09-0815引き込まれるようなピノの魔力

2007 マイヤー・ネイケル シュペートブルクンダー “S”

Meyer-Nakel Spatburgunder ‘S’ Qualitatswein

100225_32ドイツワインガイド・ゴーミヨ2004年版で
「その年の生産者」に選ばれたマイヤー・ネイケル。
伝統的に赤が多いアール地方とはいえ、
栽培面積の75%がシュペートブルクンダー。
リースリングに至っては、ドルンフェルダーと合わせて5%。

こいつは、最初から凄んでいる。
黒くシンプルないでたちに、自分が圧倒されているから
そう感じたのかも知れない。

年号の下に記された“S”の文字は、金バッジのごとく
恫喝し、畏敬を強要してくるかのよう…。

対決は、初対面の2007年。
グラスを傾ければ、エッジは少し薄め、中心は黒っぽい。
出荷間もないからだろうが、ピノノワールとしては標準的。

香は、まず、樽・下草・ヨード・ヴァニラ。
赤い果実。上品なイチゴ。可愛らしいチェリー。ハーブ。
もっと果物…メロンなども。
さらに気持ちの良い焦臭。
香気成分が湧き立ってくる。
「この香だけで御飯が食べられる」…って表現が変かな?

舌触りの角がなく滑らか、タンニンも角が取れ丸いので
するすると口に入り喉を越そうする。
しかし、アルコール度数は14%表示されている通り、
酔いが後から追いかけてくるのでご用心。
風味の中に塩辛さにも似たミネラル分。
…もしかすると土壌に起因?

味わいの複雑さは他の追随を許さない。
アフターテイストも豊かで、余韻も極めて長い。

この複雑さ、馥郁たる香、緻密さ、文句無し。
引き込まれるようなピノの魔力、その封印を解くには、
4時間ほどをかけて飲んでみるのも良いかも…。

08-0919ベルンハルト・フーバー来訪記念[41]見えない努力をする人~収穫量(4)

『毎年良くなる』

その理由の説明を受け、確かに品質が上がるだろう…
と納得した様子の質問者。
しかし、すぐまた次の質問を下さった。

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“品質を上げる為に“量”を犠牲にしたなら、
我々日本人など到底買う事ができなくなるのではないのか?”

現実にここ数年は買えていたようだし、
今も買えているじゃないか。
本当にそれだけ収穫量を絞り込んだ造りを行っているのか?
という真意だったのだろう。

因みにこの方は赤ワインは不慣れなようで、
ほとんど口を付けないまま赤ワインを残されていた。
じっくりと味わって頂けたなら、きっとお分かり下さっただろうに…
と少々残念ではあった。

実は、フーバー醸造所のワインは、
輸入業者であるヘレンベルガーホーフと親密な人間関係を築いているため、
日本には特別に不足なく供給してくれている。

それがどれほどの集荷力か?を示す話を御紹介しておきたい。

ドイツ領事館勤めの人物が、ドイツ国内の三ツ星レストランに入り、
昨今有名になったフーバー醸造所のワインを飲もう…とした。
しかし、ワインリストを見ると、すべてに×が付いて
「Sold Out」
になっている。

一体これはどうなっているんだ!
とレストランの経営者に問いかける。
すると、
「あなたたち日本人が買い占めたからなんですよ」
と言われた…とのこと。

高品質ゆえに生産量が少ないフーバー醸造所のワインだが
日本に優先して回しているために
ドイツ国内のレストラン、ひいては世界レベルでは
かなり不足している‥というのが実情だ。

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品質を上げる為に収穫量を厳しく絞り込む。
その賜である高品質を得たフーバー醸造所のワインを
日本では楽に手にする事ができる。
これは実は、スゴくありがたい状況のようである。

[To Be Continued…]

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08-0914ベルンハルト・フーバー来訪記念[40]見えない努力をする人~収穫量(3)

2004年以降、すべての葡萄に対して、
この処理(トラウベン・ハルピエーレ)を行うようになった…
と聞いて驚いていた私だが、
不作だったという2006年には、更にもう一歩、
踏み込んだ作業を行っていた。

2006年は収穫の直前に土砂降りの雨が続き、
この処理を行っても、葡萄の実が弾けるものが出始めた。
そうなると野生酵母が付いて発酵がスタートしてしまう…
早い話、腐るのだ。
外観は正常でも、内部で実が弾け、腐敗している房がある。
外から見ただけでは判断がつかない曲者だ。

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その対応として、収穫時に一房づつ香を嗅ぎながら、
健全な房だけを選り、収穫か・廃棄かを決定したという。
労力は多大で、普段の収穫の3倍以上の時間がかかったそうだ。
そして、この収穫時には、半分以上を捨てた…と言う。
選果台の選り分けを遙かに超えた労力を費やし、思い切った廃棄を行っているのだ。

何の事はない。
毎年、同じ量のワインを造ってる…などと、誰も言っていないのだ。
どんどん人気が上がっているフーバー醸造所のワインは、
買い上げ価格が高くなっているから、生産量が減っても
それに見合う対価を得られるのだろう。

しかし、その品質上昇は、驚くほどの減量・努力の賜だったのだ。
その努力を知りもせずに、生意気に
「2000年以降、毎年良くなっている」
などと言っていた自分を恥じた。

切り落とされた葡萄、一つ一つ嗅ぎながら選り分けた労力…
ほんのワンシーンを知っただけでも
「毎年良くなってる」
という事実を確信し、
その言葉が重さを伴ったのを実感した。

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毎年良くなってるユンゲレーベン

本当に呆れた品質至上主義、そして徹底的に
見えない努力をする人物なのである。

[To Be Continued…]

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08-0813ベルンハルト・フーバー来訪記念[34]白熱のライブは続く

醸造家が来訪してのセミナー…といえば、
その醸造家が語る事がすべてのように感じられるかも知れない。
例えば百人を越えるオーディエンスで行うセミナーなら、
そうならざるを得ないだろう。

しかし少人数だと、話は違ってくる。
講演者だけでなく、参加者もその会を作っていくことになる。

この日、昼はホテル・レストランなどの業務店関係、
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夜は、一般の方々…という二部制で行った。
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フーバーさんが話す、主体の部分は、
これまでに書いたようにほぼ同じだった。
が、前者が、仕事の途中で、夜の仕事を控えて比較的静かに終了したのに比べると、
後者はエンスーが多く、突っ込んだ質問が多く出る事になった。

それに応えるフーバーさん、すべてに対して150%体制で臨んでいるだけに
語る一言一言に熱が籠もっていく。

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「緊張すると長くしゃべる」
と本人が言う通り、
語りだすと止まらない状況になっていく。

先に開いたDr.ヴァイルのセミナー時も、
会場からのディープな質問が多く出た。
通訳が訳せない語句が出たりもしたが、一つ一つの質問に真摯に答えてくれた。
冷静な対応の内側に、ワイン造りの人物としての情熱をはっきりと見てとれた。
多分、普通では見えない、彼の本質に迫る事ができたのだろう。

今回の通訳は、フーバー醸造所で一年以上働いた人物であるだけに
細かいニュアンスまで伝わり、より深いやり取りが展開された。

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手前が通訳・山野氏

お行儀良く聞くオーディエンスに対して語るのも、
セミナーの一つのスタイルだろう。
しかし、分かる人の前では、より熱く、より深く語ってこそホンモノ。

ノリの良いライブ状態になった、この日の一般向けセミナー、
一段とディープで、白熱した内容となっていく。
次のスケジュール(夜の夕食会)が入っているのに、終わらない。
さながら、スタンディング・オベーションの中で
熱く続くエンドレス・ライブ。

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フーバー ピノ ゼクト b.A. ロゼ ブリュット 750ml

このゼクトには1本1本フーバー氏の奥さんの
サインが書き込まれています。

こんなオーディエンスそしてセミナーならば、
きっとフーバーさんも喜んでくれたに違いない。

[To Be Continued…]

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08-0327ベルンハルト・フーバー来訪記念[03]先駆者の足跡

人生を賭ける旅…それが宝探しだとすれば、
あなたは進む事ができるだろうか。
宝の在処を間違いなく記した地図を手入れたとして
その不確定な未来に、人生を賭けられるのか…。

私のように取るに足らない才能の者でさえ
そんなギャンブルはできなかった。
宝が見つからなかった時が恐ろしいから。
絶対に見つかる!という保証があるなら、
もしかしたら宝探しに身を投じたかも知れない。

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しかし人生に保証などありはしない。
13世紀の古文書に宝の在処を見つけたとしても
そこまで辿り着く能力・気力もさながら、
すべてを捨てて船出する度胸はない。
その旅に出る者の決意、そして自信の強さが推し量れるだろう。

ベルンハルトは、着実に、確かな足跡を残していく。
誰もが成し得なかった
ドイツの赤の新しい世界を開く先駆けとなっていく。

1990年ドイツワイン誌「VINUM」
スタート翌年に造った1988年のシュペートブルグンダーが
ドイツの赤として 最高の評価を得る。

1992年ラインガウの名門ホテルレストラン「クローネ」の品評会」
1990年のシュペートブルグンダー《レゼルヴァ》が
ピノノワールの部門でトップを受賞。

1994年ドイツのワイン誌「ワイン ニュース レター」
1992年のシャルドネがピュリニー・モンラッシェ等の
世界有数の醸造所を抑えてトップを受賞。

1995年 フランス・シャトレーの国際的シャルドネの品評会
348種類のワインの中から金賞6本のうちの一つに選ばれる。

1997年英国ジャーナリスト、スチュアート・ピゴット
彼の著書にて「新しいスターが誕生」とフーバー醸造所を絶賛。

1997年ブルゴーニュから20、世界各地から12のピノノワールの
生産者が集ったワイン批評誌主催の品評会

世界10位の醸造所としてランクされる。フランス以外の醸造所では最高位。

1997年ドイツで最も権威あるワイン批評誌「ゴー・ミヨ」
1995年のシュペートブルグンダー《レゼルヴェ》が
最高のシュペートブルグンダーと評される。

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フーバー
シュペートブルグンダー “R” レゼルヴェ
Q.b.A トロッケン750ml

船出して10年目の1997年、その歩んで来た道の確かさが
十分すぎる結果として出ている。
そしてまた、ベルンハルトの旅は続いていく。

[To Be Continued…]

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