06-0715ポール・マス来訪 [06] 和食との妙 Nr.2

「刺身には、ミュスカ・セック!」
余り経験した事がなかったこの組み合わせの
意外なマリアージュに、自信を持って言った。

が、対面して座っているポール・マス氏から、
「シャルドネ・ヴィオニエの方が相性が良い!」
と反論が出た。

ドメーヌ・ポール・マス[2005]
シャルドネ-ヴィオニエ

ル・ニ・ド・マ  ミュスカ・セック[2005]
ドメーヌ・ポール・マス

近年ヨーロッパ、特にフランスなどでは和食の普及が進んでおり、
寿司も当たり前のメニューになりつつある…
と同席した輸入業者の人間が言ったばかりである。

同席していた、“魚食い”の我が女房殿にお伺いを立ててみた。
彼女は私と同じく、シャルドネ・ヴィオニエは
余韻の中に少し臭みが浮き上がる事を指摘し、
ミュスカ・セックとの相性を推した。

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全くの憶測に過ぎないが、このビジネス・マン、
噛む回数が少ないまま飲み込んでいるのかも…。
余韻の中の臭みを感じる前に飲み込んでる?

とりあえず、刺身を食べ続けて50年弱、
ワインを飲んでは30年弱の私としては
刺身にはミュスカ・セックを推したい。

さて、メニューは展開されていく。次は、

【小鉢】ずわいがに、かに味噌和え

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上に載っている木の芽はミュスカの芳香と相性が良いが、
本体部分の蟹・そしてかに味噌和えとなると、
先ほどのシャルドネ・ヴィオニエの方が良いように感じる。

これに関しては意見のブレは無く、全員一致。

そして次は

【焼物】ウナギの出し巻き

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となるが、どうもミュスカ・セックのイメージでなく、
シャルドネ・ヴィオニエで良い。
だが、いろいろ試してみるのが面白いので
次のワインを出して貰った。

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ル・ニ・ド・マ
マルサンヌ[2004]
ドメーヌ・ポール・マス

Le Nid de Mas(ル・ニ・ド・マ)という名を付けた
マルサンヌ(葡萄で造ったワイン)。
Nidは鳥の巣・Masは農家の意味で、
鳥が巣を作れるような環境である事を主張。

鳥は食料である虫が居なければ定住できない。
虫が生息できるのは、農薬を殆ど使わない事の証明。
自然の力を大切に伸ばしている象徴が
この名前に凝縮されている訳である。

さらに地葡萄マルサンヌを使う事で
より地域性・自然…というイメージを前面に押し出している。

その味わいは、まろやかで程良い酸味、
白い花・梨・フルーツの香りがあり、
舌触りは極めて滑らか。

出し巻き部分にはこちらの方が合うように感じた。

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