09-0529ねこぢる…

2007 ゾンマラッヒャー・カッツェンコプフ
シルヴァーナ  トロッケン Q.b.A
ゾンマーラッハ農協
Sommeracher Katzenkopf Silvaner Trocken Qualitatswein
Winzerkeller Sommerach

100225_28試飲会で出会ったこのワイン、
私の頭を過ぎった言葉は
ねこぢる…

微妙にシュールなラベル、
猫はこちらを睨んでる?
それとも僅かに微笑んでる?
ミステリアスな思いを抱かせます。

にしても、「猫の頭」っていう畑名は?猟奇的?
いえいえ、猫の顔が緩むような南斜面なんです…
とは輸入業者の弁。
なんとなくこじつけの感も。

100225_29畑地図を見ると、猫の背のように婉曲した
南向きの幅3kmほどの細長~い畑、
確かに陽当たり良くて猫の顔も緩みそう。

けれど特筆すべきは
そのコストパフォーマンス。
他にもフランケン地方には
優良醸造所のワインが色々あるけれど、
それらに十分比肩する味わい。
それでいて価格の安さ。これこそが
レベルの高い造り手(ゴーミヨ2房)の長所なのですね。

2007年産なので、若くてキレあがるような
内容を考えてグラスを傾けたのですが、
舌触り滑らか、旨味が多く、複雑な辛口。
余韻も心地良く、しっかりと締まります。
その味が描く曲線は、孤高を譲らない
猫のイメージそのもの…。

決して安物でなく、フランケン地方のベーシックワインとして
和食を始め、野鳥、チキン、カツ…など、色んなお食事に合わせられる存在。
いつも手元に置きたいような、そんな気持ちにさせてくれた
私の「ねこぢる」です。

09-0526変化する味構成、隠れたラインを楽しめたら通?

ロリッヒャー・プファフェンヴィス
リースリング カビネット トロッケン
カール・オッテス醸造所
Lorcher Pfaffenwies Riesling Kabinett Trocken
Weingut Karl Ottes

100225_27

スタートの温度は5℃と低かったせいか、
出足は弱腰で、香も弱めな印象。
しかし、低温でもボディはグッと膨らみ、
余韻はかなり長めに感じます。

冷やし過ぎた状態で抜栓直後という、
立ち上がり時点だけで判断してはならない典型的な構成のような気がします。

案の定、空気に触れ、開いてくると徐々に、香と味が立ち上がってきます。
少し時間がかかってしまうのが、リーファー運送と、セラー貯蔵の証なのでしょう。
(常温陳列のものに比べてスタートは眠った状態なのです)

そして40分経過。柑橘系のグレープフルーツやミカン。
青リンゴやハチミツ。そして白い花やゴム…といった
リースリングのお約束が美しく確かに立ち上がってくれました。

スタート時点では、強烈な締まりと余韻の長さを感じたのですが、
開くと、辛口らしい心地良いボディでスッキリとした酸、
適度に締まる余韻と、味の切れ上がりに、構成が移行していきました。

抜栓後すぐと、時間が経過して開いた後では、風味の要素・構成が
まったく変わってしまうタイプのワイン。
これは、詳細なアドバイスを提供する必要がある特性と言えるでしょう。

でも開ききれば、心地良い辛口。和食を中心にして、どんなお料理もOK間違いなし。
この特性を理解し、コントロールできれば通人。
できそうにない人には腰を据えて向かう事を伝えなければならないワイン…と言えるかも。

09-0522赤猫招き

2007 ゾンマーラッヒャー・カッツェンコプフ
ドミナ QBA トロッケン
ゾンマーラッハ農協
Sommeracher Katzenkopf Domina Q.b.A Trocken
Winzerkeller Sommerach

100225_25ドイツの赤…って事で、
それなりにダメ元覚悟で臨む事になるけれど、
どうしてどうして、
下手なピノノワールより濃度はありそう。

外観としては、紫色のトーンを持った、
やや薄めの赤、
ドイツだからどうせ…という時代ではなくなった、
と容易に感じさせてくれるものです。

グラスの外から見ていたら、
心の中に明かりが灯ったような気がします。
それはきっと、ワイン造りに
情熱を注ぎ続けた人がいるからこそ…
の姿なのでしょう。

100225_26さて、火事と喧嘩は江戸の華…ではありませんが、
火事が多かった江戸時代、炎が牢獄に迫ってきた時、
いくら罪人と言えど死なせてはなりませんから、
期限を切って解き放ちを行っていました。

だから囚人達は、「赤猫招き」と呼んで
火事が近隣で起こると、その炎が
近づいて来る事を望んだのです。
時として牢獄に自ら火を点けた…という話さえあります。

抑圧された人達が、解放されるとなれば、
そのエネルギーは凄いものになります。
冷涼なドイツ・フランケン地方で、赤ワインを造る…という
言わば抑圧された状態。
それを解き放つ、地球温暖化、そして、ドミナという葡萄品種。
これらが加わった時、腕の良い造り手のポテンシャルは炸裂、
驚くべき赤ワインを登場させる事になった…
と言えるのかも知れません。

火事は決して許してはなりませんが、
こんな技術革新・天候の変遷は、ワイン造りにとっては
良い事と言えるでしょう。
さぁ、ゾンマーラッハ農協の造り手=
ステファン・ゲルハートと共にやってみましょう。
赤猫招き」…を。

グラスに注げばこの炎、
やや薄め、紫と黒のトーンを持った赤。
しかし二日目には煉瓦色に変化してきます。

香は赤い果実、ベリー、ピノノワールと共通の小豆、そして花の香は山査子。
優しく可愛らしくまとまります。

ややしっかりとした酸と感じるのは、開き方が足りないからで、
酸っぱいと感じたら、空気に触れさせて温度を上げて下さい。
ボディはミディアムライト。しかし余韻は後ろへと伸びていき
締まりがきっちりとあります。
軽やかながらも十分な満足を得られるのは、造り手の技量によるものでしょう。

樽は感じません。果実味が主体となります。
でも温度が上がり気味になっても美しく変化し、
ずっと楽しませてくれます。

空気に触れ、開けば、柔らかくなります。
翌日の方が赤ワインらしい…と言えるでしょう。

娑婆の空気に触れれば、猫は余韻を残しながら
天空へと舞い上がる。

嗚呼、「赤猫招き」…

09-0503 ハートランドな一日。

ハート・ランドで賑わうこの日、
店番をしていた私は、来店客の対応に店に出ました。

美しい女性を両脇侍、華やぐロードを踏み締めて
そこに立つのは、長身の男前。
あれ~、見たことあるよこの人。

ってことで、テンカワさん登場!
連絡して来いよな。ホントにもう…。
ブログには写真がしっかり載ってるかと思ったら、
ちゃんと専属カメラマンがいるんだ。
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入る前に店の外観写真を 30分位撮り続けてたそうだけど、
店に入っても、写真撮る撮る。バシバシと。

でもそれ以上に、ドイツワインの発掘に傾倒し始める。
何でネットにあげてないのコレ?
…って、廃版蔵元のグロエネシュタインやECベレスなんかを
次々と見つけては、これ欲しい…なんて言ってる。
グロエネシュタインの睡蓮シュペートレーゼなんかに
食い付いて離れないよ、この人。
やっぱいい目してるね。

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遠路遙々来て下さったので、ちょっとばかり
飲んで戴きたかったワインを一杯。
いや二杯。三杯。いくらでも飲むなこの人…。
好きなんだな、ドイツワインが、と思わせる心地良い飲みっぷり。
いいねぇ。

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理屈じゃなくて、本能で飲んでるのが良く分かる。
頭じゃなくて心で感じてる。
この人は心底から楽しんでる。
こんな飲み方をしたいなぁ…ってつい横から見てました。

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倉敷に観光に来た…っていう女性を傍目に、
おれの目的はココだかから、もう満足。もう良ぃヨ…
なんて言ってる。
いや、可愛そうだよ、それ。
せっかく倉敷に来たんだから、楽しんでいってよ白壁の街を。

とりあえず、お昼御飯を…ってことで、
紹介した美観地区のレストランへ向けて
テンカワさん一行は出発!
と思ったら、逆方向へ行ってて後戻り。

根っから陽気な人の来訪に、私のハートランドな一日は
楽しく彩られたような気がしました。

ありがとうございました!