08-0519ベルンハルト・フーバー来訪記念[27]白3番 その1

白の3番目は、樽発酵、樽貯蔵の、

27p1
フーバー シャルドネ Q.b.A トロッケン 750ml

である。

ドイツでは不遇な葡萄であったシャルドネ。
1989年までは、この葡萄を使うと、どんな銘醸畑で、
どれほどの醸造家が造っても、
最下級のターフェルヴァイン(ヴァン・ド・ターブル)と扱われた。

いかにレベルを上げても、良いワインと認めて貰えない葡萄を
好んで植える栽培家・醸造家は居ない。
しかしフーバー醸造所では1954年から植えられていたのである。

この年、マルターディンゲン村では
畑の葡萄の多くを植え替えた。
ヴァイサーブルクンダーへの改植を行ったのである。
苗が全く足らず、ブルゴーニュの業者に買いに行った。

それを植えたのだが、苗木の一部(と言うより多く)が
収穫量が低く、香りがヴァイサーブルクンダーの物とは違う…
と誰もが感じた。
この改植を失敗と判断し、1960年~1970年に引っこ抜いて
植え替えたという記録がある。

このブルゴーニュの業者から買った木は変だ…
という事で、フーバーさん自身は勉強して、
何の品種か?をつきとめようとした。
最初は、“モスカート・ヴァイサーブルクンダー”か?
とも思っていたが、どうも違うと感じていた。

彼自身、薄々気づいてはいたのだ。
ブルゴーニュの苗木業者が多く持っている白の葡萄…
研究機関に出して検査すると、案の定“シャルドネ”。

なんと、この1954年に買って来た苗の
3割のみがヴァイサーブルクンダーとオクセロワ(ヴァイサーと酷似)で、
残り7割がシャルドネだった…という、
フランスの業者のいい加減さを露呈する事件だった。

この苗から育った樹は、1990年まで、
「変なヴァイサーブルクンダー」として抜かれ続けた。
しかしフーバー醸造所では、根が張っていくので抜かなかった。
父親が残してくれたのだ。

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この父親の英断に、フーバーさんは感謝していると言う。
飲む側の私としても、フーバーさん以上に、
こんなシャルドネを造る木が抜かれなかったのは
とても幸運だったと強く感じる。
飲めば押し切られそうな、パワフルな果実を実らせる樹だ。

[To Be Continued…]

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