今月は仔羊。

コート・デュ・ローヌ ヴィラージュ キュヴェ・サブリーヌ
アンドレ・ブリュネル

Cotes du Rhone Villages Cuvee Sabrine
Andre Brunel

倉敷の美観地区の5月連休は、
凄い人出でごった返し、レストラン達も
大変な盛況となる。 しかし、
ゴールデン・ウィークが終わると
一挙に人がまばらになる。

こんな時こそ、次の美味しいお料理を…と、
  フテューラ・フルールのシェフが、
今月のランチを携えて現れた。

  仔羊の肩肉のコンフィ
     アラブ風

私は肉系は殆ど何でも好物なのだが、
Wifeは羊の香が得意でない。
実は、この、『好き嫌い』にこそ、今回の
マリアージュの重要なポイントが現れる。

私は、肉の臭いが少々立ち上がっても、
それを可として受け容れる、
と言うよりその風味を楽しめる。

一方、Wifeは、臭みが立つと、
それは即、否定要素となる。
よほど綺麗に添い遂げながら、
それでいて調和しないと
OKを出さないだろう…と、予想できた。

まずは試したのがこのワイン。
サンタデュックのエリタージュ、2009年。
シラーやグルナッシュを主体に、
アルコール度数も高く、おそらくは
合うだろうと思いながら試した。

私は口の中で混合させた時、南仏らしい
果実味とタンニンと荒々しさと暖かさ…
高い位置とは言えないまでも、適度な
レベルで調和し、肉の面白さを楽しめる
充分に納得できる調和だと思った。

しかしWifeは顔を歪めたまま。
これでは、お客様を納得させる事は
できないだろう。そこでとりあえず、
再度、小羊の肉部分だけでなく、
付け合わせの野菜やクスクスを
一緒に口の中に運び、
お料理全体の味わいの把握に努めた。

そして調和できる風味を持つワインを
経験の中から連想してみた。
目を閉じながら想像されるのは、
ボルドーでも、ラングドックでもなく、
やはりローヌかなぁ…。

そこで1本目のエリタージュと系統が
似ているのを承知で、このワインを
セラーから運び出し抜栓した。
葡萄はグルナッシュ80%、シラー15%、
ムールヴェドル5%と今様風のローヌ。

入念に生育し、気合いを入れているのは、
そのネーミング=『サブリーヌ』が
造り手の娘の名という事からも分かる。
収穫量を30hL/haまで絞り込んだ
凝縮の味わいは、ブラックカラント、
チェリー、ラベンダーの香を伴い、
たっぷりとしてアルコールも十分。

そして何よりも、仔羊の肉の匂いを
果実やハーブ風味の中に包み込み、
『仔羊の肩肉のコンフィ アラブ風』に
見事に添い遂げる。

力強さと暖かさを持ちながら、
ゆったりとした調和が口の中で展開されていく。
大陸の地平線を眺めているような雄大な感覚、
そしてエキゾチックな雰囲気…
このマリアージュをお楽しみ頂くには、
5月末日までにフテューラ・フルールへ
おでかけあれ。

ヴァン・ルパン倉敷 試飲会

3.11 に…
 

この日に、遠く離れた岡山の地にある
ワイン屋としてできること…
月並みな発想ですが、試飲会を開催、
入場料を1,000円にして、
人数分を寄付しようと考えました。

これまで開催した当店試飲会では、
来客数が70~80人程度ですから、
8万円程度は集められるだろうと
思ったのです。

が、スタートしてビックリ!
次々と来場下さるお客様にスタッフが
対応しきれないほど。
なんと118人。

更に、「試飲会に出席できないけど、
寄付したい」…という方がお二人。

合計120人、12万円を集める事が
できました。

この金額を、玉島信用金庫から
 3月15日
『遠野まごころネット』
 宛てに送金させて頂きました。

この機関を寄附対象に選んだ理由は、
現場にダイレクトに、そして早く、
生きたお金として使って貰える
と考えられる機関であること、
岡山県のボランティアを受け入れた
実績があること、
以上からです。

御来場、ご寄付下さった方々に
御礼申し上げますと共に、
報告させて頂く次第です。

また、この日、岡山県の
『笠岡ラーメン』が店舗前駐車場に開店。
あっさり系ながらも深い味わいで
お客様をより惹き付けてくれました。

私も昼食に食べたのですが、
これは、もう一杯!
と叫びたいほどの美味しさ。
より楽しい時間を過ごすことができました。

笠岡ラーメンの皆様、
 ありがとうございました!

今月は、仔鴨のコンフィ

ミネルヴォア  サイント・レオカディエ
Minervois Rouge
Sainte Leocadie

倉敷美観地区の南、
白壁通りと倉敷川を越える前神橋の袂、
ビル1Fにあるビストロ
  フテューラ・フルールのシェフが、
今月のランチを持って現れた。

仔鴨のコンフィ

油でゆっくりと加熱するという調理法。
元々脂分を持っている肉類を
油に漬け込んで調理するのだから、
さぞかしこってり?と考えながら
早速味利きをしてみた。

しかし、油で煮込む事にによって、
不思議ではるが、逆に脂分が落ち、
さっぱり感が出ている。

鳥だし、コテコテの脂ではないので
白ワインだって良いのだろうが、
元来は南西フランスの料理‥とのこと、
なら南の赤ワインを合わせてみたくなる。

ここ数ヶ月凄まじい円高で、高品質ワインが
リーズナブル価格で入ってきているから
ワイン屋としては余計に力が入る。
この力強さは良いのでは?と、まずは
引っ張り出したのが、サンシニアン。

グラスに注いだだけで分かる、濃さ。
紫のトーンを持っていて、透けて通らない
外観だけでなく、味わいもしっかりとして
凝縮感に満ちた強い味わい。

ワイン単体で飲むと、非常に力強く濃い。
しかし円高によって2,000円を切ってる、
というリーズナブル価格だからこそ
最初に頭に浮かび、合わせてみた。

結構、十分に合う。 しかし、
驚きの領域には入っていない。
お料理の繊細さを、ワインの濃度が
押し切ろうとする。
ワイン単体が美味しい。
お料理だけで食べても美味しい。
合わせても美味しいのだが、1+1が4程度の調和。これはFF+ルパンのタッグでは許されない。

そこで次に試みたのは、
このヴァン・ド・ペイである。
葡萄は、シラーなどを使っているが、
香は、果実の風味が前に出てきて
皮革や獣系のワイルドさは少なく
そこそこのタンニンと旨味を持つスタイル。

一つめのワイン↑ほどのフルボディでなく
ミディアム寄りのボディ、
南仏らしさを主張しながらも、お料理を
引き立てる能力があると考えた。

外観でも紫のトーンは控えめで、
濃度ある深い赤色、飲み手の心をそそる。
旨い。…ワイン単体は申し分なし。
で、お料理と合わせてみると‥

いいねぇ。
さっきよりは数段良く調和している。
これで何とか合格点なのだが、
ここまできたら、もう一歩、と踏み出す
スケベ心…じゃなかった向上心。

そう、食べ・飲む人に『おいしい!』と言って欲しいのだ。 だから、

次に、このミネルヴォアの栓を抜いた。
心は既に南仏に在る。
その空気を感じ取れるような味わい。
ワインの外観は、黒っぽかった前2つより
僅かだけ赤に近寄って、美しさを主張する。

赤と黒の果実、仄かな皮革、
それに加えて、カカオ系の香がある。
ボディは一般的な“ミディアム”より重いが
決してフルボディではない。

その絶妙な引き具合は、石灰質土壌から
もたらされるニュアンスなのだろう。

2002年スタートの新しいワイナリー、
樹齢の高い樹を生かしつつ、新しい
技術を導入し高品質を実現している。
葡萄比は、シラー50、グルナッシュ50、
前者は炭酸ガス浸漬法で十分なタンニンを
得つつ個性的な香は抑え、
後者は低温浸漬で果実味を引き出す。

巧みな技法によってシルキーなタンニン、
そしてカカオやチョコレートを思わせる芳香を
立ち上がらせる。

お料理を口に入れ噛みしめた後に
ワインをおいかけ、混合する…。

おぉ!これだ!!
やっと『マリアージュ』の領域に
到達できた。

今回は、なかなか到達できないゴールに向け
かなり苦しんだ道のりだった。
それだけに、この心地良さは、ぜひ多くの人に経験して欲しい…
自信を持ってお勧めしたいマリアージュである。

哲多ビンヤード Nr.32 2010年 メルロー

TETTAビンヤード 2010 メルロー
TETTAビンヤード

TETTAヴィンヤードから届いたメルロー2010年。
これまでの年号のTETTAメルローの持つ
タンニン量、味わい構成から推察し、
リーデルのエクストラ・ラージ ピノノワール
を使ってテイスティングすることにした。

グラスに注いだ外観は、透明感のある赤色。
紫のトーンはそれほど感じず、綺麗な赤色。

このグラスを使った事が正解と思えるのは、
香が、赤系果実のストロベリーやクランベリーで、
黒果実はさほどでなく、ピノノワールに似た香が主体であること。
加えてハーブ類と共に茎、青さ、ピーマン系の香も付加される。
タンニン量は比較的抑えめで、日本ワイン特有の繊細さが
前に出ているスタイル。

舌触りに角はなく適度に円やか、
空気に触れて開いてくれば、旨味も上がってくる。
複雑さは標準的で、繊細な個性と、微妙な心地良さを持っている。

ボディはミディアムライト、ややスリムにまとまりながら、
日本のワインらしいスタイルを主張しながらフィニッシュへと続く。

試飲したタイミングが少し若い状態だった為、
もう少し置いた方が良くなるかも知れない。
しかし現在でも、繊細なお料理と合わせられる味構成と言える。

ヘヴィーな肉よりも、和食など,素材の味を生かしたお料理と試してみたい…
そんな気にさせるTETTAメルロー2010年である。

———– to be continued…

石原延秋,Senior Wine Adviser,J.S.A
(c) Ishihara Nobuaki,2012

哲多ビンヤード Nr.31 2010年 幻のシャルドネ

TETTAビンヤード 2010 シャルドネ
TETTAビンヤード

TETTAの新ヴィンテージ2010年の試飲依頼が届いた。
ヴィンヤードとして最も重要と考えるシャルドネ、
年々樹齢が上がっていることを考えれば
期待が大きくなるのは当然。
勢い込む私が手にするグラスは、
リーデルの エクストラ・ラージ・モンラッシェとなった。

2006年・2007年・2008年・2009年と飲んできて
樽の香は控え目ながらも、マロラティック発酵は深く、
艶と滑らかさを持つスタイルだからである。

外観は、2010年という事を考えると
やや濃い目の黄金色。足もとろんと落ちる。

グラスからの香は、樽の香が前に出てくる。
今までの年号とは異なったタイプに仕上がっている。
その樽香は、新樽ヴァニラでなく、古樽の土やヨードを含めた木の濡れた匂い。

2010年は猪の害で、生産量の総数がたった100本しかないとのこと。
100箱ではなく、僅か100本なのである。
当然ながら、醸造に対する心意気が違うと考えなければならないだろう。
推察に過ぎないが、丁寧に樽貯蔵したおかげで、
普段より樽香が深く付いたのかも知れない。

スタート時点で、この古樽の香が支配的だが、
空気に触れて開いてくると果実香が上がってくる。
華々しい果実でなく、抑え気味の柑橘とナッツ。
見え隠れするこの味わいは、より時間を経ると
ジューシーさを伴って明確になる。
余韻は、普段の年よりは少し短めで、適度なスケールでまとまる。

味利きを続けていると、少し気になる臭いが
出てきたので、グラスを変えてみたらどう?
と、取り出したのが、リーデル同シリーズの
エクストララージ リースリング・グランクリュ。

こちらだと、先程迄は気になっていた要素が
抑えられ、風味のバランスが良くなった。
従って、特に2010年TETTAシャルドネには、
右側でなく、左の形のグラスをお奨めする。

このグラスで飲むと、 依然として樽香は、
2009年までより強いものの 味香バランスが落ち着いて感じる。
控えめな果実香とジューシーさを
樽が包み込んで律するような印象。

 暑過ぎた天候は、普段には無いキャラクターを葡萄に与えた為、
それを醸造の手によって優しくたたみ込み、瓶の中に凝縮したのだろう。
これ迄の年号とは一風変わった姿、 そのキャラクターの違いを
楽しめたワインである。

【追記】
 このワインを、抜栓翌日・翌々日に再度飲んでみた。
日が経つ程に、果実の香が上がり、樽の香が控え気味に
なっていくように感じた。

恐らく、もう少し貯蔵すれば、より良いバランスに育つのかも知れない。
また、グラス売りをする場合、抜栓当日よりも翌日以降の方が良いのだから
業務店では扱い易い特性と言えるだろう。

———– to be continued…

石原延秋,Senior Wine Adviser,J.S.A

(c) Ishihara Nobuaki,2011

『ベッコフ』、アルザスの煮込みに…

ケットマイヤー ピノネロ
Pinot Nero Blauburgunder 2008 Alto Adige DOC
Kettmeirn

倉敷美観地区の南端、
倉敷川と白壁通りの交差点、
ビル1Fにある私のお気に入りのビストロ
  フテューラ・フルールのシェフが、
今月のランチとして持って来たお料理は、
イカつい名前が付いていた。

  ベッコフ
これは、『パン屋のかまど』の意味らしい。

三種類の肉→牛、豚、仔羊をマリネにして、
ジャガイモのスライスと共に、パン生地で密封し
パン窯に入れて長時間煮込む料理。

(愛知県蟹江市のパン屋さんのHPを参照させて頂いた)
アルザスでは、月曜日を洗濯の日と決めていたらしい。
かつて洗濯機も無い時代、一週間分の洗濯は一日仕事、
その間、お料理を作れないから、肉やジャガイモを
鍋に放り込んで、縁をパン生地で密封し、
パン屋さんに預けてから、洗濯に出かけたとのこと。
帰りには煮込み料理ができている…という、
合理的なシステム。

このアルザスの郷土料理に合わせるなら、
当然ながら、北のイメージ。
でもアルザスのピノノワールは在庫していない。
その理由は、余りに薄い色の上に、価格が高めで、
正直、売れないのだ。

ブルゴーニュのピノノワールの濃さには
及ぶべくもないし、
近年進化が著しいドイツの
シュペートブルクンダーにも
大きく水を開けられた印象があり、
コスパの点で厳しい。

そこで、北でもイタリア北部を視野に入れ、
まずは、地葡萄ラグレイン、
コルテレンツィオが造った2006年。
これでどう?
適度に合う。そこそこ美味しい。

しかし、バッチリとは言えない。
家庭ならOK、普通の店なら
『合う』と言って終わりにするかも知れない。
でもこれでOKを出していたのでは、
フテューラフルール+ヴァンルパンの
タッグの価値が無い。

再度、次を探す。
同じラグレインでも、もう少し丸いもの…
と、同じワインでもサンタ・マダレーナ2004年。

当店セラーで7年寝かせてかなり丸くなっていて
舌触り滑らかだからイケそう…と口に運ぶ。
こちらの方が間違いなく一つ上の調和へ近づくが
私として、OKは出せない。現場合わせではまだ不足。

次は、ピノネロ、造り手はケットマイヤー。
アルザスよりはリーズナブルな価格の為、在庫してる。
しかし、アルザス同様に色は薄く、味は軽やかなので
旨味はそこそこ多くても、ワイン単体では売りにくい。

煮込みに負けてしまうのでは…
と思ったものの、口に入れてびっくり。   これだ!!

凄い! 
まるで分かたれていたものが、一つになるような感触。
これぞマリアージュ。

アルザスのピノノワールが、余り色を濃くしようとしないのは…
軽やかながらも旨味を湛えたままなのは…
こういったお料理と合わせるという使命を持っているからに違いない、
と強く感じた。

寒い日が続く今日この頃、このマリアージュをぜひ試していただきたい。
体だけでなく、心の中まで暖かくなれそうな…
そんな気がするから。

今月はブルゴーニュ風

ブルゴーニュ  ピノノワール
ドゥデ・ノーダン

Bourgogne PinotNoir Recolte 2009
Doudet Naudin

倉敷美観地区の南寄り、
倉敷川と白壁通りの交差点・
ビル1Fにある小さなビストロ
フテューラ・フルールのシェフ、
今月も、良い匂いを振りまきながら
入ってきた。手に持っていたのは

牛肩肉の
ブルゴーニュ風煮込み


今回は、写真係に撮影を任せて、
私はワインとのチューニングに専念。
いつもと違って美しい写真はそのせいだ。

お料理を口に運んで食べた時、かなり
広範囲のワインと合わせる事が可能…
と感じられた。

では、何を選ぶのが良いのか?

寒い時期だから、暖かさを感じさせる
南のコート・デュ・ローヌのワインか、
それとも、料理以上にワインが主張しそうな
ボルドーのスタイリッシュなワインか?

いや、沢山の選択が可能だったとしても
敢えて真っ向勝負が相応しい。
料理人の心を、そして伝わってきた思いを
全身で受け止め、引き立ててこそ、
ワイン屋の存在価値があるに違いない。

そこで、ブルゴーニュ。
繊細に仕上がった年号の必要はない。
美しく優雅に熟成してなくて良い。
できれば適度な力強さ、そして
華を添えるような果実味が欲しい。

なぜなら、このお料理がちゃんと受け止めてくれそうだから。

元気の良さと、微妙な懐の深さを楽しみたい
私の心はこのワインを選択した。

十分に日照を得た2009年、
さらに、一流の造り手=ドゥデ・ノーダン。
若くて活きの良い果実味は、ソースと調和、
肉の旨味が増し、ワインの美味しさが際立って
お互いを引き立て合うのが良く分かる。

これは分かり易いマリアージュ、
誰が試してもこの組合せは、きっと
『美味しい!』
と言ってくれるに違いない。

客観的に組合せを見つめようとする私自身、
口に運ぶ料理とワインが止まらない。

寒いこの季節、ぜひお試し頂きたい組み合わせ。
心の内から温かさがにじみ出てきそうなマリアージュだ。

プラネタ ラ・セグレタ ビアンコ

プラネタ ラ・セグレタ ビアンコ
シチリア・IGT 2010

Planeta La Segreta Bianco Sicilia IGT
Az.Planeta s.s.

1995年に創立のプラネタは、歴史は浅いが、
イタリア国内外で高く評価されている。
飲めば分かる、その美味しさ、品質の高さ。

シチリア島の西(メンフィ)~南東部(ノート)に、
4エリアで合計350haの所有畑。
土地に適した葡萄を栽培している。

高品質を目指しているプラネタのラインナップは
2つに大別できる。
①単一品種
②国際品種と地元品種のブレンド

純粋好きの日本人としては、前者を推したい所だが、
後者を造る技が巧みで、ついつい惹き付けられてしまう。
このセグレタの白は、まさに②に相当する造り。

地葡萄グレコニカ50%、
国際種シャルドネ30%
国際種ヴィオニエ10%
地葡萄フィアーノ10%

グラスに注いだ時は薄い黄金色。
香はパイナップル、白い花、
二日目になると柑橘・オレンジも明確に。

舌触り滑らか、旨味を感じると同時に、
複雑さも深みも適度にあるのが嬉しい。
樽は明確には感じないが、もしかしたら大樽?
総体的に上出来、ちょっとばかり旨い白。

抜栓時から上々の味わいを発揮するのに感心。
翌日、冷蔵庫から出した時も凄く良い状態。
お料理との相性も良いので、家庭飲みOK!
ワイン・バーで、グラスワインとして出てきても
楽しめそうな特性を持った、素晴らしいワイン。

プラネタ ラ・セグレタ ロッソ

プラネタ ラ・セグレタ ロッソ
シチリア・IGT 2010

Planeta La Segreta Rosso Sicilia IGT
Az.Planeta s.s.

プラネタは、シチリア州に
1995年に設立されたワイナリー。
同島の現在のスター達は、
ほぼ90年代の終わり頃のスタート…という例に漏れない。

造りの巧みさには、飲む度に驚かされ惹き込まれる。
基本的には品質重視の造り手だから、価格的には、
ミディアム・ランク~上級品がリストに並んでいる。

その中で、最も手を出し易いのがこのセグレタ。
『秘密』という意味だが、何か秘め事があるのかな?
外観は適度に濃い。ただ濃すぎることを喜ぶ人には
さほど魅力には映らないだろう…というレベル。

香は、鉄・プラム、そして赤果実というよりも
赤ワインでも柑橘を連想させる果実味で楽しませてくれる。

セパージュは、ネロダヴォラ50%、メルロー25%、
シラー20%、カベルネフラン5%。
この巧みなブレンドには驚かされる。

前2品種は、まずは探り当てられそうだが、
シラーは言われて初めて皮革の仄かな香に気付く程度、
カベルネフランは、検索が難しそうだ。

旨味がそこそこ、滑らかな舌触り。艶のある味わい。
ボディはミディアム+α、飲み手を満足させる
必要十分な力を満たしている。
徹底的な濃度などでなく、上品で優しく纏まった印象。

カポナータやバゲットなど、適度な食べ物を添えると
非常に心地良く楽しめる。
お料理と合わせ、そして引き立て合う能力を持った赤だ。

そして、半分を飲み残して、翌日やや冷え気味で飲んでみると…
本来ならば口の中でギシッと言うはずのタンニンが柔らかく、
不思議に低めの温度でも美味しいという特性も持っている。
良く空気に触れさせれば、少し低めの温度もOK,
家庭の伴にぴったりと言えそうだ。

これが本筋、「石の山」

2008 シュタインベルガー
   リースリング カビネット
Steinberger Rieslingu Kabinett
Kloster Eberbach,Hessische Staatsweinguter

年号違いだが、Q.b.A2009年に次いで、
カビネット2008年を試飲する機会に恵まれた。
時として、Q.b.Aよりも弱々しいカビネットに会って
がっかりする事もあるのだが、
このワインに関してそれは、要らぬ心配だった。

外観は、黄金のトーンを少しだけ持った黄色、
グラスを揺すると、香が一段上の複雑さを持っている。
柑橘のレモンやグレープフルーツはそのままだが、加えて
森の匂い、ヨード、そしてリースリングの本筋である
ゴムと石油の香。
それらが上品に香の総体を構成し、
飲み手を深い森の奥に導くかのようだ。

このワインも、スクリューであるだけに、3年経っても
超微弱な発泡を舌先にチリチリと感じる。
その心地良い刺激、やや甘口レベルの残糖は、
現代派になった…と理解して良いのだろう。

このカビネットも、お料理と合わせるのでなく
ワイン単体で飲む方が楽しめるタイプだ。
分かり易い味ながらも、飲み手を楽しませる深さを持っている
贅沢なワインと言えるだろう。