遙か昔、ワインは現代のように十分な量が流通していただろうか。
量もテクノロジーも低い当時、新しい年のワインができるまで、
少なからず飢餓状態…になったのではないだろうか。
だからこそ、9世紀にカール大帝が定めた 「シュトラウスヴィルトシャフト」
…新酒ができると街道筋に告知したのだろう。
不足した時代でなくとも、愛好者にとっては新酒の誕生は待ち遠しく、
まずは一杯…とつい思ってしまうから、
この告知を当時の左利きがどんなに待ち望んでいたかは、
想像に難くない。
この習慣が、デア・ノイエとして受け継がれたのも当然という気がする。
そして、僅かずつ進化し続けたデア・ノイエも、
昨年のハルプトロッケン(中辛口)からついに今年、
「トロッケン」(辛口)となった。
葡萄品種リヴァーナは、ミュラートラガウの事だが、
前者で呼ぶ方がドイツ人にとっては格好良く、美味しそうに聞こえるそうで、
最近では、辛口の場合はこちらの名を使うようだ。
デアノイエの法規制は…と、そんな杓子定規な事よりも
今年の葡萄で造られた、他のどの国の新酒よりもフレッシュ!
という方が思いが伝わるだろう。
デア・ノイエ ハルプトロッケン
ヴェストホーフェン農協[2006]
2,100円(税込)
グラスに注げば、輝きある薄い金。
グラスに気泡が付く、できたてのフレッシュ感。
香は、ライム、レモンの柑橘系に加え、フルーツ、
また僅かの香草系の香もある。
あくまで爽やかで澄んだ清流のようなクリアーさ。
ハム、チーズなどに相性が良いし、カボスや柚などを絞った日本料理、
天ぷらなどにも最高。10℃付近が適温。
[品 質→ 普通 良い 優良 ●秀逸 最高]
[質:価→ 普通 良い 優良 ●秀逸 最高]
[To Be Continued…]