さを主張してくるのです。

意地悪にも私は、このワインがどの程度、味を維持出来るか?
を試してみました。
2日目・3日目・4日目…と、全く問題ありません。
10日を越えた所でチビチビと飲んでたこのワインも
終了してしまったので、それ以上は調べられませんでした。
とりあえず、冷蔵庫に入れながら飲んでたら、一週間以上は
満足できる品質で維持できた事は間違いありません。

綱渡りは危なげなように見えて、熟達の演技で
最後の最後まで、私を楽しませてくれたのでした。

100225_19
1999 ツェルティンガー・ゾンネンウーア
リースリング シュペートレーゼ J.J.プリュム

Zeltinger Sonnenuhr Spatlese[1999]Joh.Jos.Prum

09-0114 赤銅色の輝き

2005 マイヤー・ネーケル シュペートブルクンダー
ヴァイスヘルプスト QBA
 

Meyer-Nakel Spatburgunde Weissherbst Q.b.A AHR

マイヤー・ネーケル。
ドイツのアール地方で1・2を争う造り手。
ゴーミヨ(ワイン評価本)でのランクは4房、
全ドイツで見ても、ほぼトップレベル。

img85b65d63zik2zj

辛口が得意、そして栽培面積の
75%がピノノワールという比率は、
旧来のイメージでは特異に見えるでしょう。
しかし、食事に合わせる…
という目的で造られていると考えた時、
すべてが合理的に見えてきます。

単一葡萄品種で、等級がQ.b.AかQ.m.P.のロゼを
『ヴァイスヘルプスト』と呼びますが、
このワインは、贅沢にも100%ピノノワールです。
グラスに注いだ時の色は、まさに赤銅色。
ピンクとかゴールドと言うより、カッパー。
食べ物の美味しさを引き立てる輝き。

「ロゼなんて」…というのは、何世代も遅れた感覚。
甘さを捨て去り、収穫量を制限し、凝縮感を得た上に、
樽を巧みに使って複雑さを与えたホンモノの辛口です。

お料理との調和を考え、研究・検討を重ね、
高い領域でマリアージュを成し得るべく
見事なバランスに仕上げられたワイン。
ホンモノの「ロゼ」として認識する必要を感じる存在です。

imgbee9da50zik4zj

香の要素はさほど多くはないのですが、不思議に飽きさせません。
下草、そしてベリー系の香。
舌にほんの僅かチリチリとした微発泡、
ボディはスリムですが、続いていく余韻は豊かで、
楽しみをどんどん延ばしてくれるかのようです。

これは、他では決して無い味わい。
飾り気や嫌味の無いシンプルな風味、しかし本質へと至るものです。
心地良い微発泡を楽しみながら喉の奥へと滑らせていると
お料理が次々と頭の中に浮かんできます。
しゃぶしゃぶ、天ぷら、煮豆、トンカツ、サーモン、肉じゃが、沖縄のアグー…
止まらない想いは、ワインが引き出す幻想なのでしょうか。

お料理を引き立てるワインとは、きっとこんな味と香。
分かる人にだけ勧めたい、究極のロゼワインです。