08-0330ベルンハルト・フーバー来訪記念[06]マルターディンガー

ユンゲレーベンの次に飲むのは、当然ながら、
2.「マルターディンガー」の表記があるワインになる。

1.ユンゲ・レーベン  —- ブルゴーニュ・ルージュ

2.マルターディンガー —- ブルゴーニュ村名ワイン

3.アルテ・レーベン  —- プルミエ・クリュ

4.”R” レゼルヴェ   —- グラン・クリュ

これが対応するのは、ブルゴーニュ村名品。
具体的に言えば、ニュィ・サンジョルジュやヴォーヌ・ロマネ、
そしてジュヴレィ・シャンベルタンという事になる。

現在ではそれを意識するかのように
『マルターディンガー』
という村名のみの表記に変わっている。

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ピノノワールのワインとしては、最も古くも伝統的、
13世紀に世界最高の品質を誇ったその名前が誇らしげに感じる。
何百年もの時を経てベルンハルトの手によって蘇らされた宝は
類い希な輝きを放つ。

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フーバー マルターディンガー シュペートブルクンダー Q.b.A. トロッケン750ml

その造りは樹齢12~20年のピノノワール。
貯蔵樽は、2~3回使用の古樽で12ヶ月を費やす。

このグレードが最も天候の影響を受け易いように私は感じている。
時として膨らみ、時としてシャープな表情を見せた事もあったから。
その相違こそが、テロワールを忠実に
表現できていること…の証に違いない。

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08-0329 ベルンハルト・フーバー来訪記念[05]ユンゲレーベン

販売する側でも分かり難い、フーバー醸造所のラインナップ。
取り決めが変わったりした背景があるので、
仕方がない部分もあるのだろう。

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しかし、それでは一般向けには許されまい。
とりあえず、ブルゴーニュのワインに割り当てた表を貰った。

1.ユンゲ・レーベン  —- ブルゴーニュ・ルージュ

2.マルターディンガー —- ブルゴーニュ村名ワイン

3.アルテ・レーベン  —- プルミエ・クリュ

4.”R” レゼルヴェ   —- グラン・クリュ

このように並べてみると、少しは分かり易くなってホッとする。

列んでみると、世の中の耳目を集めるのは、
当然4.グランクリュに違いない。

が、まずは何よりも基礎…ってことで
ユンゲレーベンから味利きを。

舌に自信があるならば、
まずはナメてかかってみるのも良いだろう…。
私もかつて2001年物を、半疑で飲んだ人間だ。
しかし、その7年ほど前のワインでさえ、
自分が当時連想していた『ドイツの赤』ではなかった。

従来のドイツの赤は、色素が薄い、まるでロゼ。
特に若い時などは薄っぺらで酸の角と僅かな甘みがあり、
優雅な白、そして他国の赤と比べて、
許容範囲からドロップ・アウト状態。

だからこそ、またか…とばかりに、
小学生相手に相撲をとるような、腑抜けた心で臨んだ。
が、一瞬にして土俵の外へ吹き飛ばされたのは私の方だった。

な、何だ?この味は…
と再度外観に戻り、色合いが深い点からを見直した。
フーバー醸造所のベーシック(当時、ユンゲレーベンの表記はないが相当品)
なワインであるはずなのに、すべてが充実。
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フーバー 》ユンゲレーベン《 シュペートブルクンダー Q.b.A. トロッケン

色はピノノワールとして十分以上に濃い。
香は、お約束の赤いベリーやゆで小豆、そして結構な贅沢な樽の貯蔵感。
樽香が、フレンチの系統ながらも、僅かにエキゾチック。
今までに体験していない微妙なニュアンスが凝縮。
全体のまとまりに、見事な調和が存在した。

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ハーフ瓶もある

…相撲の相手は、小学生ではなく、プロの力士だ、と実感した。
しかも相当な上位だ。
頭の中のドイツの赤ワインに対する知識をすべて払拭し、
構築し直さなければならない事態に陥った。
同時に、フーバー醸造所に対する憧れが
心の底に生まれた瞬間だった。

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08-0328ベルンハルト・フーバー来訪記念[04]飲まないうちに…

芸者にチョンマゲ、腹切り、フジヤマ…
これこそが日本だ!と言えば、そのズレに
笑いが漏れるだろう。

それは、「白の甘口」とドイツワインを断じる事に似ている。
既に生産量の3割以上が赤、そして4割が辛口白になっているのだから。

その赤のトップは、強烈な速度で進化し、
ブルゴーニュの特級に肉薄、いや凌駕さえする者が出現している。

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本質に迫ろうとしない人には、形骸化したカサブタしか見えない。
しかしそれが剥がせたなら、
飛び散るマグマの奔流が、さらなる進化を続けているのが実感できる。

フーバー醸造所のワインは、客観的に見て、
毎年、品質が上昇している。
1990年代終わりよりも2001年が良い。
そして2002年の方が美味いし、
猛暑の2003年はさらに良い。
それよりも冷涼な2004年…と、
天候さえも越えてしまう進化を驚く以外にない。

フーバー醸造所の、畑の土壌は概ね
ニュィと同じ少し赤みを帯びた貝殻石灰岩層。
品種も同じピノノワール。ディジョンのクローヌ。
収穫量は、より厳しく絞り、なんと30hL/ha以下。
高品質な新樽を、贅沢に使う。
より良い畑の、より良い場所を得ていく。
そして徹底的に勤勉、最高の哲学を有する技の冴え。

世界の頂点の一つとなっても何ら不思議はない。
地球温暖化が拍車をかける。
だからこそ、国賓歓待にも使われるようになった。

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フーバー
シュペートブルグンダー
“R” レゼルヴェ

余り誰もが飲まない内に、
世界の高みへ駆け上がってしまった造り手…それがフーバー。

できれば今の内に楽しんでおきたい。
既にドイツ国内でも入手が難しいのだから。

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08-0327ベルンハルト・フーバー来訪記念[03]先駆者の足跡

人生を賭ける旅…それが宝探しだとすれば、
あなたは進む事ができるだろうか。
宝の在処を間違いなく記した地図を手入れたとして
その不確定な未来に、人生を賭けられるのか…。

私のように取るに足らない才能の者でさえ
そんなギャンブルはできなかった。
宝が見つからなかった時が恐ろしいから。
絶対に見つかる!という保証があるなら、
もしかしたら宝探しに身を投じたかも知れない。

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しかし人生に保証などありはしない。
13世紀の古文書に宝の在処を見つけたとしても
そこまで辿り着く能力・気力もさながら、
すべてを捨てて船出する度胸はない。
その旅に出る者の決意、そして自信の強さが推し量れるだろう。

ベルンハルトは、着実に、確かな足跡を残していく。
誰もが成し得なかった
ドイツの赤の新しい世界を開く先駆けとなっていく。

1990年ドイツワイン誌「VINUM」
スタート翌年に造った1988年のシュペートブルグンダーが
ドイツの赤として 最高の評価を得る。

1992年ラインガウの名門ホテルレストラン「クローネ」の品評会」
1990年のシュペートブルグンダー《レゼルヴァ》が
ピノノワールの部門でトップを受賞。

1994年ドイツのワイン誌「ワイン ニュース レター」
1992年のシャルドネがピュリニー・モンラッシェ等の
世界有数の醸造所を抑えてトップを受賞。

1995年 フランス・シャトレーの国際的シャルドネの品評会
348種類のワインの中から金賞6本のうちの一つに選ばれる。

1997年英国ジャーナリスト、スチュアート・ピゴット
彼の著書にて「新しいスターが誕生」とフーバー醸造所を絶賛。

1997年ブルゴーニュから20、世界各地から12のピノノワールの
生産者が集ったワイン批評誌主催の品評会

世界10位の醸造所としてランクされる。フランス以外の醸造所では最高位。

1997年ドイツで最も権威あるワイン批評誌「ゴー・ミヨ」
1995年のシュペートブルグンダー《レゼルヴェ》が
最高のシュペートブルグンダーと評される。

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フーバー
シュペートブルグンダー “R” レゼルヴェ
Q.b.A トロッケン750ml

船出して10年目の1997年、その歩んで来た道の確かさが
十分すぎる結果として出ている。
そしてまた、ベルンハルトの旅は続いていく。

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08-0323ベルンハルト・フーバー来訪記念[02]マルターディンガー

キリスト教・シトー会。
開墾し、祈る。粗食に耐え、地面に伏して眠る。
そしてまた祈る…。

自らを厳しく律しただけでなく、
開墾した場所に植えたのは葡萄、
彼らこそピノノワールを広めた立役者だった。

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ブルクンドのヴォージュ山脈を越えてやって来て、
黒い森(シュヴァルツ・ヴァルト)の南端のこの村で
やはり同じように開墾し、祈り、地に伏して眠った。
そして植えた葡萄は、彼らの起点=ブルクンド周辺と同じピノノワール。

より良い作柄を得ようと努力する彼らにとって、
緯度が故郷と大差ないこの地は、
その実力を発揮するに十分な場所となったようだ。

だからこそ当時、世界最高の赤を造り、
「マルターディンガー」
というブランドが確立できたのだろう。
現在ピノノワールの別名としても登録されている葡萄名である。

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フーバー 》ユンゲレーベン《
シュペートブルクンダー
QBA トロッケン

ピノノワールの栽培が難しいのは、世界中どこでも同じ。
自分の故郷で、遙か昔といえど、世界最高品質の赤が造られていた…
と知ったベルンハルトの血が騒がぬ訳がない。
故郷を愛し、ピノノワールを造る技量と意思があるからなおさらである。

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国際舞台では全く認知されていないドイツの赤、
しかも高い栽培・醸造技術を求められるピノノワール…
という困難な道だからこそ、
彼の心はよけいに熱くなったのかも知れない。

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08-0322ベルンハルト・フーバー来訪記念[01]宝探し

信じる道を進む事。
何かのきっかけで物語は始まるのだろう。
それがホコリまみれの古文書というのは、まるで映画のワンシーン。
13世紀の、ボロボロになったものなら、さらにハマリ役。

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そこに綴られている黄ばんで読みにくくなった文字にこそ、
彼の進むべき道のヒントが秘められていた。
何も知らない人が見れば、ただの村名に過ぎないだろうし、
村の古い歴史の記録でしかないだろう。

しかし郷土を愛し、その風土の中で
葡萄を育てる技と心を持ったベルンハルトが見つけたのは
「マルターディンガー」
というキーワード。

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フーバー
マルターディンガー
シュペートブルクンダー
Q.b.A トロッケン 750ml

この文献の記された13世紀当時、
その名が世界最高の赤ワインである事を知った時、
彼の宝探しの道は始まった。

1984年、ベルンハルトは、協同組合を脱退、
『世界最高の赤ワインを造る』…という旅に出かけたのである。

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ビストロヴォナ村安田 食事会準備【全8回】[index]

08-0315 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-1]メニューが届いた
08-0316 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-2]力点の考察
08-0318 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-3]万華鏡のように…
08-0319 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-4]ブルゴーニュ三昧
08-0320 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-5]食前~前菜は…
08-0321 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-6] サポートしつつ、繋ぐ役
08-0322 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-7]デザートには…
08-0323 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-8]晴れの日を夢見て…

08-0323 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-8]晴れの日を夢見て…

ヴォナ村安田シェフのお料理を食べながら
これを飲んだ人がどう感じるだろうか…
その評価は観客次第。

ポイントは、出足のクレマン・ド・ブルゴーニュから
ボージョレ白を飲んだ後、
ロゼを飲んだ時に絞られる。
ブルゴーニュ ロゼ ロザエ
[2006] 750ml
ロブレ モノ

オマール海老のムース バートフィロー包み焼き
ソースアメリケーヌにロゼを合わせた時、
声が上がれば、成功だ。

観客は、レベルの高い人が多いからこそ、
何かの声が欲しい…とつい思ってしまう自分を
修行が足りないな…
と自嘲する。

晴れの日を夢見て、セラーに入り、
ワインの準備にとりかかる。
特に

リューリー・ルージュ 1級 シャン・クルー2002
Dm.ミッシェル・ブリデ

コルトン=ブレッサンド 特級 1995
ミッシェル・ヴォアリック

Non モーリー オー・ダージュ ヴァン・ドゥ・ナチュレル
Dm.デ・スーレーヌ

の3品目は、オリがある可能性が高い為、
1週間前から立てて置く必要がある。
そして、当然ながら、運ぶ時は極めて
静かに行わなければならない。

セラーのワインを立てる専用の場所に設置
澱を静かに落とす。

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晴れの日は近い。
観客の笑顔を思い浮かべ、ワイン達を育んだ。

[To Be Continued…]

08-0322 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-7]デザートには…

締めのデザートに合わせるワインも重要だ。
メニューは、

・二種のチョコレートムース
・バニラとキャラメル ラムレーズンのアイスクリーム添え

なのだ。

この部分まで、「ブルゴーニュ三昧」を貫く事は素材的に無理なので、
ワインの選択肢を広げて考える。
フランス全土だけでなく、ドイツやイタリアやスペインまで。
ヴェレナー ゾンネンウーア
シュペートレーゼ[2006]
ミューレンホフ 375ml

ドイツの2006年には、極めて高品質でリーズナブルな価格の
貴腐ワインが多いので使えないか…と考えたが、
チョコレート系、そしてキャラメル…となれば、
合わないとは言えないが、シェフのお料理を考えると没。

イタリアのパッシートやスペインのマラガなども
考慮に入れながら検討したが、
イメージだけでなく、風味が合わない。

コルシカ島のモスカートも考えたが、今一歩。
結局は、定番中の定番とも言うべき
ヴァン・ドゥー・ナチュレールを登場させることにした。
モーリー オーダージュ
ドメーヌ・ド・スーレーヌ

『美食家の合意』も奨める、マリアージュ。
ルーションの強い日照がもたらしたしっかりした色素、
ヴァン・ドゥー・ナチュレールの製法による高いアルコール。
そしてカカオやチョコレートなどのニュアンス。

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…選択の範囲は狭かったが、これは間違いなく合うだろう。
頭の中でも、綺麗なハーモニーが聞こえてくる気がした。

[To Be Continued…]

08-0321 ビストロ・ヴォナ村安田 食事会 [準備-6] サポートしつつ、繋ぐ役

次は、オードブルの一部~魚料理にかけて
白ワインを考察する。
オードブルの中には、
スパークリングでなければ合わせにくい…というものもあるが、
白でもイケそう…というお料理もある。

そして、魚料理のアメリケーヌ・ソースに白を残して貰い、
それを合わせた後にロゼを登場させる事によって、
よりロゼの存在を、浮きあがらせたい…という意図を持って選ぶ。

当然ながら、コッテリ・どっしりではない。
繊細かつ旨味があるもの。余り強すぎないもの。
樽香もさほどでない方がお料理の引き立て役としては
好適だろう。

しかし、スパークリングが繊細、
そして、後に登場するロゼも繊細。
白が繊細過ぎて弱腰ならば、メリハリ無しのへなへなになり、
面白みが無くなってしまう。

導入部のスパークリングと、
確固たる形を成した土台。
そのリレーを巧みに勤め上げられるものでなければならぬ。

この2点を結んだ線上に浮きあがるワインは、
5点ほど思い浮かんだが、その中から最終的に、
このワインを選択した。
ボージョレ・ブラン 2005
ドメーヌ・ラランド

このワインの繊細さ。シャルドネをしっかりと育て
巧みに醸造した美味しさが生き生きと表現されている。
いや、軽やかながらも深いこの美味しさは、
ブラインドで飲んだ多くの人は
「プイィ・フュイッセ?」
と感じるはずだ。

そんな美しい味香バランスを持っている逸品。
2005年という年も、このワインをより
美味しく育てたに違いない。

ジョルジュ・ブランのクレマン・ド・ブルゴーニュと、
ブルゴーニュ ロゼ ロザエ ロブレ・モノ
を結びつける線の役割は、
このワインで決定だ。

ふぅ。

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これが、ヴォナ村安田シェフのお料理に対する
私のセレクションだ。
ワインを並べると、つい、息が漏れた。

並ぶと何ら違和感はなく、「ブルゴーニュ三昧」のテーマに沿って、
スゴく美味しそうなワイン達…という事になっている。

しかし、このラインに仕組まれた仕掛けが
ヴォナ村安田シェフのお料理に合わせた時、
私の意思を伴って発現するはずだ。

舌のある人は分かるはず。
そして、一歩踏み込んだ人は感じるはず…なのだ。

安田シェフの絵を引き立てる額縁になれる体裁は整った。
あとは、どの程度、引き立てる事ができるか?
評価は、当日の観客次第…。

そう思いながら、再度リストを眺めて悦に入った。

[To Be Continued…]