2007 アスマンズホイザー・ヘーレンベルク
シュペートブルクンダー Q.b.A トロッケン
Dm.アスマンズハウゼン,
スタッツヴァインギューター・クロスター・エベルバッハ
Assmannshauser Hellenberg Spatburgunder Q.b.A Trocken
Domaine Assmannshausen,Staatsweinguter Kloster Eberback
ドイツ最高の赤!
って判で突いたような文言を頼りに
20年以上前にアスマンズホイザーの
各グレード゙をいくつも飲みました。
しかし、これを最高と言うのなら、
ドイツの赤は視野に入れる必要なし…と判断。
以来ずっとテロワールの悪さを嘆き、
ご無沙汰だったこの銘柄。
今回、トランスポーター3の主役
フランク・マーティン(ジェイソン・ステイサム)
のイメージのワインを捜す…という事で
久々に出会う事になりました。
もしかしたら、外観的イメージは最も合ってるのかも…
なんて思いながら抜栓。
20数年前と同じだったらもうこの銘柄は終わりだな…
とも思いながらグラスに注ぐと、
むぅ…
赤とすれば標準的?いや、そこそこ濃い。これがドイツのピノ?
外観だけでも昔と違って濃くなっています。
少し紫っぽい黒さを中心に持った赤です。
香は、赤い果実。イチゴ、チェリー。ゆで小豆。
森の下草。ヨード。ハーブも…。
舌触り滑らかで優しさがあります。
マロラクティック発酵が完璧に行われているからこその複雑さと旨味、
それは間違いなく、残糖0を意味します。
ボディは軽やかながら、後味は結構長くて豊か。
複雑さも持っています。
スリムだけど、筋は通ってしっかり。
角の取れた飲み口は、ついもう一杯!と言いたくなる…
飲み手を楽しませる力が内包されているようです。
長めの余韻に身を委ねながら、自分自身を戒めました。
誰が1989年と同じだと言った?誰が進化してないと言った?
旧態依然で、座して居られるほど、ワインの世界は甘いものなのか?
地球温暖化も影響しているでしょうが、それ以上に
飲み手の要望を受け止め、確実に、そして大幅に進歩しています。
それを理解しようとしないようでは飲む資格がないよ…
ってこのワインの美味しさに叱られたような気がしました。
ヘーレンベルク。
地獄の山は、私の心を赤く染め、
進歩のもたらす感動で私を揺さぶってくれました。
けれども、このワインはフランク・マーチンたりえず。
プログレッシブ過ぎるのです…。